ツノガエル科のクランウェルツノガエルは、広く飼育されており人気が高い種でSNSでもたびたび投稿されているのを見かけます。
しかしアマガエルのように日本国内で野生の個体を見かける事はありませんから、その独特のビジュアルには驚かされますよね。
そんなクランウェルツノガエルの存在を知った方の中には
「クランウェルツノガエルってどこで購入できるの?」
「クランウェルツノガエルの飼育環境はどうすればいいの?」
「他のカエルと飼い方は違うの?」
と、様々な疑問をお持ちの方もいるでしょう。
そこで今回は、クランウェルツノガエル飼育環境を中心に、最適な餌の与え方、そして温度管理などなどについて徹底的に詳しく解説していきます。
クランウェルツノガエルの特徴
クランウェルツノガエルの名前は、その特徴的な外見に由来しています。
つまり頭部にある角状の突起がかなり目立つのでツノガエルと名づけられました。
クランウェルの部分については調べてみましたが語源が分かりませんでした。。
これらの突起は、葉や枯れ枝などとのカモフラージュに役立っており、天敵から身を守る効果があります。
最大で全長約15cmとなるクランウェルツノガエルは、主に陸上に住み土に潜って獲物を待ち伏せる生態を持つため、あまり活動せず、小さな容器でも飼育が可能です。
あまり活発ではなく、水に対する依存度が低いため、薄く水を敷いた水槽の底にウールマットやフロッグソイルを使用して、比較的シンプルな環境での飼育が適しています。
クランウェルツノガエルの寿命
クランウェルツノガエルは、適切な飼育条件下であれば約5年から10年程度生きると言われています。
いくつかのケースでは、特に良好な環境下で15年以上生存する例も報告されていますが、これは比較的稀なケースに属します。
クランウェルツノガエルだけの話ではありませんが、多くの両生類において飼育下でのオスとメスの寿命には顕著な差は報告されていません。
オスもメスも同じような平均寿命という事です。
しかし、メスの個体は産卵期にストレスを受けることがあるため、その時期の管理が寿命に影響を与える可能性があります。
なお余談ですが野生のクランウェルツノガエルの寿命は、飼育下での寿命よりも通常短いとされています。
これは、自然環境においては捕食者の存在、病気、食料の不足、環境変化などのリスクが高く、生存に多くの挑戦が伴うためです。
具体的な平均寿命についてのデータは少ないですが、野生の状況では数年(5年未満)であることが一般的だと考えられています。
野生のクランウェルツノガエルは飼育下よりも平均寿命が短い
クランウェルツノガエル飼育環境
ケージ
前述のようにクランウェルツノガエルは、基本的に動くことが少ないため、広いスペースは必要ありませんし、アマガエルのように立体的に動くタイプのカエルでもないので縦長のケージは必要ありません。
ただし逃げ出さないように蓋がしっかりしまるケージが良いです。
ベビーサイズのクランウェルツノガエルであれば、小さなケージやプラスチック製の容器でも十分です。
成体のケージサイズとしては、1匹なら30cm × 30cm程度で足りると思いますがより広いスペースを提供することで、カエルが自由に動き回り、ストレスを少なくすることができます。
・あまり動かないタイプのカエルなので、特別に広いケージは必要がない。
・アマガエルのように立体的に動くタイプでもないのでケージには高さも不要
・逃げ出さないように蓋が必須
陸生の特性に合わせたレイアウト
クランウェルツノガエルは主に陸生のカエルです。
野生では主に地上で生活しており、湿度の高い草地や森林地帯で見られますが、水辺に近い場所を好むことが多いです。
また、落ち葉や土の中に体を埋めて隠れることがあります。
クランウェルツノガエルは、長時間水中で生活するような適応はしていません。
そのため、完全に水生のカエルとは異なり、陸と水を半分ずつのようなレイアウトは不要です。
飼育下では、水分を保持しやすいサブストレートと、適度な隠れ家を提供することが推奨されます。
床材
クランウェルツノガエル飼育環境には、床材としてヤシガラマットやミズゴケを使用し、湿度を保つことが大切です。
温度と湿度
クランウェルツノガエルは、25℃~30℃程度の温度が最も快適に過ごせる温度です。
温度が低すぎると、消化不良や食欲不振を引き起こす可能性があります。
逆に、温度が高すぎると、脱水症状や熱中症になる危険性があります。
クランウェルツノガエル飼育環境の温度管理には、パネルヒーターや保温球を使用し、温度計で常に温度をチェックするようにしましょう。
特に、冬場は温度が下がりやすいため、注意が必要です。
クランウェルツノガエルは、温度変化に敏感なため、急激な温度変化は避けるようにしましょう。
クランウェルツノガエルの温度管理を適切に行うことで、彼らの健康を維持し、快適な生活を送らせることができます。
クランウェルツノガエルは、乾燥に弱いため、湿度を50%~70%程度に保つように心がけましょう。
シェルター
また、クランウェルツノガエル飼育環境には、隠れ家となるシェルターを設置することで、彼らが安心して過ごせるように配慮することが大切です。
クランウェルツノガエルの飼育環境は、彼らの健康状態に大きく影響するため、常に清潔に保つようにしましょう。
クランウェルツノガエルにとって、快適な環境は、健康な成長と長生きのために欠かせない要素です。
クランウェルツノガエルの餌の頻度や種類・与え方!
クランウェルツノガエルは食欲旺盛で、様々な種類の餌を食べます。
飼育下では以下のような餌を与えることが一般的です。
コオロギ
カエルの餌と言えばコオロギが最も一般的です。
コオロギは栄養価が高く、クランツノガエルの食いつきも良いですが、入手方法には注意が必要です。
野生のものは安定供給が難しいのと農薬や病原菌のリスクがある
野生のコオロギは農薬や病原菌のリスクがあります。
野生のコオロギを捕まえて与えることは、農薬や病原菌を持っている可能性があり、安定して供給することが困難なため、おすすめしません。
また、コオロギのサイズが問題となり、特に幼体のクランツノガエルには与えにくいです。
乾燥コオロギは生餌と比べると栄養価が低い
乾燥コオロギは長期保存が可能ですが、生餌と比べ栄養価が低くなります。
特に水分やビタミンが失われやすいため、注意が必要です。
費用が高いのと保存が難しいが、ベストは生餌のコオロギ
ペットショップや通販で購入できる生餌のコオロギは栄養価が高く、クランツノガエルの自然な食行動を促します。
カエルが狩猟本能を発揮して捕食できるため、精神的にも良い影響がありますが、価格が高く保存が困難なため、短期間で使い切る必要があります。
ミルワームの与え方
ミルワームは日本国内では入手困難なため、野生のものは選択肢になりません。
ミルワームは生餌と乾燥の2タイプがあり、どちらも比較的手に入りやすいですが、生餌の方が栄養価が高く食いつきも良いです。
ただし、長期保存は不可能です。
乾燥タイプは保存が可能ですが、栄養価が生餌に比べ劣ります。
上級者はミルワームの生餌を自家繁殖させている場合もありますので、検討してみると良いでしょう。
ピンクマウス
ピンクマウスは栄養価が高く、成体のクランツノガエルにとってはおすすめの餌です。
ただし、非常に高カロリーで栄養価が高いため、月に1〜2回の提供にとどめることが一般的です。
これは、頻繁に与えると肥満を引き起こす可能性があるためです。
また、生のピンクマウスを与える場合は、新鮮で信頼できる供給源から購入し、病原体のリスクに注意してください。
人工飼料
クランツノガエルに人工飼料を与える際は、カエルの口の大きさに合わせて飼料のサイズを選ぶことが重要です。
人工飼料は食いつきが悪いこともあり、ピンセットでつかんで目の前で動かしても反応しないことがあります。
人工飼料に慣れさせるためには、生餌と人工飼料を同時に提供し、徐々に人工飼料の割合を増やす方法が効果的です。
また、飼料に少量の水を加えて柔らかくし、より食べやすくすることも有効です。
成体の餌の頻度と量
成体には大きな昆虫、たとえばコオロギやミールワームを与えることができます。
カエルが幼体から成体に成長するにつれて、与える昆虫の大きさや種類を徐々に増やすことが重要です。
通常、週に2~3回、一度に複数の昆虫を与えると良いでしょう。
カエルの活動レベルや体重に応じて、食べ過ぎにならないよう餌の量を調整してください。
幼体の餌の頻度と量
幼体には小さな虫類、特にピンヘッドコオロギを与えます。
ピンヘッドコオロギは非常に小さいコオロギで、幼体のカエルの口にも適しています。
ピンヘッドコオロギは、非常に小さいサイズのコオロギで、その名前は文字通り「ピンの頭ほどの大きさ」のコオロギを指します。
具体的には、新生児のコオロギで、孵化して間もない状態のものを言います。
体長が数ミリメートル程度しかなく、非常に小さいため、幼体の爬虫類や両生類に適した餌とされています。
ピンヘッドコオロギは、特に小さなカエルやトカゲ、クモなどの小動物に栄養を提供する目的で利用されます。
成長期の幼体には、毎日または隔日で少量の餌を与えるのが一般的です。
このように定期的に餌を与えることで、健康的な成長を促します。
要注意
このように成体と幼体とでは与えるの餌の種類や与え方も異なるので注意が必要です。
クランウェルツノガエルのカラーバリエーション
クランウェルツノガエルは飼育下でさまざまなカラーバリエーションが見られます。
自然界で見られる基本的な色は緑、茶色、または黄色で、これに暗い斑点が散らばっていますが、飼育下では遺伝子の選択や繁殖によって多種多様な色が生み出されています。
以下はその中のいくつかの一般的なバリエーションです。
【グリーン】
明るい緑色が基調で、自然環境における標準的な色です。
クランウェルツノガエル
— アクアノート タチバナ (@aquanaut1964) August 20, 2023
(グリーン)
入荷しました!
シュッとしたイケメンさん!美人さん?! pic.twitter.com/vF8y7NXLGx
【アルビノ】
体色が白またはピンクで、目が赤い。
色素が欠如しているため、このような色になります。
クランウェルツノガエル(アルビノ)#羊毛フェルト#カエル pic.twitter.com/DGn6tYijxO
— かわもと こう (@kawamotokou) June 29, 2024
【ストロベリー】
赤やピンクの色素が強い個体。
⚠️カエル🐸注意⚠️
— あずたま🧛🪭👑 (@azuki_Tammas) October 21, 2023
今日のガチャ
バンナムいきもの大図鑑レプティ
クランウェルツノガエル(ストロベリー)
肉々しくかわいい💞 pic.twitter.com/5s9KgBBxS7
【アプリコット】
オレンジがかった肌色の個体。
クランウェルツノガエル
— アクアノート タチバナ (@aquanaut1964) August 20, 2023
(アプリコット)
入荷しました!
美しすぎる…! pic.twitter.com/HkHItUO5EJ
これらのカラーバリエーションは、飼育者間での人気や稀少性によって、特定のカエルが選ばれ繁殖されることで広がっています。
カエルの色彩は、遺伝的な変異だけでなく、環境要因や健康状態によっても影響を受けることがあるため、飼育環境もそれぞれの色彩を維持する上で重要な役割を果たします。
クラウンウェルツノガエルは噛むの?噛まれた際の対処法!
カエルの特性として、動くものは何でも餌とみなして噛みつく傾向にあります。
そのため飼育者が噛まれてしまう事も少なくありません。
噛まれても死に至るようなことは普通はありませんが、普通に痛いのでできるだけ避けたいですよね^^;
また、噛まれた際になかなか離してくれない場合に、自分の手も痛いけどカエルを傷つけずに解放してもらいたいですよね。
対処法としては、ピンセットを使用して口を開かせる方法です。
これは、クランウェルツノガエルの歯を傷つけないように慎重に行う必要がありますが、この方法で高い確率で口を離してくれます。
カエルを傷つけないようにやさしく慎重に口を開かせるのじゃ。
クランウェルツノガエルの冬眠について
クランウェルツノガエルも飼育下で冬眠することはあります。
基本的には冬でも温度を高くしていれば冬眠しませんし、温度が下がれば冬眠する可能性は高くなります。
なお、カエルが冬眠から永眠となる可能性は比較的高く、できれば冬眠をさせないよう温度を安定させた方が無難です。
冬眠は(特に野生下であれば)生存戦略である一方で、カエルにとっては非常にリスクの高い行為でもあります。
特に健康状態がすでに悪い場合や、体力が落ちているカエルは冬眠させないことをおすすめします。
コクーンとは?
冬眠はなんとなくでも多くの方がご存じでしょうが、コクーンについてはご存じでない方も多いのではないでしょうか。
カエルの「コクーン」とは、一部のカエルが乾燥や寒冷などの厳しい環境条件下で自らを保護するために作る皮膜のことです。
このコクーンは、カエルが自身の皮膚分泌物を利用して作り上げるもので、体を包むことにより水分の蒸発を防ぎ、生存確率を向上させます。
例えば、アフリカの一部地域に生息するカエルは、乾季が来ると地中に潜り、このようなコクーンを形成して数ヶ月間休眠します。
カエルが再び活動を開始するためには、十分な雨が降り、周囲の環境が湿潤になる必要があります。
この時、コクーンは割れたり溶けたりして、カエルが外に出てくることができるようになります。
飼い主さんがコクーン(被膜)を剥がすシーンが特に見どころです!
クランウェルツノガエルとベルツノガエルの違いは?
角の長さ
クランウェルツノガエルに近い種としてベルツノガエルがいますが、違いはあるのでしょうか?
見た目の違いとして、クランウェルツノガエルの方が角が長く、ベルツノガエルの角の方が短いようです。
が、個体差もあるでしょうから見分けるのは難しそうですね。
体色の違い
クランウェルツノガエルは、通常、緑、茶色、または黄色の地色に暗い斑点があります。
体色は環境によって変わることがありますが、比較的単色の傾向があります。
一方、ベルツノガエルはより鮮やかな色を持ち、鮮明な模様が特徴です。
明るい緑色や青みがかった色をしており、体には明瞭な斑点や縞模様が存在します。
こちらも個体差があるので、個体によっては判別が困難ですね。
相互に交配してる可能性もあるらしく、ハーフやクオーターであればもはや見分けつかないですね。
生息地の違い
クランウェルツノガエルは主に南アメリカのパラグアイ、アルゼンチン北部、ボリビアの一部地域に生息しています。
ベルツノガエルは主にアルゼンチン、ウルグアイ、ブラジル南部など、より南に広がる地域に生息しています。
クランウェルツノガエルの飼育方法【まとめ】
クランウェルツノガエルの飼育環境は、適切なケージ、餌、温度管理の3つが重要です。
クランウェルツノガエル飼育環境は、彼らが健康に過ごすための基盤となります。
適切な床材と湿度管理で、乾燥を防ぎ、隠れ家を設けることで、彼らのストレスを軽減します。
餌は、成長に合わせて適切なものを選び、カルシウムやビタミンを補給することで、栄養バランスを保ちましょう。
温度管理は、25℃~30℃を維持し、急激な温度変化を避けることが大切です。
クランウェルツノガエルの飼育環境を整えることで、彼らは健康で長生きすることができます。
クランウェルツノガエルの飼育環境をしっかり整え、彼らの魅力を最大限に引き出しましょう。