イエアメガエルの飼育を始めてみたけれど、「床材は何がいいの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
中でも赤玉土は、園芸用品としてよく知られている素材ですが、カエルの飼育に使っても大丈夫なのか、気になるところです。
この記事では、イエアメガエルと赤玉土の相性やメリット・注意点について、わかりやすく解説していきます。
初めての飼育でも安心して選べるよう、実際の使用感も交えながらご紹介します。
イエアメガエルの床材に赤玉土は使える?

赤玉土は本来、園芸で使われる土ですが、最近では両生類や爬虫類の飼育でも利用されています。
赤玉土は自然素材で、水をよく含み、通気性にも優れています。
そのため、湿度を好むイエアメガエルにとっても悪くない素材と言えるでしょう。
実際に赤玉土を使って飼育している人もおり、「カビが出にくい」「においが少ない」といった声も聞かれますが、万能ではありません。
赤玉土とはどんな素材?
赤玉土は、関東地方などで採れる「関東ローム層」という火山灰土を乾燥・ふるい分けした、園芸用の土の一種です。
焼いたり薬品で処理されたものではなく、自然のままの土を粒状に加工しただけの素材なので、無添加・無臭でとてもシンプル。
観葉植物や盆栽などでよく使われるため、ホームセンターや園芸店でも手に入りやすいのが特徴です。
粒の大きさには「小粒」「中粒」「大粒」といった種類があり、水をよく含んで保水力に優れている一方で、水はけも良いため、程よい湿度を保つことができます。
この保水性と通気性のバランスの良さが、飼育環境にも応用される理由のひとつです。
また、赤玉土は自然由来のため、時間が経つと崩れて細かくなっていく性質があります。
この性質がメリットにもデメリットにもなり得るため、飼育目的で使う際には、粒の大きさや交換頻度を意識する必要があります。
赤玉土は両生類の飼育に適しているのか
赤玉土はもともと植物用の土ですが、湿度を保ちやすく、カビや雑菌が発生しにくいことから、両生類の飼育床材としても利用されています。
特に、ジメジメした環境を好むカエルやサンショウウオなどには、赤玉土の保湿力がぴったりという声もあります。
ただし、「両生類ならなんでもOK」というわけではありません。
赤玉土は自然素材のため、粒が崩れて細かい土ぼこりのようになることがあります。
この状態になると、両生類の皮膚や粘膜に刺激を与えたり、エサと一緒に誤飲してしまったりするリスクが出てきます。
また、赤玉土は無機質なので、微生物の住処になりにくく、バクテリアによる水質安定効果はほとんど期待できません。
つまり、水棲環境にはあまり向いておらず、あくまで「陸地部分」に使うのが基本です。
イエアメガエルのように、陸上生活がメインの種類であれば、赤玉土は選択肢のひとつとして十分検討できます。
ただし、「乾燥しすぎて粉になる」「足についた土が水入れに入りやすい」といった点に注意して使う必要があります。
イエアメガエルに使う場合のメリットとデメリット

まずメリットとして大きいのは湿度の保ちやすさです。
赤玉土は水をしっかり含みながら、余分な水は排水してくれるため、蒸れすぎることなく適度な湿度を維持できます。
イエアメガエルは乾燥に弱いため、この湿度の安定性は大きな魅力です。
た、赤玉土は無臭でカビにくいため、ケージ内のにおいや衛生面が気になる飼い主にとっても扱いやすい素材です。

一方で、デメリットとして気をつけたいのが誤飲のリスクです。
エサを食べるときに勢い余って土ごと飲み込んでしまうと、赤玉土の粒が腸に詰まる可能性があります。
特に、エサを床に落として食べることが多い個体には注意が必要です。
また、粒が崩れて粉になる性質もあり、こまめな入れ替えや表面の掃除が必要になることがあります。
つまり、赤玉土は湿度管理や清潔さの面では優れていますが、「誤飲しないように注意できる環境づくり」や「定期的なメンテナンス」が求められる素材でもあります。
赤玉土を使うときの注意点とは?

赤玉土はイエアメガエルの飼育に適した面もありますが、安全に使うためにはいくつかの注意点があります。
うまく扱えば快適な環境を作れますが、対策せずに使うとカエルの健康に悪影響を与える可能性もあるため、ポイントを押さえておきましょう。
粒の大きさ選び
まず一つ目の注意点は、粒の大きさの選び方です。
一般的には「小粒」よりも「中粒」がおすすめです。
小粒だと崩れやすく、粉状になった赤玉がカエルの鼻や目、粘膜に付着しやすくなるためです。
また、誤飲のリスクも小粒の方が高まります。
中粒以上なら安定感があり、掃除もしやすくなります。
誤飲防止
次に、誤飲を防ぐための工夫も大切です。
特にエサを地面に落として食べるタイプの個体は、赤玉土と一緒に飲み込んでしまうことがあります。
これを避けるためには、餌場だけキッチンペーパーやタッパーのフタなど、赤玉土のないスペースで給餌する方法がおすすめです。
時間経過で崩れて泥状になりやすい
さらに、赤玉土は時間が経つと崩れて泥状になりやすいため、定期的に表面をならしたり、湿りすぎている部分を取り除くといったお手入れが欠かせません。
また、底までビシャビシャにすると通気性が落ちてカビが発生する原因にもなるため、水の与えすぎにも注意が必要です。
これらの注意点を踏まえて使えば、赤玉土はイエアメガエルにとって快適な床材となり得ます。
赤玉土と他の床材を比較
イエアメガエルの飼育には、赤玉土のほかにもさまざまな床材が使われています。
どの床材にもメリット・デメリットがあり、飼育スタイルや個体の性格によって向き不向きが分かれます。
ここでは赤玉土とよく比較される「キッチンペーパー」「ヤシガラ土」などの床材と比べて、どのような違いがあるのかを見ていきましょう。
キッチンペーパー

まず、キッチンペーパーは最も手軽で衛生的な床材です。
敷いているだけなので掃除が簡単で、糞などの汚れもすぐにわかります。誤飲の心配もなく、特に小さな個体や病気の個体に適しています。
ただし、見た目が味気ないことや、湿度管理が難しい点がデメリットです。

ヤシガラ土(ココピート)

ヤシガラ土(ココピート)は自然な見た目で保湿力が高く、赤玉土と同様に多くの飼育者に使われています。
柔らかい素材で誤飲のリスクは低めですが、カビが生えやすかったり、ダニなどが発生しやすいといった一面もあります。
定期的な交換やしっかりとした湿度管理が求められます。
赤玉土

そして、赤玉土は無臭でカビに強く、見た目も自然な雰囲気を演出できる点が魅力です。
保水力と排水性のバランスがよく、湿度の安定にも貢献します。
ただし、前述のとおり粒の崩れや誤飲などに注意が必要で、管理にはやや手間がかかります。
赤玉土を使う際のおすすめの使い方

赤玉土をイエアメガエルの飼育に使うときは、いくつかの工夫を加えることで、より安全で快適な環境を作ることができます。
敷き方
まず、敷き方の基本としては、ケージの底に赤玉土を1〜2cmほどの厚さで均等に敷くのが一般的です。
厚すぎると湿りすぎてカビや崩れの原因になりますし、薄すぎると保湿効果が不十分になるため、ほどよい厚さを心がけましょう。
また、敷く前に軽く水で湿らせておくと、粉じんが舞いにくくなります。
湿度管理
湿度管理の面では、霧吹きで表面をこまめに湿らせるのが効果的です。
ただし、水をかけすぎると赤玉土が崩れて泥状になるため、指で触ってややしっとりしている程度を保つのが理想です。
誤飲予防
また、誤飲を防ぐためには、給餌エリアを別に設けるのが安心です。
例えば、ケージ内にプラスチック製の浅いトレーを置いて、その中でエサを与えると、赤玉土とエサが混ざる心配がありません。
汚れた赤玉土は定期的に取り除き、1〜2か月に一度を目安に全交換すると、清潔な環境を維持しやすくなります。
他の素材との併用
さらに、他の素材との併用もおすすめです。
たとえば、赤玉土の上にミズゴケを一部敷くことで湿度をより安定させたり、隠れ家の近くにはヤシガラ土を使って柔らかい寝床を作るといった工夫も可能です。
まとめ:赤玉土はイエアメガエル飼育に使えるが注意も必要
赤玉土は、湿度をしっかり保てる自然素材で、見た目にもナチュラルな雰囲気を演出できるため、イエアメガエルの床材として十分に使える選択肢です。
カビが生えにくく、においも少ないという点では、他の床材と比べても優れた面があります。
しかしその一方で、粒の崩れや誤飲のリスク、そして湿度管理や掃除の手間など、扱い方には注意が必要です。
特に、給餌時に床材ごと飲み込んでしまわないようにする工夫は欠かせません。
「湿度を保ちたい」「自然な見た目にしたい」「カビを防ぎたい」といった希望がある場合には、赤玉土は非常に相性の良い素材です。
とはいえ、万能な素材ではないため、環境や個体に合わせて使い方を調整しながら、安全で快適な飼育環境を整えていきましょう。