
「虫、やっぱり無理かも……」
アマガエルを飼い始めてみたものの、餌に生きた虫が必要と知って戸惑っていませんか?
コオロギやミルワームを触るたびにストレスを感じている方も多いはずです。
実は、アマガエルには“虫以外”でも与えられる人工フードや代用品がいくつか存在します。
もちろん個体差はありますが、工夫次第では虫を使わずに飼育を続けることも可能です。
この記事では、虫が苦手な飼い主さんのために、虫以外でアマガエルに与えられる市販フードの選択肢を紹介します。
アマガエルの飼育方法に関する基本情報や生態・特性は以下のページにまとめています。

アマガエルは虫以外の餌でも生きられるの?

アマガエルは本来、野生ではハエやクモ、小型の昆虫などを捕食して生きる肉食動物です。
つまり、基本的には“虫が主食”の生き物です。
よって飼育下でもアマガエルにはコオロギなどの生餌を与えるのが主流となります。

そのため、完全に虫を排除して飼育するのは難しいというのが一般的な見解です。
しかし一方で、最近ではカエル用に開発された人工飼料や、両生類・魚・爬虫類用の代用フードなども登場しており、虫を一切使わずに飼育できている飼い主さんも実際にいます。
特に、アマガエルがまだ小さく、餌へのこだわりが少ないうちから人工フードに慣らすことができれば、虫なしでも長期間の飼育が可能になることもあるのです。
ただし、どんなフードにも個体差があります。
「まったく受け付けない」「口に入れても吐き出す」といった反応もあるため、焦らずじっくり様子を見る必要があります。
アマガエルのエサで虫以外のエース「人工飼料」の種類と特徴

「虫が苦手だから虫以外の餌を与えたい」と考えたとき、真っ先に候補に挙がるのが市販の人工飼料(じんこうしりょう)です。
ここではアマガエルに与えられる虫以外のフードについて、主なタイプを3つ紹介します。
カエル用の人工飼料
ペットショップや通販では、カエル専用に作られた人工飼料がいくつか販売されています。
代表的なのは、ヒキガエルやツノガエル向けの商品ですが、フードの粒が小さければアマガエルにも利用できます。
このタイプの人工飼料は、たんぱく質やカルシウムなどの栄養バランスが整っており、虫を使わずに済むという意味では非常に心強い存在です。
ただし、アマガエルは動くものを“餌”と認識する性質があるため、人工飼料をそのまま置いただけでは見向きもしないことも多いです。
そのため、ピンセットで揺らすなどして“動いているように見せる”工夫が必要になります。
また、カエルによっては人工飼料を全く食べない個体もいるため、慣れるまでは虫との併用を検討するのもおすすめです。
レオパゲル・レプトミンなどの代用フード
アマガエルに与えられる虫以外の餌として、両生類・魚類・爬虫類向けに販売されている人工飼料を“代用フード”として活用するという方法があります。
代表的なものとしては、以下のような製品がよく使われます。
- レオパゲル(レオパードゲッコー用)
→ チューブから出してピンセットで与えるゲル状のフード。柔らかく、においも強めで嗜好性が高く、アマガエルでも食いつくことがあります。 - レプトミン(熱帯魚用)
→ 水にふやかすと柔らかくなり、小さくちぎってアマガエルに与えやすい。高たんぱくで栄養バランスがよく、カルシウムも豊富。 - 両生類向けの小粒タイプ人工飼料
→ 例えばジェックスの「両生類・水棲カメ用フード」なども、小型個体向けとして利用可能。硬いものは水でふやかして使うと◎。
これらは本来アマガエル専用ではありませんが、成分的には非常に近く、虫を使わずに済む実用的な選択肢です。
ただし、動かないものには反応しにくいアマガエルにとっては、やはり「最初は食べない」ことが多いため、ピンセットで揺らす・においを強調するなどの工夫が必要です。
それでも慣れてくれる個体なら、虫を一切使わない飼育も夢ではありません。
補足:カエル用以外の人工飼料も紹介する理由
「カエル専用の人工飼料があるなら、それだけで良いのでは?」と思うかもしれません。
しかし実際には、カエル用フードには全く反応しないのに、爬虫類用フードには食いつくといったケースも珍しくありません。
アマガエルの嗜好には個体差が大きいため、選択肢を広げておくことはとても重要です。
もちろん、まずはカエル用フードから試すべきですが、それでうまくいかない場合には、こうした他の人工飼料も試す価値があるというわけです。
家にある食材を代用
アマガエルには人間が食べる食材を与えるのは基本的には難しいのですが、一部の食材は試してみる価値はあります。
家庭の冷蔵庫やキッチンにある食材を使ってカエルの餌をまかなう方法を解説した、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
継続的にというよりは一時的な緊急用として押さえておいてください。
カエルの餌を“家にあるもの”で与えるなら?かつおぶし等の可否を解説!

虫を使いたくないけど、冷凍ならアリかも?
「虫は苦手だけど、生きていなければまだマシかも……」という飼い主さんはとても多いです。
実際、冷凍赤虫や乾燥コオロギなどの“動かない虫”は、見た目はそのままでも精神的ハードルがグッと下がるため、導入しやすい選択肢です。
なぜ多くの人が「冷凍や乾燥ならOK」と感じるかというと、生きた虫にある“めんどうや不快な要素”がすべてなくなるからです。
たとえば冷凍・乾燥餌なら…
- 餌にエサ(野菜など)を与える必要がない
- 鳴かないのでうるさくない
- 動かないので怖くない
- フンをしない(衛生的)
- 繁殖しない(管理が楽)
- 脱走の心配がない
つまり、「生きた虫を飼う」という飼育者側のストレスを一気に減らしてくれるのが、冷凍や乾燥餌の最大のメリットなのです。
冷凍赤虫や冷凍コオロギ

冷凍赤虫や冷凍コオロギは、すでに死んでいて動かないため、活きた虫に抵抗がある飼い主さんでも比較的扱いやすいフードです。
必要なときに湯せんで解凍し、ピンセットで与えるだけ。冷凍保存ができるので、管理もしやすいのがポイントです。
アマガエルは「動くもの」を好む傾向があるため、冷凍虫には反応が鈍いこともありますが、赤虫のようにフワッと水中で揺れるものには比較的反応が良い個体もいます。
ただし、赤虫は特に水を汚しやすいため、与えすぎや食べ残しには注意が必要です。あくまで“補助的な餌”として使うのが理想です。
乾燥コオロギや乾燥ミルワーム
乾燥虫もまた、「見た目がそのまま虫」であるため抵抗があるかもしれませんが、動かない・常温保存できる・触らなくていいという3点で人気があります。
とはいえ、カエルからすれば動きもにおいも弱いため、「乾燥虫だけで育てる」のは正直かなり難しいです。
実際には、以下のような工夫とセットで使われることが多いです。
- 湯戻ししてやわらかくする
- ピンセットでゆらして見せる
- 食いつきやすい人工フードと混ぜて与える
また、乾燥虫は栄養バランス的にカルシウムが不足しがちなので、栄養補助(カルシウムパウダーなど)との併用が推奨されます。
「虫が完全にNGではないけど、活き餌は厳しい…」という方にとっては、こちらも検討に値する中間的な選択肢といえます。
人工飼料に慣れさせるコツと注意点

虫以外の人工飼料を使うには、「慣れ」こそが最大のハードルです。
アマガエルは視覚的に“動くもの”を餌と認識する傾向が強いため、動かない人工飼料には最初まったく反応しないこともよくあります。
ただし、ここで諦めるのはもったいない!
以下のような工夫で、徐々に人工飼料へ慣れさせることが可能です。
少しずつ置き換える「ミックス作戦」
最初から人工飼料だけを与えると拒否されることが多いです。
そこでおすすめなのが、生餌に人工飼料を“混ぜて与える”方法。
たとえば、ピンセットでコオロギを与えるついでに、人工飼料も同じように動かして見せます。
最初は無視されても、慣れてくると動かし方やにおいに反応して試しに食べるようになることもあります。
動きを演出して“餌らしく”見せる
アマガエルは動くものにしか反応しない個体も多いため、ピンセットでゆらゆら動かして「動いてる風」を演出するのがポイントです。
特にゲル状のフード(レオパゲルなど)は、垂らすようにしてピンセットから揺らすとリアル感が増して食いつきやすくなります。
餌の種類を変えて試す
一種類の人工飼料でダメでも、別のタイプなら食べることもあります。
人工飼料はメーカーや形状(粒・ペースト・ゲル)によってにおい・食感・成分が微妙に異なるため、複数試してみるのも有効です。
拒食が続く場合は一旦虫に戻す勇気も必要
頑張っても人工飼料に見向きもしない個体もいます。
そんなときは、無理に続けて拒食状態にさせてしまうより、一度虫に戻して栄養を確保することが優先です。
アマガエルにとっては“慣れない餌”=“食べ物ではない”という認識なので、時間をかけて少しずつ慣らしていきましょう。
まとめ
虫が苦手でも、アマガエルの飼育はあきらめなくても大丈夫。
市販されている虫を使わない人工飼料や、動かない冷凍・乾燥タイプの餌をうまく活用すれば、虫を触らずに飼育を続けることも十分可能です。
もちろん、生餌に比べて食いつきが悪いこともありますが、工夫次第で食べてくれるようになる個体も多くいます。
最初はうまくいかなくても、焦らずじっくり試してみることが大切です。
アマガエル専用のフードがないからこそ、他の両生類・爬虫類用フードを活用したり、冷凍餌を取り入れたりと、柔軟に選択肢を広げておくことが成功のカギになります。
アマガエルの飼育全般に関する記事もぜひチェックしてみてくださいね!
