ウーパールーパーを見ていると、たまにスーッと水面まで泳いでいって、口や鼻をちょこんと出すことがありますよね。
「水の中で暮らす生き物なのに、どうしてわざわざ水面に出てくるの?」と不思議に思った方も多いはずです。
実はこの行動、ウーパールーパーにとって大切な呼吸のひとつ。
水中のエラ呼吸だけでは足りないとき、空気中の酸素を取り入れるために水面に顔を出しているのです。
ウーパールーパーは両生類の仲間で、ちょっと変わった呼吸の仕組みを持っています。
そのため、水槽で飼っていると「頻繁に水面に来るけど、これって大丈夫?」「もしかして体調が悪いのかな?」と心配になることもありますよね。
この記事では、ウーパールーパーがどうやって呼吸をしているのか、水面に上がる行動の意味や頻度、そして注意しておきたいポイントについて、飼い主さんにもわかりやすく解説していきます。
ウーパールーパーの健康を守るためにも、正しい知識を身につけておきましょう!
ウーパールーパーが水面に来る理由とは?
ウーパールーパーを水槽で飼っていると、ある行動に気づくことがあります。
それは、ふいに水面まで浮かんできて、口や鼻をちょこんと出して「ぷくっ」と息を吸うような仕草をすること。
最初は「溺れそうなのかな?」「病気かも?」と驚くかもしれません。
しかしこの行動、実はウーパールーパーにとってとても自然な呼吸の一環なのです。
ウーパールーパーは一見、魚のように水中だけで生きているように見えますが、実は「両生類」の仲間です。

両生類というのは、カエルのように水と陸の両方に適応した生き物のことで、肺を使って空気中の酸素を取り入れることができる特徴があります。
ウーパールーパーの場合、基本的には水中で生活していますが、環境によっては水中の酸素だけでは足りなくなることがあります。
そんなとき、肺呼吸の力を使って、自分で空気を吸うために水面に上がってくるのです。
この行動は、本能的な「自己防衛」のひとつ。
水槽の中の酸素が少なくなってきた、水温が上がって酸素が溶けにくくなってきた、または少しだけ体調が弱っている…そんなサインを、呼吸行動として見せてくれているのかもしれません。
つまり、「水面での呼吸=異常」ではなく、「水面での呼吸=適応」なんです。
ただし、頻度が多すぎたり、何度も何度も苦しそうに水面に上がってくるようなら注意が必要。
そのときは水槽環境や体調を見直す必要があります。
ウーパールーパーの呼吸のしくみ
ウーパールーパーの可愛らしい見た目からは想像できないかもしれませんが、実はとてもユニークで高度な呼吸システムを持っています。
人間は肺でしか呼吸ができませんが、ウーパールーパーはなんと「3種類」の方法で酸素を体内に取り込むことができるんです。
それぞれの呼吸方法には役割があり、状況によってうまく使い分けながら生きているのです。
エラ呼吸(外鰓:がいさい)
ウーパールーパーの最大の特徴ともいえるのが、頭の後ろにふさふさと生えている「外鰓(がいさい)」と呼ばれる器官です。
これは見た目がとても独特で、水の中でひらひらと動く様子がとても印象的。
ここが魚のエラのような役割を果たしており、水中の酸素を効率よく体内に取り込むための大切な呼吸器官です。
エラ呼吸は、ウーパールーパーが普段じっとしているときや、リラックスしているときに活発に働いています。
ただし、水中の酸素が少ない場合やエラの働きが低下しているときには、この方法だけでは足りないこともあります。

皮膚呼吸
ウーパールーパーの皮膚はとてもやわらかく、薄い膜のような構造になっているため、水に溶けた酸素を直接取り込む「皮膚呼吸」も可能です。
皮膚呼吸は、あまり動かずにじっとしているときに自然と行われる呼吸方法で、まるで省エネモードのように体力を使わずに酸素を得られるという特徴があります。
ただし、この皮膚呼吸だけで必要な酸素をすべて補えるわけではなく、あくまで補助的な役割にとどまります。
特に運動量が増えたときや、体が大きくなると、皮膚呼吸ではまかないきれないケースも多いのです。
肺呼吸(水面での空気呼吸)
ウーパールーパーが水面にぷかっと浮かんで口を開ける行動、それが「肺呼吸」です。
ウーパールーパーには人間と同じように肺があり、水中の酸素が不足してきたときや、体が酸素を多く必要としているときに、水面に上がって空気を吸い込む行動をとります。
この肺呼吸は、いわば“緊急の酸素補給”のようなもので、肺に直接空気を取り込むことで、すぐに必要な酸素を体内に届けることができます。
肺を使って呼吸ができるというのは、ウーパールーパーが両生類であるからこそ持っている進化的な特性なのです。
ウーパールーパーが水面で呼吸するのは異常?それとも正常?
ウーパールーパーが水面にぷかっと浮かび上がって口を開け、空気を吸っている様子を初めて見ると、「何かおかしいのかな?」「もしかして苦しんでる?」と不安に思う飼い主さんも多いと思います。
でも、結論から言えば、ウーパールーパーが水面で呼吸する行動は、基本的には“正常”で“自然な習性”です。
健康な個体でも水面に来るのは普通のこと
ウーパールーパーは肺を使って空気中の酸素を吸える生き物なので、水中の酸素が少し足りないと感じたときに、自発的に水面へと上がって呼吸をします。
特に夜間や水温が上がって水中の酸素量が減る時間帯にこの行動が見られるのは、ごく普通のことです。
また、体のサイズや代謝量、成長段階によっても必要な酸素量は変わります。
例えば、よく動く個体や餌をたくさん食べたあとなどは、酸素の需要が増えるため、肺呼吸を活用することがあります。
これはまったく異常ではなく、「今、自分に必要な酸素を効率よく取り入れている」だけの行動です。
呼吸の頻度に注目すべき理由
ただし、「水面に来る頻度が明らかに増えた」「1日に何十回も水面に上がる」「水面近くで常にバタバタしている」という場合は、注意が必要です。
これは単なる肺呼吸の範囲を超えた、異常な呼吸のサインかもしれません。
呼吸頻度の増加は、ウーパールーパーにとって「環境が苦しい」「水中で十分な酸素が得られない」と感じている証拠です。
飼育水の水温が高すぎる、水が汚れていてアンモニアや亜硝酸が溜まっている、または酸素供給が足りていない…など、複数の原因が考えられます。
また、体調を崩していたり、病気にかかっていると、通常のエラ呼吸や皮膚呼吸がうまく機能しなくなり、苦しそうに肺呼吸に頼るようになります。
これは「最終手段」のような状態なので、異常サインとして見逃してはいけません。
呼吸のしすぎは要注意!考えられる原因とは?
ウーパールーパーがたまに水面で呼吸するのは自然なことですが、もしその頻度が「やたらと多い」「1日に何十回も上がってくる」「いつも水面付近で苦しそうに口を開けている」といった様子が見られる場合は、注意が必要です。
このような異常な呼吸行動は、飼育環境に何らかの問題があるサインかもしれません。
ウーパールーパーは言葉を話せないぶん、体や行動で不調を訴えてきます。ここでは、呼吸しすぎの主な原因と、その見直しポイントを紹介します。
水温の上昇(=酸素不足)
水温が高くなると、水中に溶け込む酸素の量が少なくなります。特に夏場は、水槽の水温が上昇しやすく、酸素が不足しがちになります。人間も暑いと息苦しくなるように、ウーパールーパーにとっても「暑さ」は大きなストレス。
ウーパールーパーの適正水温はおおむね18〜22℃です。
25℃を超えると負担が大きくなり、酸素不足になりやすくなります。
その結果、エラ呼吸や皮膚呼吸だけでは足りなくなり、頻繁に肺呼吸=水面での呼吸をするようになります。
室温が高くなる時期は、水槽用の冷却ファンやエアコンで部屋ごと温度を下げるなど、水温管理を徹底しましょう。
水質の悪化
ウーパールーパーは水の汚れにとても敏感な生き物です。フンや食べ残しがたまって水質が悪化すると、アンモニアや亜硝酸などの有害物質が発生します。これらは呼吸器系にダメージを与え、酸素の取り込みを妨げる原因になります。
特にアンモニアは無色透明で目には見えませんが、ウーパールーパーにとっては命に関わる危険な物質です。水質が悪くなると、呼吸が浅くなったり、水面に頻繁に上がってくるようになります。
対策としては、定期的な水換え(1〜2週間に1度、1/3程度)を行い、濾過フィルターの掃除も忘れずに。
水質を見える化するために、水質検査キットを使うのもおすすめです。
フィルターやエアレーション不足
水槽に酸素を供給するには、フィルターの水流や、エアポンプによる「ブクブク」(エアレーション)が重要な役割を果たしています。

これらの機能が弱っていたり、止まっていたりすると、水中の酸素が減ってウーパールーパーが苦しみやすくなります。
特に静音性の高い機種を使っていると、動いていないことに気づきにくいことも。フィルターがちゃんと動いているか、水流があるか、エアポンプが空気を出しているかを定期的にチェックしましょう。
水の中の酸素量が足りないと、ウーパールーパーはエラや皮膚だけでは呼吸が追いつかなくなり、何度も水面に上がって空気を吸うようになります。これは生きるための“苦肉の策”なのです。
ウーパールーパーが快適に呼吸できる水槽環境とは
ウーパールーパーが水面での呼吸を頻繁に繰り返すようになる背景には、多くの場合、「水槽環境の問題」が関係しています。
逆にいえば、ウーパールーパーがエラ呼吸や皮膚呼吸で無理なく暮らせるような環境を整えてあげれば、無駄な肺呼吸の頻度も減り、健康に過ごしてもらえるということです。
では、具体的にどんな環境が「快適」なのでしょうか?ここでは、ウーパールーパーが安心して呼吸できる水槽づくりのポイントを詳しく解説します。
水温管理の重要性
ウーパールーパーの飼育において、もっとも大切と言っても過言ではないのが水温の管理です。
適正な水温はおおよそ18~22℃前後。この範囲内であれば、水中に十分な酸素が溶け込んでおり、ウーパールーパーも快適に過ごすことができます。
しかし、25℃を超えると水中の酸素濃度が急激に下がり、ウーパールーパーの呼吸負担が一気に増してしまいます。特に夏場は注意が必要で、室温と連動して水槽内の水温が上昇しやすくなります。
暑い季節には、以下のような工夫をしましょう。
- 冷却ファンで水温を2〜3℃下げる
- エアコンで部屋全体の温度を管理する
- 直射日光を避ける場所に水槽を設置する
- 水槽用クーラーを導入する(予算に余裕があれば)
水温は毎日チェックし、理想の範囲を保ってあげることが、呼吸トラブルを防ぐ第一歩です。
酸素をしっかり供給する工夫
水中の酸素を十分に保つことも、ウーパールーパーの呼吸を支えるうえで非常に重要です。酸素が不足すると、エラや皮膚からの呼吸では足りなくなり、水面に頻繁に上がるようになってしまいます。
以下のような方法で酸素供給をサポートしましょう。
- エアレーション(ブクブク)を設置することで水中に空気を送り込む
- 水面を適度に揺らすフィルターを選ぶ(静かながら水流があるものがベスト)
- 水草を入れることで日中の光合成により酸素を供給(夜間は逆に酸素を消費するため注意)
特にエアーポンプは手軽で効果が高く、酸素濃度の維持にとても役立ちます。設置していない場合は、まず導入を検討してみましょう。
水換えの頻度と注意点
水質の悪化も呼吸に大きく影響します。ウーパールーパーのフンや食べ残しは、放置するとアンモニアなどの有害物質に変化し、呼吸器官にダメージを与えてしまいます。
水換えの目安は以下の通りです。
- 1〜2週間に1回、水槽の1/3程度を交換
- 飼育数やフンの量が多い場合は週1回がおすすめ
- 水換え時は必ずカルキ抜き(中和剤)を使うこと
また、フィルターの清掃も忘れずに。目詰まりすると水流が弱くなり、酸素供給も悪くなってしまいます。濾材を軽くすすいだり、モーター部分に汚れが溜まっていないか定期的にチェックしましょう。
まとめ:水面での呼吸はウーパールーパーからのサイン
ウーパールーパーが水面に上がって呼吸をする姿は、見ていてどこか癒されるような、ユーモラスで可愛らしい瞬間でもあります。しかし、そこにはただの「習性」ではなく、ウーパールーパーが自分の体調や環境を調整するための大切なサインが隠されているのです。
本記事で解説してきたように、ウーパールーパーは「エラ呼吸」「皮膚呼吸」「肺呼吸」という3つの方法で酸素を取り入れています。そしてその中でも、水面での肺呼吸は緊急時や補助的な役割として使われることが多いのです。
つまり、時々水面で呼吸をするのは正常な行動ですが、「頻繁すぎる呼吸」や「水面でじっとして動かない」などの行動が見られる場合は、何か異常が起きているサインだと受け取るべきです。これは言い換えれば、ウーパールーパーが私たち飼い主に「ちょっと苦しいよ」「今の環境、見直してくれないかな」と無言で訴えているということでもあります。
そんなときは、水温、水質、酸素量などの基本的な飼育環境を落ち着いてチェックしてみましょう。たった1℃の水温変化、少しのフンの蓄積、フィルターの劣化…そんな些細な変化が、ウーパールーパーにとっては大きな負担になることもあります。
また、ウーパールーパーの健康は「呼吸」以外の行動や食欲にも現れます。元気がない、食欲がない、じっとしている時間が長い、などの変化にも注意を払いましょう。これらのサインを見逃さないことが、長く元気に飼育するためのポイントになります。