愛らしい見た目とは裏腹に、ウーパールーパーには意外な一面があります。
それが「ウーパールーパーの共食い」です。
本記事では、なぜ共食いが起きるのか?どんな対策をとれば良いのか?万一かじられてしまったときの治療法まで、初心者にもわかりやすく解説します。
単独飼育を避けたい方にも役立つ情報をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
\ ウーパールーパーの飼育に関する /
まとめページは以下より
ウーパールーパーの飼育まとめ
なぜウーパールーパーは共食いする?

ウーパールーパーは獰猛な性格ではありませんが、視力が非常に弱く、動くものに反射的に反応する性質があります。
特に水中では視界がぼやけるため、目の前で動いたものを「エサ」と誤認してかみつくことがあります。
また肉食性であり、餌にありつける機会が限られているため、至近距離で動いたものには本能的に反応してしまうのです。
手足や尾がふいに鼻先に触れると、反射的に噛んでしまうことがあり、これが共食いの主な原因です。
ウーパールーパーが共食いをするのはどんな時?
個体間の大きさの差があるとき
ウーパールーパーの共食いが起こりやすいのは、成長の速度に個体差があるためです。
特に体の大きな個体は、小さな個体を捕食対象と見なすことがあり、結果として共食いが発生します。
生まれたばかりの稚ウーパールーパー同士でも、成長の遅い個体が早く成長した個体に食べられてしまうことがあるため、注意が必要です。
エサが不足している
食欲が旺盛な生き物なので、エサが不足すると仲間の体の一部を噛んでしまうことがあります。
ウーパールーパーは視力が弱いため、動くものをエサと誤認しやすく、餌の量が少ないと仲間の尾や足を食べてしまうことがあるのです。
特に幼少期の個体はこの傾向が強く、餌の供給が十分でないと共食いのリスクが高まります。
ストレスが原因になることも
ストレスが原因で攻撃的になることもあります。
ウーパールーパーは穏やかな性格に見えますが、狭い水槽に複数の個体を入れると縄張り意識が生まれ、衝突が起こることがあります。
特に隠れる場所が少ない環境では、ストレスが増大し、お互いを噛みつく行動に出ることがあります。
ウーパールーパーが共食いした場合の対処法

大きさが倍ほども違う個体を一緒に飼育していた場合、そのまま飲み込まれてしまうことがあります。
もちろん、そうなれば飲まれた方の個体は助かりませんし、食べた方も消化管が詰まって死んでしまうことがあります。

食べられた側はもちろん、食べてしまった側も命を落とす可能性があるのじゃ。
丸のみまでいかなくても、先に説明したような状況で手足を食いちぎられてしまった場合、食べられた方の個体はすぐに隔離しましょう。
おどろくべき再生能力の持ち主なので、手足を根元から食べられた場合でも、状態が良ければ数か月で元通りに再生します。
むしろ、中途半端に食いちぎられて傷口が腐ってしまうとやっかいなので、そういった個体はハサミで患部を切り落としてしまった方がきれいに治ります。
尾を食べられた場合も同様です。
エラを食べられた場合、呼吸に関わる器官なので手足よりも深刻です。
あまりきれいに治らないケースも多く、死亡するリスクも手足や尾より高くなりますが、飼い主ができることは特にありません。
隔離して様子を見るしかないでしょう。
共食いされた後の治療・ケア方法
ウーパールーパーが共食いで手足や尾をかじられてしまった場合、まず最優先すべきは別水槽への隔離です。
同じ水槽に残しておくと再度噛まれるリスクが高く、ストレスも増して回復が遅れてしまいます。
また、ウーパールーパーは再生能力に優れていますが、傷口が中途半端に残っていると腐敗して細菌感染を引き起こすことがあります。
明らかに傷口の状態が悪い場合は、患部を清潔なハサミでカットして整える方が結果的にきれいに再生するケースもあります。
隔離後は以下のようなケアを行いましょう。
また、手足は再生しやすいですが、エラや目の損傷は再生が難しく、呼吸や視界に影響するため回復の見込みが低いこともあります。
エラを食べられた場合は安静にさせ、できるだけストレスをかけないようにしてください。
ウーパールーパーの共食いを防ぐには?


サイズの異なる個体は別ける
前述のようにサイズの異なる個体を同一水槽で飼育していれば大きいウーパールーパーが小さいウーパールーパーを食べてしまうリスクがあります。
そのためサイズの異なる個体を同じ水槽で飼育することは避け、できるだけ同じくらいの大きさの個体同士を一緒にするのが望ましいです。
大きな水槽を用いる
接触頻度が高ければ共食いのリスクは上がります。
しかし狭い水槽内ではおのずと接触リスクが高まるので、できる限り大きな水槽を使うことで接触する頻度を下げることができるので、共食いのリスクも下げることができます。
隠れ家をつくる
共食いを防ぐには、視線や接触を遮る隠れ家を複数用意することが重要です。
ウーパールーパーは狭く暗い場所を好むため、落ち着ける環境を整えることでストレス軽減にもつながります。
おすすめは、土管やPVCパイプ、ココナッツシェルター、人工・天然の水草、流木、壺、魚用のシェルター、プラスチックトンネルなど。
どれも市販品や100均素材で代用可能です。
ポイントは「出入りしやすく、安全で、視線をさえぎれる形状」を選ぶこと。
複数設置しておくとトラブル予防に効果的です。
飢えささない
エサは十分に与え、空腹による攻撃を防ぐことも重要です。
さらに、水槽内に隠れ家を作り、ストレスを軽減できる環境を整えることが共食いを防ぐポイントになります。
単一飼育する
ウーパールーパーの共食いを防ぐのに一番良いのは水槽そのものを別ける事です。



100%共食いを防ぐ方法は、水槽そのものを別ける事なのじゃ!
同一水槽で複数のウーパールーパーを飼育していて共食いを確実に防ぐ方法は、残念ながらありません。
とにかく別個体と接触することが共食いの原因なので、シェルターを増やしてほかの個体同士で接触しないようにすれば多少は防げますが、何かの拍子にばったり出くわしてそのときにかみついてしまう、ということはあり得ます。
また密集度が高まれば当然共食いリスクは高まりますので、水槽を大きくすれば多少リスクは減らせるかも知れません。
ただ水槽を買い替える余裕があるのなら、買い足して水槽を別けた方が当然安全です。
どうしても共食いで傷をつけたくない大切な個体なら、水槽を別けて単独飼育するのが一番です。
繁殖に向けたペアリングなどでどうしても複数個体を同居させる場合は、多少のリスクは覚悟しましょう。



繁殖させる場合はオスメスを一緒にさせる必要があるので、どうしても共食いのリスクは避けられないのじゃ。


共食いを防ぐ仕切りや隔離用ケースの具体例
複数のウーパールーパーを飼いたいけど、水槽を増やすスペースや予算がない…。
そんなときに役立つのが水槽内に仕切りを設置しての“疑似単独飼育”です。
完全な隔離には及びませんが、うまく使えば共食いのリスクを大幅に軽減できます。
以下に具体的な方法とおすすめグッズを紹介します。
吸盤付きアクリル仕切り板
アクアリウム用品として販売されている透明のアクリル板を、吸盤で水槽内に設置するタイプ。水の流れは共有しつつ、物理的に接触を防ぐことができるのが特徴です。
注意点として、下部に隙間が空いている商品もあるため、ウパが潜って抜けないように細かくチェックしましょう。
ブリードケース(浮かせるタイプ)
稚魚用の隔離ケースとして販売されている浮かせるブリードケースも便利です。
- 小型の個体だけ一時的に隔離したいとき
- ケガをした個体を回復させるとき
に特に効果的です。
通水性のあるメッシュタイプなら水質も維持しやすく、取り外しも簡単です。
100均やホームセンターの自作仕切り
透明のプラ板やプラダン(プラスチック段ボール)を使って、自作の仕切りを作ることも可能です。
- 側面に吸盤をつけて固定
- 高さは水槽より少し低めにカットして、水換え時の取り外しを楽にする
といった工夫をすると使いやすくなります。
注意点
- 仕切りの上下・隙間に注意し、ウパがすり抜けない設計にすること
- 水流の偏りや片方だけにゴミがたまるなどの影響もあるので、ろ過の位置や流れも調整しましょう
- 透明仕切りだとお互いが見えてストレスになることもあるため、不透明タイプや植物などで視線を遮る工夫もおすすめです
繁殖期と共食いの関係
ウーパールーパーを繁殖させたい場合、どうしてもオスとメスを同じ水槽で飼育する必要があります。
しかしこの「同居」が、共食いのリスクを高める大きな要因にもなります。
特に、繁殖期の個体は普段より活発になり、オスがメスの後を追いかけたり、体を押しつけるような行動をとるため、接触頻度が増して共食いが起きやすい状況になるのです。
ウーパールーパーは視力が弱く動くものに反応してかみつく性質があるため、交尾中や産卵直後などで動きが激しくなった際、うっかりかみついてしまう事故が起こることがあります。


さらに、繁殖時にメスが食欲不振になることもあり、体力が落ちたメスがオスにかみつかれるケースも報告されています。
共食いリスクを最小限にするためには以下のような工夫が必要です。
- 交尾・産卵のタイミング以外は別飼育にして、必要な時間のみ同居させる
- 同居前に十分なエサを与えて空腹を避ける
- 接触を減らすため水槽内に複数のシェルターを設置して視線を遮る
- 同居中も目を離さず、異変があればすぐに隔離
「繁殖=同居は仕方ない」と割り切る必要がありますが、ちょっとした工夫と注意でリスクは減らせます。
ウーパールーパーは共食いする?【まとめ】
ウーパールーパーは好んで共食いするような生き物ではありませんが、反射的にほかの個体にかみついて食べてしまうことはよくあります。
手足を食べられても即死することはなくほぼ再生しますが、元通りにはならないこともあります。
あまりに大きさが違う個体同士ではそのまま丸ごと食べられてしまうこともあります。
シェルターを増やすことで多少は防げますが、確実な方法は単独飼育しかありません。
\ ついでにこれも読んでいけ。 /
いや、読んでくださいお願いします(土下座)

