田んぼや池の近くで聞こえる、低くて少し不思議な「ギューギュー」という音に、「これってツチガエルの鳴き声?」と気になったことはありませんか。
ツチガエルの声は、よく知られるカエルの高い鳴き声とは印象が異なり、姿が見えないと種類を判断しにくいこともあります。
この記事では、ツチガエルの鳴き声の特徴や聞こえやすい時期、鳴く場所をやさしく解説します。
ヌマガエルなど似たカエルとの聞き分け方や、鳴き声以外に確認したいポイントも紹介するので、水辺で聞いた音の正体を知りたいときに役立ててください。
この記事でわかること
- ツチガエルの「ギューギュー」と聞こえる鳴き声の特徴
- ツチガエルの声が聞こえやすい5〜9月ごろの時期
- 主に雄が雌への合図として鳴き、水中でも声を出すこと
- ヌマガエルなど似たカエルと見分けるための声・環境・体の特徴
ツチガエルの鳴き声は低く単調な「ギューギュー」という音

ツチガエルの鳴き声は、一般に低めの「ギュー、ギュー」、または「グゥー、グゥー」と表現される、短く単調な音です。
高く澄んだ声というより、少しこもった小さなうなり声のように聞こえるため、初めて耳にしたときはカエルの声だと気づきにくいこともあります。
音の高さや聞こえ方には個体差、周囲の環境、聞く人の感じ方による違いがありますが、低音で同じ調子の声が繰り返される点が、ツチガエルの声をイメージするヒントになります。
小さなうなり声のように聞こえるのが特徴
ツチガエルの声は、「ギュー」という文字から想像するよりも、実際には少し太く、控えめに響くことがあります。
近くで聞くと短い音がはっきり感じられる一方、少し離れると「グッグッ」「ウー、ウー」といった、低い振動音のように聞こえる場合もあります。
音が長く伸び続けるというより、一声ごとに区切りがあるため、耳を澄ますと独特のまとまりを捉えやすいでしょう。
また、周囲に虫の音や水の流れる音、風の音などがあると、声の輪郭がやわらいで聞こえます。
そのため、文字だけで完全に再現しようとせず、「低く、こもり気味で、短い声」という全体の印象で覚えるのがおすすめです。
| 聞こえ方の目安 | ツチガエルの声の印象 |
|---|---|
| 音の高さ | 高音ではなく、低めに感じやすい |
| 音の質感 | 少しこもった、うなり声のような響き |
| 一声の長さ | 比較的短く、区切りが分かりやすい |
| 全体の印象 | 派手ではなく、同じ調子で続く |
ただし、スマートフォンの録音では低い音が拾われにくかったり、周囲の雑音が強く入ったりすることがあります。
録音で聞く声が小さく感じても、現地ではもう少し厚みのある音に聞こえることがあるため、音量だけで判断しないようにしましょう。
短い声を間隔を空けながら繰り返す
ツチガエルの鳴き方は、一声を連続して長く響かせるよりも、短い「ギュー」を少し間を置いて重ねるように聞こえるのが特徴です。
たとえば、「ギュー……ギュー……ギュー」と、一定に近いリズムで続くように感じられることがあります。
一方で、声と声の間隔はいつも同じとは限らず、近くで複数の声が重なると、リズムがばらばらに聞こえることもあります。
こうしたときは、一度に全体を聞き分けようとせず、数秒ほど耳を澄ませて、同じ低い音が繰り返されているかを確かめると分かりやすいです。
- 一声ごとの音が短いか
- 低めでやや太い響きに感じるか
- 同じような音色が何度か続くか
- 「ギュー」「グゥー」に近い印象があるか
声を言葉で覚えるときは、「ギューギュー」と途切れなく続けて読むより、「ギュー、ギュー」と間を入れてイメージすると近づきやすいでしょう。
鳴き声の聞き取りでは、音そのものだけでなく、一声の短さと繰り返し方にも注目することが大切です。
鳴き声の音声や動画で確かめる方法
ツチガエルの声を知りたいときは、自然観察を扱う公的機関や博物館、大学、信頼できる自然観察団体などが公開している音声・動画を確認すると安心です。
動画サイトで探す場合は、「ツチガエル 鳴き声」「ツチガエル 声」などの言葉で検索し、映像内にカエルの姿が映っているものを選ぶと、音と様子を結び付けやすくなります。
投稿動画は撮影者の説明だけでは種類が分かりにくい場合もあるため、ひとつの音源だけで決めつけず、複数の音声を聞き比べるのがおすすめです。
- まずは短い音声を音量控えめで聞く
- 「低さ」「こもり感」「短さ」を意識して聞き直す
- 別の録音も再生し、共通する音の印象を探す
- 屋外で聞こえた声と比べるときは、周囲の雑音も考慮する
イヤホンやヘッドホンを使うと低い響きを捉えやすいことがありますが、屋外で利用する際は周囲の音が聞こえる状態を保ち、安全に配慮してください。
音声を何本か聞いておくと、実際に耳にしたときにも、「あの低いギューギューという声かも」と気づきやすくなります。
ツチガエルがよく鳴く時期は5〜9月ごろ

ツチガエルの鳴き声が聞こえやすいのは、おおむね5〜9月ごろです。
とくに初夏から夏にかけては水辺で声を聞く機会が増え、雨のあとや気温が高めの日には、鳴いている様子に気づきやすいことがあります。
ただし、聞こえ方は地域の気候やその年の天候、水辺の状態によって変わるため、月だけで判断せず、周囲の環境も一緒に見てみるのがおすすめです。
| 時期 | 鳴き声に気づきやすさの目安 |
|---|---|
| 4月ごろ | 暖かい地域では、早めに声が聞こえ始めることがあります。 |
| 5〜7月ごろ | 鳴き声を探しやすい時期で、水辺で耳にする機会が増えます。 |
| 8〜9月ごろ | 暑さや水辺の状況に左右されながら、声が聞こえることがあります。 |
| 10月以降 | 気温が下がるにつれて、声を聞く機会は少なくなります。 |
同じ季節でも、昼夜の気温差が大きい日や水が少ない場所では、期待したほど声が聞こえないこともあります。
「夏なのに鳴いていない」と感じても珍しいことではないため、日を変えたり、別の水辺をのぞいたりすると見つけやすくなるでしょう。
水田や池、小川などの水辺で鳴く
ツチガエルの声を探すなら、水田、池、水路、小川のわき、湿った草地など、水気のある場所に注目してみてください。
田植えのあとで水が張られた水田や、流れがゆるやかな水路は、初夏から夏の観察場所として探しやすい環境です。
鳴き声は水面近くや草むらの奥から聞こえることが多く、音のする方向へ近づいても、すぐには姿を見つけられない場合があります。
そのため、カエルを探すときは足元を急いで確認するより、少し離れた場所で立ち止まり、どこから声が重なって聞こえるかを確かめるとよいでしょう。
水田のあぜや、田んぼに近い草むら。
浅い池のふちや、水草が多い場所。
流れの穏やかな小川や農業用水路の周辺。
雨のあとに水たまりができやすい湿った土地。
私有地の水田や管理されている池では、無断で立ち入らず、道沿いや見学が認められている場所から静かに観察してください。
夜間は足元が見えにくくなるため、用水路やぬかるみの近くでは特に安全を優先しましょう。
夜だけでなく日中に声が聞こえることもある
カエルの声は夜の印象が強いですが、ツチガエルは日中に声が聞こえることもあります。
日差しがあり気温が上がっている時間帯や、周囲が比較的静かな場所では、昼間でも鳴き声に気づくことがあります。
一方で、車の音、風で揺れる草の音、水路の流れる音などが大きいと、近くにいても声が聞き取りにくくなります。
昼に探して見つからないときは、夕方以降にもう一度耳を澄ませると、環境音が落ち着いて聞き取りやすくなる場合があります。
観察する時間を決めつけず、次のように分けて訪れると、声に出会える可能性を広げられます。
日中は、水田や池の周辺にツチガエルがいそうな場所があるか確認します。
夕方は、周囲が静かになってから数分間立ち止まって耳を澄ませます。
別の日にも訪れ、聞こえた時間帯と天候を簡単にメモします。
短時間で答えを出そうとせず、同じ場所を時間を変えて観察することが、季節の声を楽しむコツです。
天候や気温によって鳴き方が変わる
ツチガエルの鳴き声は、季節だけでなく、その日の気温や湿り気にも影響を受けやすいと考えられます。
暖かく湿度がある日には声が聞こえやすく感じることがある一方、急に冷え込んだ日や乾いた風が強い日には、静かに感じることもあります。
雨が降っている最中だけでなく、雨上がりで地面や草が湿っているときも、水辺の様子に目を向けやすいタイミングです。
ただし、大雨で水位が大きく変わったときや、強風で水面や草が激しく揺れているときは、鳴き声を聞き分けにくくなる場合があります。
| 観察時の条件 | 耳を澄ませるポイント |
|---|---|
| 暖かい晴れの日 | 日中から夕方にかけて、水辺や草むらの音を確認します。 |
| 雨上がり | ぬかるみや足元に注意しながら、水田や水路の周辺を静かに見ます。 |
| 涼しい日 | 声が少なく感じることもあるため、少し日を置いて再訪します。 |
| 風が強い日 | 風音にまぎれやすいため、風の弱い時間帯や場所を選びます。 |
鳴き声探しでは、5〜9月ごろの暖かい時期に、水辺を時間帯と天候を変えて訪れると、ツチガエルの声に出会いやすくなります。
鳴くのは主に雄で、雌への合図として声を出す

ツチガエルの鳴き声を出しているのは、主に雄です。
雄は繁殖の相手となる雌に自分の存在を知らせるために鳴き、水辺やその周辺で声を聞かせます。
姿が見えなくても鳴き声が続いていれば、近くに雄のツチガエルがいる目安になるでしょう。
繁殖期に雄が鳴く理由
雄のツチガエルにとって鳴き声は、雌に向けた大切な合図のひとつです。
声を出すことで、「ここに繁殖できる雄がいます」と伝えるような役割を果たしていると考えられます。
カエルの仲間では、同じ種類の雌に存在を知らせたり、ほかの雄との距離を保ったりするために鳴く例が多く見られます。
ツチガエルも、声を出す場所や鳴く間隔を変えながら、周囲の個体と関わっている可能性があります。
ただし、鳴き声だけで個体ごとの気持ちや行動を細かく判断することは難しいものです。
観察するときは、声が聞こえた場所の草むらや水際を静かに眺め、ほかのカエルの声も混ざっていないか確認するとよいでしょう。
雌への合図として、自分の存在を知らせる。
同種の雄との関わりのなかで、位置や距離を伝える役割を持つ場合がある。
繁殖に関わる行動のため、声が聞こえる場所には複数の個体が集まることがある。
鳴いている雄を探すときは、声がする方向へ急いで近づくより、少し離れた場所から目を慣らすのがおすすめです。
ツチガエルは体色が土や落ち葉になじみやすく、動かずにいると見つけにくいことがあります。
声が近くに聞こえても、姿は足元や草の陰に隠れていることがあります。
田んぼのあぜや水路の縁などでは、足元を踏み込む前に周囲をよく見て、カエルのすみかを乱さないようにしましょう。
目立つ鳴き袋がなく声が小さい
ツチガエルは、アマガエルのように喉が大きくふくらむ目立つ鳴き袋が見えにくいカエルです。
そのため、鳴いている最中でも「どの個体が声を出しているのか」が分かりにくく、声量も控えめに感じられることがあります。
近くで聞くと低めの声がはっきり届く一方で、少し離れると草の擦れる音や水音にまぎれてしまうこともあります。
喉元が大きくふくらむ様子を期待して探すより、体がわずかに動くことや、声に合わせて口元が動くことに注目すると見つけやすくなります。
| 観察するときのポイント | 見つけるための見方 |
|---|---|
| 声の方向 | 一度立ち止まり、顔をゆっくり左右に向けて音の位置を確かめます。 |
| 喉元の様子 | 大きな袋のふくらみよりも、鳴く瞬間の小さな動きに目を向けます。 |
| 体の動き | 声がした直後に、草の根元や泥の上で動く影がないか探します。 |
雌は雄ほど積極的に鳴くことは一般的ではないため、まとまって聞こえる鳴き声は雄たちによるものと考えやすいでしょう。
とはいえ、実際の野外では姿を確認できないことも多いため、「鳴き声が聞こえる=必ず目の前にいる」とは限りません。
雄が雌へ存在を伝えるために鳴くこと、そして鳴き袋が目立ちにくいことを知っておくと、ツチガエルの声を聞いたときの探し方が少し楽になります。
ツチガエルは陸上だけでなく水中でも鳴く

ツチガエルは、田んぼのあぜや草むらだけでなく、浅い水の中や水際に身を置いたまま鳴くことがあるカエルです。
声が水辺から聞こえるのに姿が見当たらないときは、水面近くや泥の中にいる可能性も考えてみるとよいでしょう。
とくに水草が多い場所や、泥がやわらかい田んぼでは、体の一部を水に沈めた状態でじっとしていることがあります。
陸と水の境目を上手に利用しているため、鳴き声だけでは居場所を絞り込みにくいのがツチガエルを観察するときの特徴です。
水中で声を出せる仕組み
カエルの声は、体内の空気を使って喉の器官を震わせることで生まれます。
ツチガエルも肺にためた空気を利用するため、水に入っていても、呼吸に必要な空気を確保できる状態であれば声を出せます。
ただし、深い場所で長く完全に沈んだまま声を出し続けるというより、水面近くや浅瀬で、水と空気の両方を利用できる位置にいると考えるとイメージしやすいでしょう。
頭だけを水面近くに出していたり、泥のくぼみや水草の陰に体を隠したりしていると、遠目にはほとんど見えません。
また、水中や水際では音が周囲に広がり方が変わるため、聞いている人には実際の位置とは少し違う方向から声が届いたように感じられることもあります。
| いる場所の例 | 見え方の特徴 | 声を探すときの注意点 |
|---|---|---|
| 浅い水たまり | 体の大半が水面下に隠れやすい | 水面の小さな揺れも確認する |
| 田んぼの泥のくぼみ | 土の色にまぎれて輪郭が分かりにくい | 足元へ急に近づかない |
| 水草の根元 | 草の影と重なって見失いやすい | 草をかき分けず、少し離れて観察する |
水辺で聞こえる声を確かめたいときは、音の方向へすぐ近づくよりも、少し距離を取って静かに待つほうが、姿や水面の動きを見つけやすくなります。
声が聞こえても姿を見つけにくい理由
ツチガエルの姿を見つけにくい大きな理由は、体色が泥や枯れ草、水辺の地面になじみやすいことです。
さらに、水面に浮かぶ草、波紋、反射した空などが重なると、カエルの小さな体は背景に溶け込んでしまいます。
鳴き声が聞こえた直後でも、音源の個体が動かずにいると、目だけで探し出すのは簡単ではありません。
水辺では音が反射したり、水路の形に沿って響いたりするため、「聞こえた方向」と「実際にいる場所」が一致しない場合もあります。
とくに田んぼの畦や細い水路では、向こう側から出ている声が近くから聞こえるように感じることがあります。
姿を探す際は、次のような小さな変化に目を向けてみてください。
- 声がした直後に広がる、丸い波紋
- 泥の上や水草の間で見える、わずかな動き
- 水面から少しだけ出ている目や鼻先
- 同じ場所から繰り返し聞こえる声
見つけても手で触れたり、水草や泥を大きく動かしたりせず、観察はその場で短時間にとどめると安心です。
水中から聞こえるツチガエルの声は、姿が見えないぶん不思議に感じられますが、水辺の静かな場所に目を凝らすと、意外な近さに隠れていることがあります。
ツチガエルの鳴き声には地域による違いがある

ツチガエルの鳴き声は、地域によって一声の長さや鳴く間隔に違いが聞かれることがあります。
ただし、地域差だけでなく、その日の気温や周囲の個体数などでも印象が変わるため、声だけで生息地を断定しないことが大切です。
録音を聞き比べるときは、声の高さだけに注目するのではなく、繰り返し方や鳴き声のまとまり方も一緒に確かめてみましょう。
地域によって一声の長さや間隔が異なる
同じツチガエルでも、地域ごとに「ギュー」という一声がやや長く聞こえたり、短く区切れて聞こえたりする場合があります。
次の声までの間隔も一定とは限らず、ゆったり続くように感じる場所もあれば、比較的せわしなく繰り返すように聞こえる場所もあります。
こうした違いは、長い時間をかけて地域ごとの集団で鳴き方の傾向が少しずつ異なってきた可能性に加え、鳴いている場面の条件にも影響されます。
たとえば、周囲に多くのカエルがいる場所では、ほかの声に重なるように鳴くため、一匹だけのときよりも間隔が短く感じられることがあります。
水辺の草むらや田んぼでは、風の音、水の流れる音、虫の声などが加わり、実際より声が途切れがちに聞こえることもあります。
| 聞こえ方のポイント | 地域や環境によって見られる傾向 |
|---|---|
| 一声の長さ | 長めに伸びるように聞こえる場合と、短く切れるように聞こえる場合がある |
| 鳴く間隔 | ゆっくり間を空けることもあれば、続けて聞こえることもある |
| 声のまとまり | 一匹の声が目立つ場所と、複数の声が重なって聞こえる場所がある |
| 音の印象 | 周囲の音や地形の影響で、低さや響き方が変わったように感じられることがある |
そのため、動画や音声資料で聞いた鳴き声と少し違って聞こえても、すぐに別の種類だと考える必要はありません。
地域ごとの鳴き方には幅があると知っておくと、身近な水辺で聞こえる声を落ち着いて観察しやすくなります。
声だけで判断するときに気をつけたい点
鳴き声はカエルを見つける手がかりになりますが、地域差や個体差があるため、音だけで種類を決めるのは難しいことがあります。
とくに複数のカエルが同時に鳴いている場面では、一声ずつを聞き分けようとしても、重なった音が別の鳴き方のように聞こえやすくなります。
スマートフォンで録音した音は、機種のマイク性能や録音した距離によって、低い音が弱くなったり、周囲の雑音が目立ったりすることもあります。
また、動画投稿サイトなどで紹介されている音声は、録音場所や編集の有無が分からない場合もあるため、一例として参考にするのが安心です。
「聞いた音が資料と完全に同じか」ではなく、「繰り返し方に共通点があるか」を見ることが、無理のない確かめ方です。
- 一度だけ聞こえた声ではなく、数回分の繰り返しを聞く
- 録音する場合は、日時や天気、聞こえた場所を一緒に残す
- ほかの音が少ない時間帯にも、同じ場所で聞こえるかを確かめる
- 資料の音声と比べるときは、声の長さと間隔を分けて聞く
地域差を意識すると、ツチガエルの声は一つの決まった音ではなく、場所ごとに少し表情が異なる音として楽しめます。
聞こえ方に迷ったときは、鳴き声の印象を急いで結論づけず、何度か聞いて傾向をつかむようにしてみてください。
ヌマガエルなど似たカエルとは声の高さやリズムで聞き分ける

ツチガエルの声を聞き分けるときは、低めの声で、少し間を置きながら繰り返す感じに注目するのがコツです。
ヌマガエルはより軽く細かな調子に聞こえやすく、サドガエルは生息する地域そのものが大きな手がかりになります。
ただし、鳴き声は天候や鳴いている距離、周囲の音によって印象が変わるため、一つの声だけで種類を決めつけず、声の続き方を比べると分かりやすくなります。
ツチガエルとヌマガエルの鳴き声の違い
ツチガエルとヌマガエルは、田んぼやその周辺で声を聞く機会があるため、鳴き声が似ているように感じることがあります。
聞き分けるポイントは、音の高さだけでなく、一声ごとの重さとリズムです。
ツチガエルの声は「ギューギュー」「グーグー」と表現されることが多く、低く濁ったような響きで、ややゆったり続く傾向があります。
一方のヌマガエルは、「ギャッギャッ」「キャッキャッ」と聞こえるような、ツチガエルより高めで細かい声として感じられることがあります。
| 比べる点 | ツチガエル | ヌマガエル |
|---|---|---|
| 声の印象 | 低く、太さを感じやすい | やや高く、軽く聞こえやすい |
| リズム | 一声ずつが比較的ゆっくり | 細かな声が続くように聞こえることがある |
| 聞き取りのコツ | 「ギュー」という伸びや重なりを見る | 「ギャッ」という短い音の連続に注目する |
実際の声は、鳴いている個体や距離によって表現どおりには聞こえない場合もあります。
そのため、「高いか低いか」だけで比べるよりも、短い音がせわしなく続くのか、低い音が間を置いて響くのかを意識すると、違いをつかみやすいでしょう。
ツチガエルとサドガエルの見分け方
サドガエルは新潟県の佐渡島に分布するカエルで、ツチガエルと近い仲間として知られています。
そのため、声の雰囲気だけで両者を確実に分けるのは簡単ではなく、まず聞こえた場所が佐渡島かどうかを確認することが大切です。
ツチガエルは本州から九州にかけて見られる地域がありますが、サドガエルは名前のとおり佐渡島に限って確認されているため、分布が有力な判断材料になります。
佐渡島で聞こえた場合でも、声の聞こえ方には幅があるため、鳴き声の印象だけで断定するより、地域の自然観察資料や専門機関の情報と照らし合わせる方法が安心です。
- 佐渡島以外で聞こえた場合は、ツチガエルなどほかの種類をまず候補にする
- 佐渡島で低めの声を聞いた場合は、サドガエルの可能性も考える
- 声だけでは迷う場合、地域の分布情報を確認する
サドガエルは限られた地域に暮らすカエルなので、観察時は近づきすぎたり、捕まえたりせず、離れた場所から声を楽しむのがおすすめです。
複数のカエルが同時に鳴く場所での聞き分け方
田んぼや水辺では、複数の種類が同じ時間に鳴き、声が重なって聞こえることがあります。
そんなときは全体の音を一度に理解しようとせず、低い声だけを探すように意識すると、ツチガエルらしい音を拾いやすくなります。
とくに、周囲で高めの細かな声が続くなかに、「ギュー」「グー」と少し太い声が混ざるなら、ツチガエルの声が含まれているかもしれません。
- 最初に、全体のなかで低く響く声があるかを聞く
- 次に、その声が同じような間隔で繰り返されるかを確かめる
- 高めで短い連続音とは別に聞こえるかを意識する
- 少し場所を変え、聞こえ方が変わるかを比べる
音が重なる場所では、耳を澄ませるほど一つひとつの声が分からなくなることもあります。
そんなときは、数分ほど静かに聞いてから、気になった低い声のリズムだけを追ってみてください。
「ギューギュー」という低めの響きが繰り返されるかを目安にすると、にぎやかな場所でもツチガエルの声を見つけやすくなります。
鳴き声と生息環境、体の特徴を合わせると判断しやすい

ツチガエルかどうかを見分けるには、鳴き声だけで決めず、聞こえた場所と姿の特徴を合わせて確認するのが近道です。
水田や池の近くで低めの声が聞こえ、土色の小さなカエルが見つかるなら、ツチガエルの可能性を考えやすくなります。
ただし、カエルの体色や声の聞こえ方には個体差があるため、無理に近づかず、いくつかの手がかりをゆっくり集めてみてください。
水田や池の周辺で聞こえる低い声か確認する
ツチガエルは、水田、用水路、池のふち、湿り気のある草地など、水辺に近い環境で見つかることがあります。
周囲が暗くて姿を確認しにくいときは、声が聞こえる場所の環境を観察すると、候補をしぼりやすくなります。
たとえば、田んぼの水が張られた場所や、草が生えた浅い水辺から低めの声が続いて聞こえる場合は、ツチガエルらしい環境の一つといえます。
| 確認するポイント | 見ておきたい内容 |
|---|---|
| 水辺との距離 | 水田・池・水路などの近くか |
| 周囲の様子 | 草むらや泥地、落ち葉のある湿った場所か |
| 声の位置 | 水面付近、岸辺、草の根元のどこから聞こえるか |
| 時間帯 | 周囲が静かになり、音の方向を確かめやすい時間か |
水辺が近くても、同じ場所に複数のカエルがいることは珍しくありません。
そのため、環境だけを決め手にするのではなく、低く聞こえる声と見た目の特徴がそろうかを確認することが大切です。
土色の体とイボ状に見える背中を観察する
ツチガエルの体は、名前のとおり土になじむような褐色や灰褐色に見えることが多く、背中には細かな凹凸があります。
この凹凸は、離れた場所から見るとイボのように見えることがあり、なめらかな印象のカエルとは違った雰囲気を感じるポイントです。
とはいえ、泥が付いていたり、光の当たり方が違ったりすると、体色や模様はかなり変わって見えます。
- 全体的に土色・茶色系に見えるか
- 背中がつるりとしておらず、細かな凹凸があるように見えるか
- 水辺の岸や草の根元にじっとしていないか
- 近くから聞こえる声の方向と、見つけた個体の位置が合っているか
観察するときは、体の特徴を確かめようとして手で触れたり、草むらを強くかき分けたりしないようにしましょう。
カエルは小さく、周囲の環境に溶け込んでいるため、少し離れた位置から目を慣らして探すほうが、落ち着いて姿を見つけられることがあります。
背中の凹凸だけで種類を判断するのではなく、色合い・いた場所・声の方向をまとめて見ると、見間違いを減らしやすくなります。
姿が見えないときは距離を保って鳴き声を記録する
草が茂っている場所や水辺では、声は聞こえても姿が見つからないことがあります。
そんなときは、音がする場所へ近づき続けるよりも、その場で少し待ち、距離を保ったまま鳴き声を記録する方法がおすすめです。
スマートフォンの録音機能を使えば、あとで静かな場所で聞き返しながら、聞こえ方や鳴く間隔を落ち着いて確認できます。
- まずは周囲の足元や水辺の状態を確認する
- 声が聞こえる方向に顔を向け、動かずにしばらく待つ
- 近づきすぎない位置から短く録音する
- 録音した時間帯と場所の様子を簡単にメモする
- 後から声と観察した環境を一緒に振り返る
録音時は、水面の近くまで身を乗り出したり、私有地の水田や立ち入りに配慮が必要な場所へ入ったりしないことが大切です。
風の音や車の音が入っても問題ないので、カエルを驚かせない距離を優先してください。
声、聞こえた場所、見えた体の印象をメモしておくと、次に同じような鳴き声を聞いたときにも比較しやすくなります。
ツチガエルらしさを確かめたいときは、ひとつの特徴に頼るのではなく、鳴き声・水辺の環境・土色で凹凸のある体つきを穏やかに観察してみてください。
まとめ

この記事のポイントをまとめます。
- ツチガエルの鳴き声は、低く単調な「ギュー、ギュー」「グゥー、グゥー」のような音です。
- 鳴き声を聞きやすい時期は、おおむね5〜9月ごろです。
- 主に雄が、雌に存在を知らせるための合図として鳴きます。
- 田んぼのあぜや草むらだけでなく、浅い水中や水際でも鳴くことがあります。
- 鳴き声の長さや間隔には、地域や天候、周囲の状況による違いがあります。
- ヌマガエルなどと比べると、ツチガエルは低めでゆったりした繰り返し方が目安です。
- 声だけで決めず、生息場所や土色っぽい体の特徴も合わせて確認すると判断しやすくなります。
夏の田んぼや池の近くで低い鳴き声が聞こえたら、少し立ち止まって耳を澄ませてみてください。
姿が見えなくても、水際や草の陰、泥の中にツチガエルが隠れているかもしれません。
鳴き声の高さやリズム、周囲の環境をゆっくり観察すると、身近な自然を見る楽しみが広がります。
無理に捕まえたり近づきすぎたりせず、そっと見守りながらツチガエルの声を楽しんでみてください。
