「飼育しているアマガエルが初めて冬を迎えるけどアマガエルって冬眠するんだよな。」
「アマガエルって冬眠させるべき?」
「無事に冬眠できる場所を作ってあげたいけど、どんな環境がいいのかわからない…」
こんなお悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
実は、アマガエルが安全に冬眠できる場所は、いくつかのポイントを押さえれば、庭やベランダでも簡単に作ることができます。
もちろん室内でも可能です。
適切な場所と環境を用意することで、愛らしいアマガエルが春に元気に目覚める姿を見守ることができます。
この記事では、アマガエルの冬眠場所について、庭やベランダで安全に冬眠させるための方法と場所選びのポイントを解説していきます。
アマガエルは冬眠するの?

アマガエルは冬眠するカエルの一種です。
日本の気候では、寒い冬期に活動を停止してエネルギーの消費を抑えるために冬眠します。
アマガエルが冬眠する理由は、冬季の寒さや食料不足に対処し、生存確率を高めるためです。
冬になると気温が大幅に下がり、アマガエルのような冷血動物は自ら体温を調整できません。
体温が下がると、代謝活動も低下するため、冬眠により低温環境に適応し、生命を維持します。
また、冬季は食料が少なくなるため、エネルギーが尽きるのを防ぐために活動を抑えます。
さらに、冬眠中は外敵から身を守る隠れ場所に潜むことで、捕食者からの保護と冷たい気候からの保護が同時に得られます。
このように、エネルギーを効率的に使用し、食料が限られている冬季に生き延びるための適応戦略として冬眠が非常に効果的です。春が来て気温が上がると、アマガエルは活動を再開し、新たな生命活動に入ります。
アマガエルが冬眠する場所は?

アマガエルは野生下ではどのような場所で冬眠するのでしょうか。
アマガエルは湿度が高く、温度が安定した場所を好みます。
また、風や直射日光から守られた環境であることも大切です。
飼育下で、庭やベランダで冬眠させる場合、土の中や落ち葉の下などのように自然界に近い環境を作ってあげると最適な場所となります。
このような場所は、温度変化が少なく、湿度も保たれるため、アマガエルにとって安心できる環境になります。
さらに、周囲に植物が豊富にあると、アマガエルは自然と隠れやすく、捕食者からも身を守ることができます。
このような理想的な場所を選ぶことで、アマガエルが安全に冬を越せる可能性が高まります。
アマガエルが冬眠する時期は?
地域差とその年の気候によっても差はありますが、概ね11月から3月頃に冬眠すると言われています。
例外的に冬眠しないのはどんな時?
アマガエルは通常、冬になると寒さを避けるために冬眠しますが、特定の環境では冬眠せずに活動を続けることがあります。
温暖な地域
例えば、冬でも気温が比較的高い地域では、冬眠の必要がなくなることがあります。
特に南西諸島や都市部などでは、冬の間も気温が10℃以上を保つことがあり、そのような場所ではアマガエルが冬眠せずに活動を続ける可能性があります。
人工物の影響
また、人間の影響を受けた環境でも、冬眠しないケースが見られます。
温室やビニールハウスのように冬でも暖かく、餌となる昆虫が生息している場所では、冬眠をせずに過ごすことができます。
さらに、都市部の下水道や排水溝などでは、気温が下がりにくいため、冬眠しない個体がいることもあります。
異常気象の影響
異常気象の影響によっても冬眠しないことがあります。
近年の温暖化により、冬でも気温が極端に下がらない日が増えており、一部のアマガエルが冬眠せずに活動を続けることがあるのです。
飼育下
また、飼育下では室温が適切に管理されていることが多く、20℃前後の環境では冬眠する必要がなくなります。
飼育下の冬眠方法についてはこの記事の後半で詳しく解説します。
飼育下のアマガエルの冬眠について

飼育下であればアマガエルを冬眠させるか冬眠させないかを飼育者の意向によって概ね決定することができます。
自然環境下では、アマガエルは気温が低下すると活動を停止し、冬眠に入ります。
よって、飼育している場合、飼育温度が暖かければ冬眠を防ぐことができますし、温度が寒ければ冬眠に入ります。
意図的に冬眠させるのであれば飼育者が事前にアマガエルが冬眠するための環境を整えることが大切です。
また飼育下でアマガエルを冬眠させるかどうかを決める際には、それぞれの選択にメリットとデメリットがあるため、慎重に判断する必要があります。
冬眠させるメリットとデメリット
メリット
まず、冬眠をさせるメリットとしては、自然のサイクルに合わせた飼育ができることが挙げられます。
本来アマガエルは冬の寒さに備えて冬眠を行うため、そのリズムを維持することでストレスを減らし、健康的に過ごせる可能性があります。
また、冬眠中はほとんどエネルギーを消費しないため、餌を与える必要がなく、管理の手間が減ることもメリットの一つです。
通常ペットを飼育している方の旅行は困難ですが、アマガエルの冬眠中であれば最長1週間程度の旅行なら可能かも知れません。
さらに、冬眠を経験することで生殖機能が刺激され、繁殖行動がより自然に促されるともいわれています。
デメリット
一方で、冬眠させることにはリスクも伴います。
まず、冬眠には適切な環境が必要で、気温や湿度が不適切だと、冬眠中に衰弱してしまう可能性があります。
特に温度管理が難しく、寒すぎたり温度が不安定だったりすると、冬眠の途中で目覚めてしまい、十分なエネルギーを蓄えられないまま衰弱してしまうことがあります。
また、冬眠中は体力が落ちるため、カビや細菌の影響を受けやすくなり、最悪の場合は命を落とす危険性もあります。
冬眠させないメリットとデメリット
メリット
冬眠させずに飼育する場合のメリットとしては、一定の温度を保つことで健康管理がしやすくなる点が挙げられます。
冬眠中に起こる体調不良や病気のリスクを回避でき、常に状態をチェックしながら適切に世話をすることが可能です。
また、冬眠しないことで活発な状態を維持できるため、観察を楽しむことができるのも利点の一つです。
デメリット
通常は冬眠によってエネルギーを消費せずに過ごすはずの冬の時期に活動を続けることになるため、冬眠する個体よりも冬眠しない個体は、理論上では老化が早く進むことになるため寿命に影響を与える可能性も考えられます。
このように、アマガエルを冬眠させるかどうかは、それぞれにメリットとデメリットがあり、環境や個体の健康状態をよく考慮して判断する必要があります。
適切な温度管理や飼育環境を整えられるかどうかを考えながら、最適な方法を選ぶことが大切です。
アマガエルを冬眠させない方が良い場合
飼育下でアマガエルを冬眠させるかどうかを判断する際、特定の個体は冬眠を避けたほうが良い場合があります。
その理由として、冬眠には体力を必要とし、健康な状態でなければ無事に冬を越すことが難しいからです。
体力がない個体
まず、体力が十分でない個体は冬眠に向いていません。
特に、痩せているアマガエルは冬眠中に必要なエネルギーを蓄えられず、途中で衰弱してしまう可能性が高くなります。
冬眠中は食事ができないため、十分な体力と栄養を備えていなければ、目覚める前に力尽きるリスクがあります。そのため、痩せている個体や最近病気にかかっていた個体は、冬眠を避けたほうが安全です。
幼い個体
また、まだ幼いアマガエルも冬眠には向いていません。
幼体は成長段階にあり、体がまだ十分に発達していないため、冬眠中にエネルギーを蓄えられず、生命維持が難しくなることがあります。
特に、孵化して間もない個体や成長が遅れている個体は、冬眠よりも温かい環境での飼育が適しています。
何らかの体調不良がある
さらに、すでに体調が悪い個体も冬眠は避けたほうが良いでしょう。
例えば、皮膚に異常が見られる個体や、動きが鈍くなっている個体は、健康状態が万全でない可能性があります。
冬眠は長期間にわたるため、免疫力が低下した状態で入ると、カビや細菌感染のリスクが高まり、最悪の場合、冬眠中に死亡してしまうこともあります。
このように、痩せている個体、幼体、体調がすぐれない個体は、冬眠を避けたほうが良いでしょう。
代わりに、冬でも一定の温度を保ち、餌を与えながら健康を管理することで、安全に冬を乗り切ることができます。
アマガエルのノリくんを冬眠させるか悩んでいる…
— さとっぺ(Epic Enviro Buddiesリーダーの母) (@gogoxap) November 29, 2024
冬眠させると目を覚まさなくなるんじゃないかと不安になるんです…
ノリくんが我が家にやってきて、もう少しで3年目になります…
アマガエルを飼っている方々は、どうしてますか?🐸 pic.twitter.com/NSDqplg4eQ
冬眠させないなら室内飼育・冬眠させるなら屋外飼育
基本的には、以下の通り冬眠させるかどうかで室内飼育か屋外飼育を変えた方が良いです。
- 冬眠させる場合は屋外
- 冬眠させない場合は室内
冬眠をさせるなら、自然に近い環境で温度変化が穏やかに進む屋外が適しており、逆に冬眠をさせないなら、一定の温度と湿度を保ちやすい室内のほうが管理しやすいからです。
ただし、例外的に
- 屋外飼育だけど冬眠させない
- 室内飼育だけど冬眠させる
といったこともあるでしょう。
これらは不可能というわけではないですが、難易度が上がりますので初心者にはおすすめできません。
飼育下のアマガエルを冬眠させない場合の対処法
飼育下でアマガエルを冬眠させない場合は、期間中、温度が20~25度前後を維持するようにしてください。
温度管理が最も重要ですが、それ以外にもいくつかのポイントを押さえておく必要があります。
餌の確保
餌の確保が欠かせません。
冬眠しないということは、冬の間も活動を続けるため、通常通り餌を食べる必要があります。
しかし、冬の時期は自然界の昆虫が少なくなるため、アマガエルが好む餌(例えばコオロギやミルワーム)を安定して供給できるように準備しておくことが大切です。
ただこれは野生のものではなく市販のものを主に利用すれば通常は問題ありません。
湿度の管理
また、湿度の維持も重要です。
冬場は暖房を使用することで空気が乾燥しやすくなり、アマガエルの皮膚が乾燥してしまうと健康に悪影響を及ぼします。
特に、飼育ケース内の湿度が下がると脱皮不全や体調不良の原因になるため、適宜霧吹きを行い、常に適度な湿度を保つようにしましょう。
湿度計を設置して、50~70%程度を維持するのが理想的です。
日照時間
さらに、日照時間や紫外線の管理も考慮する必要があります。
冬の間は日照時間が短くなるため、カエルの体内リズムが崩れないように、照明を活用して昼夜のリズムを整えてあげると良いでしょう。
特に、紫外線ライトを適度に使用することで、ビタミンD3の生成を助け、カルシウムの吸収を促進し、健康を維持することができます。
このように、冬眠させない場合は単に温度を維持するだけでなく、餌の確保、湿度管理、日照時間の調整、ストレスの軽減といった要素も考慮しながら、アマガエルが快適に過ごせる環境を整えてあげることが大切です。
アマガエルを室内で冬眠させる場合

アマガエルを飼育下で冬眠させる際の水槽の設置場所については、室内か室外かを選ぶ必要があります。
室内ではカエルの健康状態を定期的に観察しやすいという利点もあります。
また室内に設置する場合、温度管理がしやすく、急激な温度変化からカエルを守ることができるため、特に寒冷地においては適しています。
ただし飼い主など人間が住んでいる部屋では、高温になる可能性があり冬眠には不向きです。
アマガエルの場合、冬眠時の温度は10℃前後が理想的とされます。
人間と部屋を別ける
室内で冬眠させる場合は、飼育者である人間と別の部屋で居住空間を別けて飼育ケースを置くという方法があります。
飼育する人間は冬の間、エアコンやストーブなどで部屋を暖めますが、その部屋の温度であればアマガエルの冬眠する環境としては不適切です。
断熱材やクーラーボックスの利用
水槽の外側に断熱材を使用して、暖房による温度上昇の影響を軽減する方法もあります。
または、小さなクーラーボックスを利用して、その中に冬眠環境を作り出すことも一つの方法です。
ここに水槽を置くことで、外部からの温度変化を抑えることができます。
室外で冬眠させる場合

一方で、ベランダや室外に設置することも考えられますが、自然に近い条件で冬眠させることができる反面、凍結や過度の低温、直接的な雨や雪にさらされるリスクも伴います。
そのため、地域の気候や冬の気温をよく考慮し、カエルが適切に冬眠できるかどうかを見極める必要があります。
設置場所を選ぶ際は、カエルが健康に冬眠し、春に無事に覚醒できる環境を提供できるかどうかが最も重要です。
自宅の具体的な条件やカエルの健康状態に応じて、最適な場所を選んでください。
アマガエルを冬眠させると寿命は延びる?
一般にアマガエルは冬眠させた方が寿命が延びると言われています。
冬眠中は体の代謝率が大幅に下がり、体細胞の老化が遅くなるためです。
代謝活動が低下することで、エネルギー消費が少なくなり、栄養不足や厳しい環境条件から身を守ることができるため、生存率が向上します。
一方で、冬眠そのものは比較的リスクが高い行為で冬眠中にアマガエルがお星様になってしまう事もあります。
そのため飼育下で意図的に冬眠させる行為は一長一短があると言えます。
冬眠がうまくいけば寿命は伸ばせますが、そうでなければ冬眠中に亡くなってしまう事もあるので判断が難しい所ですね。
飼育下でアマガエルを冬眠させる際の注意点
飼育下でアマガエルを冬眠させる際には、自然環境を模倣した適切な管理が必要です。
環境づくり
まず、適切な環境を整えることが重要です。
冬眠を促すためには、徐々に照明時間を短くし、水槽の温度を段階的に下げていく必要があります。
自然環境では、気温が低下することで冬眠が始まりますので、水槽の温度は10℃程度まで徐々に下げていくことが理想的です。
冬眠場所
アマガエルが隠れることができる場所を提供することです。
水槽内には枯れ葉や小枝、ココナッツシェルなどを置いて、自然の隠れ場所を再現してください。これにより、アマガエルは安心して休眠することができます。
餌やり
冬眠期間中の餌やりは基本的に行いませんが、冬眠を始める前の数週間は、通常よりも控えめに餌を与えて、アマガエルの体内に食べ物が残らないようにすることも重要です。
消化されずに残った食べ物は腐敗し、健康を害する原因となります。
冬眠後の覚醒までの流れ
最後に、春になったら徐々に環境を「春」の条件に戻し、アマガエルが自然に覚醒するのを助けます。温度を徐々に上げ、照明時間を延長していくことがポイントです。
これらの注意を払いながらアマガエルを飼育下で冬眠させることで、健康を維持させつつ、自然に近いライフサイクルを提供できます。
冬眠したアマガエルを叩き起こす【カエル飼育】https://t.co/v94EImo3vW pic.twitter.com/iO5nzRabB1
— フロッギーズらぼ (@Katsuwonus_kch) March 16, 2023
冬眠中のアマガエルの注意点
アマガエルが冬眠する際には、いくつかの注意点があります。
まず、冬眠中はできるだけ静かな環境を保つことが重要です。
周囲の騒音や振動は、アマガエルを驚かせ、冬眠を妨げる要因となります。
また、冬眠中は水分補給が難しくなるため、場所選びの際には湿度が保たれる場所を選ぶことが求められます。
よくある質問として、「冬眠中にアマガエルを動かしても良いのか?」というものがあります。
基本的には冬眠中のアマガエルを動かすことは避けるべきです。
無理に動かすと、冬眠が妨げられ、健康に悪影響を及ぼす可能性があるからです。
また、アマガエルが冬眠から目覚めるタイミングは、気温や環境によって異なりますので、春になってから無理に起こさないようにしましょう。
まとめ
アマガエルが冬眠するための場所選びは非常に重要です。
適切な場所を提供することで、彼らが安全に冬を越すことができます。
庭やベランダにおいては、湿度や温度を考慮し、自然に近い環境を整えることが求められます。
具体的には、湿った土や落ち葉を利用し、捕食者からの保護を考えた場所を選ぶことがポイントです。
冬眠中の注意点としては、静かな環境を保ち、無理に動かさないことが大切です。
これらのポイントを押さえて、アマガエルが春に元気に目覚める姿を見守りましょう。