ウーパールーパーは、その愛らしい見た目とユニークな生態で、今も昔も多くの人を魅了している人気のペットです。
ゆったりと水の中を泳ぐ姿に癒やされる方も多いのではないでしょうか。
そんなウーパールーパーを飼っていると、ふと気になることがあります。「ウーパールーパーって、鳴き声を出すの？」という疑問です。
犬や猫のように「鳴く」というイメージはあまりありませんが、水の中で静かに暮らすウーパールーパーにも、何かしらの音を発することがあるのか、気になる飼育者さんもいることでしょう。
中には「夜中に水槽から変な音がしたけど、もしかして鳴き声？」なんて経験をした方もいるかもしれません。
この記事では、「ウーパールーパーの鳴き声」に関する素朴な疑問にお答えしながら、実際に音を出すのかどうか、その理由や考えられる音の正体について、わかりやすく解説していきます。
意外と知られていないウーパールーパーの“声”の秘密を、一緒に探ってみましょう。
ウーパールーパーの鳴き声はあるの？
ウーパールーパーは、見た目はちょっと不思議だけど、どこかかわいらしい生き物です。
そんなウーパールーパーを見ていると、「この子、鳴いたりするのかな？」と気になることがあるかもしれません。
結論から言うと、ウーパールーパーには鳴き声がありません。
犬のように「ワン」と鳴いたり、猫のように「ニャー」と声を出すことはなく、基本的にとても静かな生き物です。
というのも、ウーパールーパーは両生類というグループに属していて、肺だけでなく皮ふやエラでも呼吸します。
そして、鳴くための「声帯（せいたい）」という器官を持っていませんので、自分の意思で「声を出す」ということはできないのです。
飼っていても、しゃべるような声や鳴き声を聞くことはまずないので、静かなペットとしても人気があります。
鳴き声のような現象が起きることはある
ただし、「絶対に音を出さない」と言い切れるわけではありませんので、人によってはそれを鳴き声のような現象ととらえることはあり得ます。
実はまれに、体を動かしたときや水中で何かに反応したときなどに、「ピュッ」とか「クックッ」といった小さな音を聞いたという飼い主さんもいます。
でも、これは声というより、偶然に出た空気や水の動きによる音だと考えられています。
つまり、ウーパールーパーは“鳴かないけれど、まれに音を出すことがあるかもしれない”というのが、正確な表現になります。
一瞬なんですが…
— みゆちゃそ (@miyutaso) September 5, 2019
聞こえましたか？
ウーパールーパーの鳴き声です pic.twitter.com/SIpUn0TBYj
水槽から音がする？それ、鳴き声じゃないかも
前述しました通り、ウーパールーパーは基本的に鳴きません。
でも中には、「夜中に水槽から音がした」「ブクッと変な音が聞こえた」など、気になる経験をしたことがある飼い主さんもいますよね。
そんなとき、「もしかして、ウーパールーパーの鳴き声…？」と思ってしまうかもしれません。
でも、実はその音のほとんどはウーパールーパーの鳴き声ではなく、水槽のまわりから出る音であることが多いのです。
たとえば、こんな原因が考えられます。
- エアポンプの音
水中に空気を送るポンプが「ブクブク」と音を立てることがあります。とくに古くなったポンプや振動が強いタイプは音が大きくなりがちです。 - フィルターの水の流れや振動音
水の落ちる音や、機械がブルブルと振動する音が水槽の中に響いて、不思議な音に聞こえることもあります。 - 水泡（すいほう）のはじける音
水面に上がってきた泡がパチンとはじける音が、「ピュッ」とか「キュッ」といった音に聞こえることがあります。 - 水槽のガラスやフタが揺れる音
水流やエアレーションの振動で、水槽のガラス面やフタがカタカタと鳴ることがあります。
こうした音が夜の静かな時間に響くと、思わずウーパールーパーが鳴いているように感じてしまうことがあります。
でも、音の正体をよく観察すると、ウーパールーパー自身ではなく、水槽まわりの設備や水の動きが原因だったというケースがほとんどです。
もしどうしても気になる音が続く場合は、一度フィルターやエアポンプの動作音をチェックしてみるのがおすすめです。
それだけで「音の正体」がわかって、安心できるかもしれませんよ。
他の両生類と比べるとどうなの？
ウーパールーパーは鳴かない生き物だとお伝えしましたが、「じゃあ、ほかの両生類はどうなの？」と気になる方もいるかもしれません。
実は、両生類の中には鳴く種類もたくさんいます。
カエルが鳴くのは有名
たとえば、カエルがいい例です。
オスのカエルは、繁殖期になると「ケロケロ」「グワッ」といった声でメスにアピールします。
鳴き声でなわばりを主張したり、恋のライバルと競い合ったりもするんです。
イモリやサンショウウオも小さな声を出す
また、イモリやサンショウウオの仲間も、種類によっては小さな声を出すものがいます。
ただし、カエルほど大きな音ではなく、「キュッ」や「チチッ」といった控えめな音が多いです。
ウーパールーパーは通常は鳴かない
一方で、ウーパールーパーはメキシコサラマンダーという種類のサンショウウオの仲間ですが、既に解説しているように鳴く機能を持っていません。
もともと水中で一生を過ごすことに特化した体になっていて、声を出す必要がなかったと考えられています。
陸化個体のウパのみ鳴くかもしれない
ただし特殊例ではありますがウーパールーパーが陸化（りくか）した場合、鳴き声のような音を発する可能性があるという説があります。
ウーパールーパーは本来「ネオテニー（幼形成熟）」と呼ばれる性質を持ち、水中でエラを使って一生を過ごしますが、条件次第では陸上生活に適応して陸化個体になることがあります。
これは、成長ホルモンや水温、飼育環境などが関係しています。
陸化すると肺呼吸がメインになり、体の構造や行動パターンも大きく変わります。
そして、陸上生活を送るサンショウウオ類の中には、ごく小さな鳴き声や反応音を出す種類も存在します。
たとえば、
- 敵にびっくりしたときに「キュッ」と鳴く
- 仲間とのコミュニケーションで小さく「チチッ」と音を出す
といった行動が報告されています。
ウーパールーパーの陸化個体でも、これと似たような音を出す可能性があると考えられており、実際に「陸化個体がピッと鳴いたような気がした」という飼い主の体験談も一部にあります。
ただし、これらはまだ科学的な研究が少なく、確実とは言えない情報でもあります。
この違いを知ると、ウーパールーパーの静かな魅力がより深く感じられますね。
ウーパールーパーが“音”を出すとしたらどんなとき？
ウーパールーパーは基本的に鳴きませんが、「まったく音を出さない」とは言いきれません。
飼い主さんの中には、「ピュッ」「キュッ」といった小さな音を聞いたという体験をしている方もいます。
では、それはどんなときに起こるのでしょうか？
考えられる場面としては、以下のようなものがあります。
● 驚いたときやストレスを感じたとき
急に手を入れられたり、水槽をトントンと叩かれたりすると、ウーパールーパーが驚いて体をビクッと動かすことがあります。
その際、口や体の動きで空気や水が抜けて、たまたま「音」が出ることがあるようです。
● 呼吸や排せつのとき
水面に浮かんで空気を吸ったあとに、余分な空気を体から抜くことがあります。
このときに「プシュッ」「ピュッ」という音が聞こえる場合があります。
これも鳴き声ではなく、空気やガスの移動音と考えられます。
● 陸化個体の場合（前の章で触れた通り）
まれに陸上生活に適応した「陸化個体」が、小さな鳴き声のような音を発することがあります。
ただし、これは非常にレアなケースで、通常の水中生活をしているウーパールーパーではあまり起きません。
● 偶然の音
たとえば、泳いでいて水面にぶつかった、岩や小物に体が当たったなど、音を出すつもりはなくても、動きにともなって何かの音が出てしまうことがあります。
これも「鳴き声っぽく」聞こえることがありますが、実際は体の動きによる偶然の産物です。
音に関する誤解を防ぐために知っておきたいこと
ウーパールーパーの水槽から「何か音がする」と気づくと、飼育者としては少し不安になりますよね。
「もしかして体調が悪いの？」「鳴いているってことは苦しいの？」と心配になってしまうこともあるかもしれません。
でも、これまで見てきた通り、ウーパールーパーは基本的に鳴く生き物ではありません。
そして、水槽から聞こえる多くの音は、ウーパールーパー自身の「声」ではなく、周辺の設備や環境によって出る音である可能性が高いです。
とくに初心者の方が誤解しがちなのが、以下のようなケースです：
● 水槽の音を「体調不良のサイン」と勘違いしてしまう
音だけを頼りに「この子、具合が悪いのかも…」と感じてしまうことがあります。
しかし、体調が悪いときは、食欲の低下・泳ぎ方の変化・皮ふの色の変化など、見た目や行動にも変化が出るのが普通です。
音だけでは判断しにくいので、まずは落ち着いて全体の様子を観察しましょう。
● 音が気になって設備をむやみに止めてしまう
「音がうるさいから」とエアポンプやフィルターを止めてしまうと、水質が悪化したり酸素不足になったりして、ウーパールーパーの健康に影響を与えてしまうこともあります。
音が気になるときは、静音タイプの機器に交換したり、設置位置を見直すなど、無理のない工夫をしてみてください。
● まれに出る音を「異常」と思い込んでしまう
ウーパールーパーの動きによって、たまたま「ピュッ」といった音が出ることもありますが、それだけで病気と決めつける必要はありません。
音だけで判断せず、体調の変化や水槽の状態と合わせて考えることが大切です。
まとめ：ウーパールーパーは基本的に“無音”の癒し系
この記事では、「ウーパールーパーの鳴き声ってあるの？」という素朴な疑問について、いろいろな角度から解説してきました。
結論として、ウーパールーパーは鳴き声を持たない、基本的に無音の生き物です。
声帯がなく、鳴くという習性もないため、犬や猫のように声を出して感情を表現することはありません。
ただし、飼育中に「ピュッ」「キュッ」といった音が聞こえることがあり、それがウーパールーパーから出たように感じられる場合もあります。
けれども、そのほとんどは水槽の機械音や、偶然の動きによる水の音であることが多く、心配しすぎる必要はありません。
また、まれに陸化した個体が小さな音を出すこともありますが、これはごく一部のケースに限られ、通常の水中生活を送っている個体では見られません。
ウーパールーパーは、静かに水の中をゆったり泳ぐ姿こそが魅力の一つです。
「鳴かないからこそ、癒される」そんな静けさの中にある可愛さを、これからも楽しんでいきましょう。
