シリケンイモリの毒は、フグと同じテトロドトキシン(TTX)を持つことで知られています。
見た目は愛らしい姿ですが、実は 少量で命を脅かす猛毒 を秘めており、誤って口にすると呼吸停止など重篤な症状を引き起こす危険性があります。
特に野生個体の毒性は非常に強く、飼育下でも注意が必要です。
本記事では、シリケンイモリの毒の強さ、作用、ペットへの影響、飼育時の注意点まで詳しく解説します。
シリケンイモリの毒性は猛毒なの?
シリケンイモリには毒があります。
この毒は、皮膚から分泌される「テトロドトキシン(TTX)」と呼ばれる非常に強力な神経毒です。
フグの毒と同じ成分で、自然界では捕食者から身を守るための防御手段として機能しています。
毒性の強さと影響
シリケンイモリの毒である テトロドトキシン(TTX) は、「猛毒」に分類される と言えます。
テトロドトキシンはフグの毒と同じ成分で、神経系に作用する強力な毒です。
シリケンイモリの毒は、微量でも神経の働きを麻痺させる作用があり、人間が誤って口にすると重篤な症状を引き起こす可能性があります。
最悪の場合、呼吸停止や心停止を引き起こし、死に至ることもあります。
特に子供やペットが触れたり舐めたりすると危険です。
ただし、素手で触れるだけでは皮膚から毒が吸収されることはありません。
毒がある部位
シリケンイモリの毒は、主に皮膚の表面に存在しています。
特に背中側の皮膚に多く含まれており、敵に襲われると皮膚から毒を分泌して身を守ります。
外敵が噛みついた際に毒が口内に入ることで、捕食者は痺れや麻痺を起こしてイモリを離します。
毒の生成
シリケンイモリは、自然界の食物連鎖の中で毒性を高めていると考えられています。
野生のシリケンイモリは毒性が非常に強いですが、飼育下で長期間餌付けされた個体は毒性が薄れる傾向があります。
これは、野生環境で摂取していた特定の餌が毒の成分を生成する要因になっているからです。
人間への危険性
通常の飼育下では、触る程度であれば人体に害はありません。
しかし、触れた後に目や口をこすると毒が体内に入る恐れがあるため、シリケンイモリを触った後は必ず手をよく洗うことが重要です。
また、誤って口に入れることは絶対に避けなければなりません。
ペットへの注意
犬や猫などのペットがシリケンイモリに触れたり、誤って食べたりすると中毒を起こす危険があります。
中毒症状には、嘔吐、下痢、痙攣、麻痺などがあり、最悪の場合は死亡することもあります。
ペットがイモリに触れた場合はすぐに動物病院で診察を受けるべきです。
シリケンイモリの毒の症状とは?
シリケンイモリの毒である テトロドトキシン(TTX) に侵された場合、神経系に深刻な影響を与え、短時間で重篤な症状を引き起こします。
この毒は、フグの毒と同じ成分であり、摂取すると以下のような症状が現れます。
初期症状
摂取後30分から3時間以内には、口や舌にピリピリとしたしびれが広がり、手足にも感覚異常が現れます。
この段階では、めまいや吐き気、嘔吐といった消化器系の異常も伴うことが多いです。
中期症状
時間が経つにつれて、3〜6時間以内には筋力が徐々に低下し、手足が動かしにくくなります。
さらに、舌や喉の筋肉が麻痺することで発声が困難になったり、視覚障害や意識混濁といった深刻な症状が現れることもあります。
重篤症状
6〜12時間以内には神経伝達が完全に遮断され、横隔膜や呼吸筋が麻痺して呼吸困難に陥ります。
最悪の場合、呼吸停止から心停止へと至り、死に至ることもあります。
人間の場合、致死量は約2mgのテトロドトキシンとされており、シリケンイモリ1匹分の毒で命を落とす危険性があります。
アマミとオキナワ!どちらのシリケンイモリの毒性が強い?
アマミシリケンイモリとオキナワシリケンイモリの毒性には、多少の違いがあります。
どちらも「テトロドトキシン(TTX)」という神経毒を持っていますが、毒の強さには個体差や地域差があり、一般的には アマミシリケンイモリの方が毒性が強い とされています。
アマミシリケンイモリの毒性

アマミシリケンイモリ(Cynops ensicauda popei)は、奄美大島や加計呂麻島などの奄美諸島に生息しています。
この種は、皮膚から非常に強力なテトロドトキシンを分泌します。
特に野生個体は毒性が強く、捕食者に対する防御力が高いです。
個体によっては、フグに匹敵するほどの毒性を持つものも確認されています。
オキナワシリケンイモリの毒性

オキナワシリケンイモリ(Cynops ensicauda ensicauda)は、沖縄本島や周辺の島々に生息しています。
同じくテトロドトキシンを持っていますが、アマミシリケンイモリと比較すると、毒性はやや弱い傾向があります。
ただし、毒の強さには個体差や環境要因が関係しているため、必ずしもすべての個体がアマミシリケンイモリより毒が弱いとは限りません。
毒性の差の理由
この毒性の違いは、主に生息地の環境や食性によるものと考えられています。
シリケンイモリは自然界で特定の無脊椎動物(例えば、毒性を持つ甲殻類や貝類)を摂取することで体内でテトロドトキシンを生成します。
アマミシリケンイモリが生息する奄美諸島の生態系には、毒性の強い生物が多く、これが毒性の強化につながっている可能性があります。
飼育下で繁殖個体の毒性の強さの変化
どちらの種も飼育下では、人工飼料や無毒な餌を与えられることで、時間の経過とともに毒性が弱まる傾向があります。
野生個体と比べて、ペットショップなどで販売されている個体は毒性が低いことが多いです。
ただし、飼育下でも完全に毒が消えるわけではないので、触れた後には手を洗うことが重要です。
アカハライモリと比べて毒性はどちらが強い?
シリケンイモリとアカハライモリの毒性を比較すると、シリケンイモリの方が毒性が圧倒的に強い ことが分かっています。
シリケンイモリは、沖縄や奄美の自然環境で特定の無脊椎動物を摂取することで毒性が非常に強化されています。
一方、アカハライモリの生息地域では、シリケンイモリほど毒性を強化する食性は少なく、結果として毒の強さに差が出ています。
どちらも「テトロドトキシン(TTX)」という強力な神経毒を持っていますが、毒の量と濃度に大きな差があります。
シリケンイモリの毒性

✅ 毒の強さ:
シリケンイモリ(アマミシリケンイモリ・オキナワシリケンイモリともに)は、体全体にテトロドトキシンを多く含んでいます。
特に野生個体はフグに匹敵するほどの強力な毒を持っていることがあり、誤って口にすると非常に危険です。
噛みつかれたり、体液が口や傷口に入ると、最悪の場合、死亡する可能性 もあります。
✅ 毒の部位:
毒は皮膚に広く分布しており、特に背中や尾の部分に多く含まれています。
捕食者に襲われた際には、皮膚から毒を分泌して身を守ります。
✅ 毒性レベル:
個体差や環境要因もありますが、致死量レベルのテトロドトキシン を持つ個体もいるため、ペットとして飼育する場合でも注意が必要です。
アカハライモリの毒性

✅ 毒の強さ:
アカハライモリ(Cynops pyrrhogaster)もテトロドトキシンを持っていますが、シリケンイモリと比べると毒性はかなり弱い です。
人間が触った程度ではほとんど影響はなく、誤って口に入れてしまった場合でも、よほどの量でなければ命に関わることは少ないです。ただし、子供やペットが誤飲した場合は危険です。
✅ 毒の部位:
アカハライモリは名前の通り、お腹側が赤色で、これは捕食者に「毒があるぞ」と警告する警戒色です。
毒は主に皮膚に含まれており、背中側よりも腹部の方が毒性が強い とされています。
✅ 毒性レベル:
アカハライモリの毒は、捕食者にとっては有効な防御手段になりますが、シリケンイモリほどの強力な毒性は持っていません。
まとめ
いかがでしたか。
今回はシリケンイモリの毒性について解説しました。
シリケンイモリは、強力な神経毒であるテトロドトキシンを持ち、少量でも命に関わる危険性があります。
見た目の可愛らしさとは裏腹に、誤って口にすると呼吸麻痺を引き起こす可能性があるため、飼育時には細心の注意が必要です。
特に野生個体は毒性が強く、ペットや子供が触れる際には手洗いを徹底することが大切です。
シリケンイモリの毒について正しく理解し、安全な飼育環境を維持することで、安心してイモリとの暮らしを楽しみましょう。