ウーパールーパーを外で飼育することは一見魅力的に思えますが、日本の気候では多くの課題が伴います。
ウーパールーパーの故郷であるメキシコのソチミルコ湖は、年間を通して水温が16℃〜20℃と安定していますが、日本の夏は30℃を超える猛暑、冬は氷点下近くまで冷え込むなど、環境が大きく異なります。
さらに、屋外では天敵の襲撃や水質の急変など、外飼いならではのリスクもあります。
この記事では、ウーパールーパーの外飼いが可能かどうか、課題や対策について詳しく解説していきます。
ウーパールーパーの外飼いは可能?
ウーパールーパーを外で飼育することは理論的には可能ですが、日本の気候条件では非常にリスクが高いため、あまりおすすめできません。
ウーパールーパーはメキシコのソチミルコ湖という冷涼な環境に生息しており、暑さや寒さに極端に弱い生き物です。
そのため、日本の四季の気候はウーパールーパーにとっては過酷すぎる状況です。
水温管理が課題
最も大きな課題は水温管理です。
夏は高温過ぎる
ウーパールーパーにとって理想的な水温は16℃から20℃程度ですが、日本の夏は気温が35℃を超える日も多く、屋外の水温は簡単に30℃以上になってしまいます。
この状態では熱中症のような状況になり、短時間で命を落とす危険性があります。
冬は低温すぎる
逆に、冬の寒さでは水温が5℃以下になることもあり、代謝が極端に低下して最悪の場合、凍死する恐れがあります。
氷点下が続く地域では、冬眠を通り越して命を落とす可能性も非常に高いのです。
日光と紫外線のリスク
日光と紫外線の影響も見過ごせません。
ウーパールーパーは紫外線を必要としないため、直射日光はむしろ有害です。
日差しが直接水槽に当たると水温はあっという間に上昇し、水質も悪化してしまいます。
さらに、紫外線が長時間当たることで皮膚にダメージを与え、ストレスを感じさせてしまう場合もあります。
水質管理
水質管理の難しさも外飼いの課題です。
屋外では落ち葉や虫などの異物が水中に入り込み、アンモニアが発生して水質が急激に悪化することがあります。
また、日光による藻の繁殖で酸素不足に陥る可能性も高いです。大雨が降った後には水質バランスが大きく崩れることがあり、pHの変化もウーパールーパーにとって大きな負担になります。
これらの問題を防ぐためには、外部フィルターを設置して循環させると同時に、週に一度は部分水換えを行う必要があります。
天敵の危険性

さらに、屋外飼育では天敵からの危険も考慮しなければなりません。
カラスやサギといった鳥類は、動くものを見つけるとすぐに襲う習性があり、水面近くで動くウーパールーパーは絶好の標的になります。
猫やアライグマなどの野良動物も水槽をひっくり返したり、中の生き物に手を出す恐れがあります。
こうした天敵から守るためには、金網やネットで水槽全体をしっかり覆う必要があります。
メキシコ・ソチミルコ湖と日本の気候比較

ウーパールーパー(アホロートル)の原産地である メキシコのソチミルコ湖 と日本の気候を四季ごとに比較すると、かなりの違いが見えてきます。
ソチミルコ湖の環境はウーパールーパーにとって理想的な条件が整っていますが、日本の四季はその環境とは大きく異なります。
🌸 春(3月〜5月)
ソチミルコ湖
春のソチミルコ湖は非常に穏やかで、気温は 15℃~22℃ 程度です。
昼間は暖かくなりますが、夜間は涼しく、水温は年間を通じて 16℃〜20℃前後 に保たれています。
降水量は少なく、湿度も低めで安定した気候です。
日本
日本の春は地域によって差がありますが、平均気温は 10℃〜20℃ 程度です。
3月はまだ寒さが残るものの、4月から徐々に暖かくなり、5月には20℃を超える日も増えてきます。
ただし、春は寒暖差が大きく、昼間は暖かくても夜は冷え込む日が多いのが特徴です。また、春は 花粉や強風、黄砂 などの影響もあり、水質にも影響を与える可能性があります。
比較
- 気温は似ているが、日本は寒暖差が大きい。
- ソチミルコ湖は年間を通して水温が安定しているが、日本では気温の上下により水温管理が難しくなる。
☀️ 夏(6月〜8月)
ソチミルコ湖
夏でもソチミルコ湖の気温は比較的穏やかで、平均気温は 20℃~25℃ 程度です。
水温は上昇しても 22℃前後 にとどまり、暑さによる影響はほとんどありません。
また、標高が高いため、昼間はやや暑くなっても夜間にはしっかりと冷え込み、湖の水温が安定する仕組みになっています。
日本
日本の夏は非常に暑く、特に7月から8月にかけては気温が 30℃〜35℃ に達することが珍しくありません。
都市部では 40℃近く まで上がることもあり、屋外の水温は軽く 30℃超え になってしまいます。水槽の水温もエアレーションだけでは対応しきれず、冷却ファンや水槽クーラーが必須となります。
湿度も非常に高いため、蒸し暑さが加わりウーパールーパーには大きなストレスになります。
比較
- 日本の夏はソチミルコ湖より圧倒的に暑く、湿度も高い。
- ソチミルコ湖は標高が高いため夜間は涼しく、水温が一定に保たれるが、日本では日中の高温で水温が急上昇し、ウーパールーパーにとって致命的な状況になりかねない。
🍂 秋(9月〜11月)
ソチミルコ湖
秋のソチミルコ湖は穏やかな気候で、気温は 15℃~22℃ に戻ります。日中は暖かくても夜間はかなり冷え込むことが多く、水温は再び 16℃~18℃ に安定します。降水量も少なく、湿度も比較的低い状態が続きます。
日本
日本の秋は比較的穏やかな気候ですが、9月はまだ残暑が厳しいことが多く、気温が 25℃~30℃ に達することがあります。10月からは徐々に気温が下がり、11月には15℃以下になる地域も多くなります。秋は台風シーズンでもあるため、強風や大雨で水槽の水質が急変する可能性があります。
比較
- 秋は両者の気温が近いが、日本は気温の変化が激しい。
- ソチミルコ湖は安定した気温と水温を保つが、日本は台風や寒暖差で水温が乱高下しやすい。
❄️ 冬(12月〜2月)
ソチミルコ湖
冬のソチミルコ湖でも気温は 10℃~15℃ 程度で、氷点下になることはありません。
水温も冬でも 12℃~16℃ に保たれており、ウーパールーパーは活発に活動し続けます。
寒冷地のような凍結リスクはなく、年間を通じて安定した環境が維持されています。
日本
日本の冬は非常に寒く、地域によっては氷点下になることもあります。
特に東北地方や北海道では雪や氷点下の影響で、水槽の水温も大きく低下します。関東や関西でも最低気温が0℃前後まで下がることがあり、屋外での飼育は非常に厳しい状況になります。
ウーパールーパーにとって 5℃以下 の環境では代謝が著しく落ちて免疫力が低下し、病気のリスクが高まります。
比較
- ソチミルコ湖は冬でも氷点下にならず、水温も安定している。
- 日本の冬は地域によっては極端に寒く、ウーパールーパーにとって危険な水温にまで下がる可能性がある。
ウーパールーパーを外飼いするための環境設定
もしどうしても外で飼いたい場合には、慎重な環境設定が必要です。
大型の飼育環境
最も理想的な方法は、大型のビオトープや池のような環境を作ることです。
水量が多ければ多いほど温度変化が緩やかになるため、最低でも100リットル以上の容器が望ましいでしょう。
また、深さも30センチ以上あると水温の安定性が増します。底に砂利や水草を入れて、自然環境に近い状態を再現することで、ウーパールーパーにとってストレスの少ない環境を作ることができます。
遮光と保温
夏場の直射日光を避けるためには、日陰になる場所に設置し、すだれや遮光ネットで覆うことが必要です。
冬場の寒さ対策には、発泡スチロールなどで断熱するか、水槽用ヒーターで水温を保つ工夫が求められます。
特に冬は保温が不十分だと、代謝が落ちて免疫力も低下し、病気になりやすくなるため注意が必要です。
天敵を避ける
ウーパールーパーを外飼いする場合、最も注意すべきは天敵の襲撃です。
特にカラスやサギなどの鳥類は水面近くのウーパールーパーを狙いやすく、猫やアライグマも水槽を引っ掻いたり倒したりする危険性があります。
さらに、ヘビやカエル、ヤゴ(トンボの幼虫)などの水生生物もウーパールーパーに害を及ぼす可能性があります。
これらの天敵から守るには、金網やネットで水槽全体を覆うことが最も効果的です。
網目は1cm以下が理想で、フレームでしっかり固定することで、鳥や動物の侵入を防ぎます。
また、防犯カメラやセンサーライトの設置も人間によるいたずらや盗難防止に役立ちます。
水槽の周囲に隠れ家やシェルターを設置して、ウーパールーパーが身を隠せる環境を整えることも重要です。
外飼いを安全に行うには、物理的な防御と環境管理を徹底することが鍵となります。
結論:ウパの外飼いはやめておいた方が良い
まとめ
ウーパールーパーの外飼いは、理論上可能ではあるものの、日本の気候や環境では多くのリスクが伴います。
夏の猛暑で水温が急上昇する危険性や、冬の寒さによる凍死のリスク、さらに鳥類や野良動物などの天敵からの襲撃など、課題は非常に多岐にわたります。
安全に外飼いするためには、大型のビオトープで水量を確保し、金網やネットで天敵から守るなど、徹底した管理が求められます。
日本でウーパールーパーを飼育する場合、室内での管理が最も安全で安定した方法ですが、外飼いに挑戦する際は、十分な準備と注意が必要です。