ウーパールーパー(アホロートル)は、完全水棲の生き物で、一生を水中で過ごします。
そのため、水から出すことはウーパールーパーにとって 命の危険 を伴う非常にリスクの高い行為です。
今回は、ウーパールーパーを水から出した場合に起こる影響について、詳しく解説します。
ウーパールーパーを水から出すとどうなる?
乾燥による皮膚のダメージ
ウーパールーパーの皮膚は非常に薄く、粘液で覆われています。
この粘液は外部からの細菌や寄生虫から身を守る役割を果たしているほか、水中での浸透圧調整にも重要な働きをしています。
しかし、水中から出されてしまうと、わずか 数分~数十分 でこの粘液が乾燥し始め、皮膚がひび割れたり、炎症を起こしたりします。
特に乾燥した空気に長時間さらされると、ウーパールーパーの皮膚はみるみるうちに乾き、ダメージが進行します。
乾燥によって粘膜が失われると、細菌感染のリスクが急激に高まり、さらに傷ついた皮膚から感染症が広がる恐れもあります。
こうした状態になると、たとえ再び水中に戻しても回復が難しく、最悪の場合は命を落とす可能性があります。
呼吸困難による酸欠
ウーパールーパーは主に 外鰓(がいさい) を使ってエラ呼吸をしていますが、補助的に 肺呼吸 もできる両生類です。

しかし、肺呼吸だけで長時間生きられるわけではありません。
ウーパールーパーの肺は非常に小さく、陸上で酸素を取り入れる能力は限られています。
水中であれば、外鰓が効率よく酸素を取り入れることができますが、水から出されると外鰓は役割を果たせなくなり、肺だけでは十分な酸素を取り込むことができません。
そのため、陸上ではすぐに 酸欠状態 になり、呼吸困難に陥ります。酸欠の時間が長引くと、脳や内臓の機能が低下し、命の危険が迫ることになります。
陸上での運動能力の限界
ウーパールーパーは水中での生活に適応した生き物であり、陸上では自分の体重を支えるだけの筋力がありません。
水中では浮力のおかげで自由に移動できますが、陸上では重力の影響を直接受けてしまいます。
そのため、陸上ではほとんど動くことができず、仰向けになったり、転がったりしてしまうことが多いです。
さらに、ウーパールーパーの足は短く、細いため、陸上を歩いたり移動したりすることは極めて困難です。
このような状態では、もし外敵が近づいた場合にも逃げることができず、無防備な状態で捕食されてしまう可能性が高くなります。
飼育環境下では外敵の危険はありませんが、それでも動けない状態が続くとストレスが溜まり、体力の消耗を早めます。
温度変化への適応が低い
ウーパールーパーは 変温動物 であり、外部の環境温度に応じて体温が変化します。
水中では温度変化が緩やかであり、ウーパールーパーもそれに順応できます。
しかし、陸上では気温の変化が激しく、わずか数分で急激に体温が上下することがあります。
特に夏場や冬場に水から出すと、短時間で体温が急上昇・急下降し、ストレスによって体調を崩してしまいます。
気温が高ければ熱中症の危険があり、逆に寒ければ低体温症で体力を消耗します。このような温度ストレスは、ウーパールーパーにとって致命的になる場合もあります。
陸上での生存限界は10分~20分程度
ウーパールーパーが水から出された場合、乾燥・酸欠・ストレスなどの要因が重なり、 10〜20分程度 で危険な状態になります。
個体の健康状態や環境によって多少の差はありますが、長時間陸上に放置すると致命的なダメージを受けてしまいます。
特に乾燥した環境では、数分で皮膚の粘液が失われ、外鰓が機能しなくなるため、陸上での生存時間はさらに短くなります。再び水に戻したとしても、ダメージが進行している場合は元の状態に回復することは難しいです。
陸化(変態)した場合は例外
ごくまれに、ウーパールーパーが 陸化 することがあります。
陸化とは、ウーパールーパーが成長段階で変態し、肺呼吸主体のサンショウウオのような形態に変化する現象です。
陸化した個体は肺呼吸に適応しており、陸上での生活が可能になります。

しかし、飼育下では陸化する個体は非常に珍しく、大半のウーパールーパーは一生水中生活を送ります。
そのため、飼育下のウーパールーパーは 水中での生活を維持することが基本 であり、水から出す行為は避けるべきです。
水から出す必要がある場合の対処法
ウーパールーパーを水から出す必要がある状況もあります。
例えば、水槽の掃除や移動の際には、一時的に水から出さなければならないことがあります。
その場合、以下のような注意が必要です。
- 湿らせた布やスポンジで包む
水分を保つことで皮膚の乾燥を防ぎます。ウーパールーパーが直接乾燥した空気に触れないように注意しましょう。 - できるだけ短時間で済ませる
水から出している時間は、5分以内 に抑えるのが理想です。
長時間陸上に放置するのは避けましょう。 - 移動中は水分を維持する
移動時には、湿らせたガーゼやペーパータオルで覆い、密閉容器ではなく、適度に通気性のある容器を使うことで酸欠を防ぎます。
まとめ
ウーパールーパーは完全水棲の生き物であり、水中での生活に適応しています。
そのため、水から出すと 乾燥・酸欠・運動不能・温度ストレス などの影響を受け、短時間で命の危険にさらされてしまいます。
特別な事情がない限り、水から出さないように注意しましょう。どうしても水から出す必要がある場合は、湿らせた布で包んだり、短時間で済ませるなど、細心の注意を払うことが重要です。