ウーパールーパーは、愛らしい見た目とは裏腹に、独特な方法で交尾を行う生き物です。
飼育下でも比較的繁殖させやすいと言われていますが、オスとメスの行動や環境条件について理解しておくことが大切です。
この記事では、ウーパールーパーの交尾の流れや発情期の特徴、オス・メスの違いなど、繁殖に関する重要なポイントを分かりやすく解説しています。
ウーパールーパの交尾について
ウーパールーパー(アホロートル、Axolotl)の交尾は、他の両生類と似ている部分もありますが、特有のプロセスがあります。
交尾の基本的な仕組み
体内受精でありながら、オスとメスが直接交尾するわけではなく、オスが「精包(せいほう)」と呼ばれる精子の塊をメスに渡し、これを体内に取り込むことで受精します。
この精包受精という方法は、サンショウウオ科の特徴的な繁殖様式です。
繁殖時期
ウーパールーパーの繁殖期は、主に冬から春にかけての寒い時期、11月から3月頃に活発になります。
特に水温が14℃〜18℃程度になると、繁殖のタイミングが整いやすくなります。
飼育下では、意図的に水温を下げることで繁殖を促すことも可能です。
交尾のステップ
求愛行動
繁殖が近づくと、オスはメスに対して求愛行動を始めます。
身体をくねらせたり尾を振ったりしながら、メスの周りを泳ぎ回る「コートシップダンス」と呼ばれる動きを見せます。
精包の放出
メスがこれに反応すると、オスは精包を放出する段階に進みます。
精包はゼラチン質に包まれた小さな円錐形の塊で、オスは水槽の底に複数個設置します。
精包の取り込み
メスはオスの誘導に従い、この精包の位置まで導かれます。そして、総排泄口(クロアカ)を使って精包を体内に取り込みます。
精子はメスの体内で卵子と結びつき、受精卵が形成されます。
受精・産卵
受精から2〜3日後には産卵が始まり、メスは100〜1000個ほどの卵を水草や水槽の壁、石などに産み付けます。
産卵された卵はゼリー状で、約10〜14日後にはオタマジャクシのような幼生が孵化します。
孵化した幼生はしばらくの間水中で成長し、ウーパールーパー特有の外鰓を持つ姿で生活します。
交尾・産卵に適した環境
交尾・産卵に適した環境を整えることも大切です。
水温は14℃〜18℃が理想的で、20℃を超えるとストレスや卵の腐敗リスクが高まります。
また、水質はpH6.5〜7.5の中性付近を維持することが望ましく、隠れ家や水草の設置も精包や卵の産み付け場所として有効です。
繁殖後のオスとメスはかなり体力を消耗しているため、別々の水槽に分けて休ませるのが理想的です。
豆知識
ウーパールーパーの交尾の特徴のひとつに、ネオテニー(幼形成熟)が挙げられます。
通常、サンショウウオ類は幼生期から成体に変態して陸上生活に移行しますが、ウーパールーパーは幼生の姿のままで性成熟し、水中で繁殖を完了します。
このため、交尾から産卵、孵化まですべて水中で行われるのが特徴です。
ウーパールーパーの繁殖は比較的難易度が低いものの、水温や水質の管理が重要になります。
特に繁殖期に向けた水温調整や、交尾後のメスの産卵環境の整備は欠かせません。
交尾や精包の取り込み、産卵の様子を観察することで、ウーパールーパーの生命の神秘を間近で感じられるでしょう。
ウーパールーパーの妊娠期間は?
ウーパールーパー(アホロートル)の妊娠期間は、厳密には「妊娠」というよりも受精から産卵までの期間と表現する方が正しいです。
ウーパールーパーは哺乳類のように胎内で子供を育てるわけではなく、精包(せいほう)受精によって体内で受精した卵を一定期間保持した後、水中に産卵する仕組みです。
受精から産卵までの期間
オスが放出した精包をメスが総排泄口(クロアカ)から取り込むことで、メスの体内で受精が起こります。
受精後、2〜3日程度でメスは卵を産み始めます。
この期間は水温や環境条件によって若干変動する場合がありますが、通常は3日以内に産卵が確認されます。
産卵後の孵化までの期間
メスは一度に100〜1000個の卵を水草や水槽の壁、石などに産み付けます。
産卵後は卵の発生が始まり、10〜14日ほどでオタマジャクシのような幼生が孵化します。
水温が低い場合は孵化までにもう少し時間がかかることもありますが、18℃前後の水温であれば2週間以内には孵化が完了します。
豆知識:精包保存の可能性
興味深い点として、ウーパールーパーのメスは精包を取り込んでから、受精を数日間遅らせることがあると言われています。
そのため、受精から産卵までの期間には若干の個体差が見られることもあります。
したがって、ウーパールーパーの「妊娠期間」として考えられるのは受精後2〜3日間ということになります。
ただし、哺乳類の妊娠とは異なり、体内で卵を育てる期間は非常に短く、その後は外部で卵が孵化するまでの期間が続きます。
ウーパールーパーの発情中の食欲
ーパールーパー(アホロートル)の発情期における食欲の変化については、オスとメスで多少の違いがあります。
発情期になると繁殖行動にエネルギーを使うため、個体によって食欲が変化しますが、全体的な傾向として以下の特徴があります。
オスの発情期の食欲
オスのウーパールーパーは、発情期に入ると求愛行動にエネルギーを集中させるため、食欲が減退する傾向があります。
- 発情期にはメスへのアピール行動(コートシップダンス)を繰り返し、精包を複数個設置するなどの活動が活発になります。
- この過程で、食べ物への関心が薄れ、一時的に餌を食べなくなることがあります。
- 特に交尾の直前や交尾中は、食欲がほとんどない個体が多く見られます。
- ただし、交尾後はエネルギーを回復するため、再び食欲が戻ることが多く、交尾後の食欲増加が顕著です。
メスの発情期の食欲
一方、メスのウーパールーパーは発情期に入ると、食欲が増進する傾向があります。
- 発情期のメスは、産卵に備えて栄養を蓄える必要があるため、通常よりも積極的に餌を求めます。
- 産卵前には卵の成熟に伴い、より多くの栄養が必要となるため、発情期に入ると食欲が旺盛になることが多いです。
- ただし、交尾後や産卵前の段階では、食欲が急に低下することがあります。これは卵を産むための体力を温存するための自然な反応です。
- 産卵後は、体力を回復するために食欲が再び増加します。
ウーパールーパーの発情中の行動
ウーパールーパーの発情期には、オスとメスそれぞれに特有の行動が見られます。
ふだんはおっとりしているウーパールーパーも、この時期になると繁殖本能に従って活発に動き始めます。
オスの発情期の行動
発情期のオスは、とにかく活発に動き回るようになります。
普段はじっとしていることが多いのに、水槽の中をあちこち泳ぎ回る姿が見られるようになります。特にメスが近くにいると、その興奮はさらに高まります。
もっとも特徴的なのは、求愛行動です。
これは、体をくねらせたり、尾を左右に振ったりしながらメスの前でダンスのように動く行為です。これによってメスの注意を引き、自分の精包を受け取ってもらおうとアピールします。
また、オスは精包(せいほう)と呼ばれるゼラチン状の精子の塊を、床にポンポンと置いていきます。興奮状態が強いと、何個も続けて精包を出すことがあります。
この時期のオスは、メスをしつこく追い回すこともあり、場合によってはストレスを与えてしまうこともあります。
メスの発情期の行動
一方メスは、オスほど激しく動くことはありませんが、発情期に入ると落ち着きがなくなり、よく動くようになります。
水槽の底や壁沿いを移動したり、水草や隠れ家の周囲を行ったり来たりするような行動が見られます。
オスがコートシップダンスを始めると、それに応じるように後ろからついて行くような仕草を見せることがあります。
これは、オスの出した精包の場所まで誘導されている途中の行動です。興味を持ったメスは、尾の動きやフェロモンの影響で、オスの誘導に自然と従うようになります。
発情が進むと、お腹が少しふくらみ、産卵に向けた体の変化が外見にも現れてきます。
🌊共通する変化
オスもメスも、発情期になると普段より活動的になり、よく動き、刺激に敏感になります。
水槽内の他の個体との関係にも変化が出やすく、特にペアで同居させている場合は、急に追いかけたり絡みついたりする様子が見られることがあります。
また、外見的な変化として、オスは総排泄口がふくらみ、尾がやや赤みを帯びることがあり、メスはお腹が丸みを帯びてふくらむようになります。
これは繁殖可能な状態になっているサインです。
このように、発情期のウーパールーパーは性別によって異なる行動を見せますが、いずれも普段とは違う活発さや、異性への関心の強さが目立つようになります。
繁殖を考えている場合は、これらのサインを見逃さずに、ペアリングや環境調整のタイミングを見計らうことが重要です。
まとめ
ウーパールーパーの交尾は、オスが精包を設置し、メスがそれを体内に取り込むことで受精が成立するというユニークな方法で行われます。
発情期のオスは活発に求愛行動を行い、メスは産卵に向けて栄養を蓄えるため食欲が増進します。
交尾から産卵、そして孵化までの過程を理解しておくことで、飼育下での繁殖を成功させやすくなります。
環境の調整やオス・メスの行動観察を丁寧に行うことで、健康な幼生の誕生を見守ることができるでしょう。