ミルワームの増やし方を徹底解説!初心者が爆殖させるための手順と失敗しないコツ

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爬虫類や両生類、小動物などのペットを飼育している方にとって、日々の餌代は決して無視できない出費です。

特に生き餌として優秀なミルワームは、ペットショップで購入し続けるとコストがかさむだけでなく、買いに行く手間も発生します。

「自宅で簡単に増やせたらいいのに」と考えたことはありませんか?

実は、ミルワームの繁殖は非常にシンプルです。正しい知識と環境さえ整えれば、誰でも自宅で「無限」に増やすことが可能です。

この記事では、初心者の方でも失敗せずにミルワームを効率よく増やす方法を、手順を追って詳しく解説します。

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目次

ミルワームを増やすための準備と環境づくり

ミルワームの繁殖を成功させる第一歩は、適切な飼育環境を整えることです。

高価な機材は必要なく、身近なホームセンターや100円ショップで手に入るもので十分にまかなえます。

飼育容器の選び方

まず必要なのは飼育容器です。深すぎず、表面積が広いプラスチックケースが適しています。

ミルワームはツルツルした壁を登ることができないため、蓋は必須ではありませんが、脱走防止やホコリ除けのために通気性の良い蓋がついた虫かごや、蓋に空気穴を開けたタッパーなどを用意しましょう。

ここで重要なのは、容器を一つではなく「最低でも3つ」用意することです。

これは後述する「共食い」を防ぐために、成長段階(幼虫・サナギ・成虫)ごとに部屋を分ける必要があるからです。

適切な床材(餌)の選定

ふすま(小麦の皮)

容器の中に敷く「床材」は、ミルワームの住処であると同時に主食となります。

一般的には「ふすま(小麦の皮)」や「パン粉」、「オートミール」などが使われます。

コストパフォーマンスを最優先するなら「ふすま」がおすすめです。

製粉所やインターネット通販、釣具店などで安価に大量購入できます。

一方、管理のしやすさを優先するなら「オートミール」が良いでしょう。

ダニが湧きにくく、初心者でも扱いやすいのが特徴です。床材は容器の底から2〜3cm程度の厚さになるように敷き詰めてください。


ミルワームのライフサイクルを理解する

効率よく増やすためには、彼らがどのようなサイクルで成長するかを知っておく必要があります。

ミルワームは「卵→幼虫→サナギ→成虫」という完全変態を行う昆虫です。

私たちが普段餌として与えているのは「幼虫」の段階です。

この幼虫が脱皮を繰り返して大きくなり、やがて白っぽく動かない「サナギ」になります。

サナギの期間を経て羽化すると、黒い甲虫である「成虫」になります。

繁殖のゴールは、この成虫に卵を産ませ、再び幼虫を誕生させることです。

温度管理にもよりますが、卵から成虫になるまでは約3〜4ヶ月程度のサイクルで回ります。この流れを止めないことが、安定供給の鍵となります。


【実践】ミルワームの増やし方と手順

それでは具体的な手順を解説します。ただ放置しておくだけでは数は増えません。

最も大切な作業は「選別」と「隔離」です。

ステップ1:幼虫を育てる

まずは購入してきたミルワーム(幼虫)を床材を敷いたケースに入れます。

水分補給として、キャベツの芯やニンジンの皮、小松菜などの野菜くずを少量与えてください。

野菜は水分過多によるカビやダニの原因になるため、食べ切れる量を与え、古くなったらすぐに取り除くのが鉄則です。

ステップ2:サナギを見つけたら即座に隔離する

ミルワームの蛹(さなぎ)

幼虫を飼育していると、ある日コロンとした形をした、あまり動かない白い個体が見つかります。

これがサナギです。

繁殖における最大のポイントは、「サナギを見つけたら、すぐに別のケースに移すこと」です。

サナギは動くことができないため、そのままにしておくと他の幼虫に齧られ、タンパク源として捕食されてしまいます。

スプーンやピンセットを使い、用意しておいた「サナギ用ケース」へ優しく移動させましょう。

ステップ3:成虫を繁殖ケースへ移動させる

ミルワームの成虫

サナギ用ケースでしばらく管理していると、羽化して赤茶色や黒色の甲虫(成虫)になります。

成虫になったら、今度は「成虫用(繁殖用)ケース」へと移動させます。

成虫もまた、サナギを襲うことがあるため、サナギと同じケースに入れっぱなしにするのは危険です。

成虫用のケースにも床材と野菜を入れておけば、成虫同士が交尾をし、床材の中に目に見えない小さな卵を産み始めます。

ステップ4:卵の孵化を待つ

成虫ケースで1ヶ月ほど飼育を続けると、床材の中には無数の卵が産み付けられています。

ある程度の期間が経ったら、成虫をまた新しいケースへ移動させるか、成虫の寿命が尽きるのを待ちましょう。

成虫がいなくなった床材を捨てずに管理し続けると、やがて極小の赤ちゃんミルワーム(マイクロワーム)が大量に湧いてきます。

ここまでくれば繁殖サイクルは確立されたと言えます。


失敗しないための重要ポイント

手順通りにやっているはずなのに増えない、全滅してしまったという場合に考えられる原因と対策をまとめました。

温度管理を徹底する

ミルワームは暖かい環境を好み、活発に活動して繁殖します。

最適な温度は25℃〜30℃前後です。

春から秋にかけては常温で問題なく増えますが、冬場は活動が鈍り、サナギになるスピードも遅くなります。

冬場も継続して増やしたい場合は、爬虫類用のパネルヒーターなどを使用してケースを温める必要があります。

逆に、増えすぎて困る場合は冷蔵庫(野菜室など)に入れて低温管理することで、成長を一時的に止めることも可能です。

ダニとカビの発生を防ぐ

ミルワーム飼育の最大の敵は「湿気」です。湿気が多いと床材にダニが大量発生したり、カビが生えて全滅の原因になったりします。

野菜を与える際は、水気をよく拭き取ってから入れ、翌日には取り出すくらいのサイクルが理想です。

また、ケースの蓋を密閉せず、風通しの良い場所に置くことで湿度の上昇を防げます。

もしダニが発生してしまった場合は、残念ですが床材をすべて廃棄し、ケースを熱湯消毒してリセットすることをおすすめします。

トラブル対処:もしもダニが発生してしまったら

ミルワームの自家繁殖において、避けて通れないのが「ダニ」の問題です。

湿度が高くなると、床材のふすまやパン粉にコナダニなどの微細なダニが湧くことがあります。

もしケースの壁面をよく観察して、白い粉のようなものが動いているのを見つけたら、それはダニが発生しているサインです。

放置するとアレルギーの原因になったり、部屋中に拡散したりする恐れがあるため、迅速な対処が求められます。

基本は「全リセット」が安全

残念ながら、床材に一度ダニが湧いてしまうと、そこからダニだけを取り除くことは極めて困難です。

もっとも確実で安全な方法は、そのケースの床材をすべて廃棄することです。

勿体ないと感じるかもしれませんが、ダニが混入した床材を使い続けると、他の健康なケースにも被害が拡大してしまいます。

ビニール袋に床材を入れ、口を固く縛って処分しましょう。


生体の救出とケースの消毒

床材は捨てますが、中のミルワーム自体は救出可能です。

目の細かいふるいを使ってミルワームと床材を分け、ミルワームだけを取り出します。

ただし、ミルワームの体表にダニが付着している可能性があるため、別の清潔な容器に移して様子を見るか、キッチンペーパーの上を歩かせてダニを落とすなどの工夫が必要です。

空になったプラスチックケースは、水洗いだけではダニの卵が残る可能性があります。

ダニは熱に弱いため、60℃以上のお湯をかけて熱湯消毒するか、徹底的に洗って天日干しを行い、完全に乾燥させてから新しい床材を投入してください。


ワンランク上の給餌法:栄養価を高める「ガットローディング」

自宅でミルワームを増やすメリットは、コスト削減だけではありません。

ペットに与える直前にミルワーム自身の栄養価を高める「ガットローディング」ができる点も大きな魅力です。

通常、市販されているカップ入りのミルワームは、流通の過程で絶食状態が続いていたり、単調な餌しか食べていなかったりすることが多く、栄養バランスが偏っていることがあります。

特にミルワームはリンが多くカルシウムが不足しがちと言われています。


栄養豊富な野菜を与える

ペットに与える1〜2日前に、栄養価の高い野菜をミルワームにたっぷりと与えてください。

例えば、カルシウムが豊富な小松菜やチンゲンサイ、ビタミンを含むニンジンやカボチャなどがおすすめです。

ミルワームのお腹の中にこれらの野菜が詰まった状態で、そのミルワームごとペットが捕食することで、間接的に野菜の栄養素を摂取させることができます。

これは野菜嫌いな爬虫類などに非常に有効なテクニックです。


サプリメントや専用フードを活用する

野菜だけでなく、爬虫類用のカルシウムパウダーをまぶした餌や、熱帯魚用の栄養価の高いフレークフードなどをミルワームに食べさせるのも効果的です。

「ミルワームはただの容器」と考え、その中身(食べたもの)をコントロールすることで、ご自身のペットに足りない栄養素をピンポイントで補うことができます。

自家繁殖であれば、常にベストなコンディションの「栄養満点ミルワーム」を用意することができるのです。

まとめ:手間をかけた分だけコスト削減につながる

ミルワームの増やし方は、「幼虫」「サナギ」「成虫」をこまめに分けるという作業さえ習慣化できれば、決して難しくありません。最初は面倒に感じるかもしれませんが、慣れてしまえば毎日の餌やりついでに行える簡単なルーティンワークです。

自宅でミルワームを繁殖させるシステムができあがれば、餌代の大幅な節約になるだけでなく、栄養価の高い新鮮な餌をいつでもペットに与えることができます。ぜひ今回の記事を参考に、自家繁殖にチャレンジしてみてください。

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