ウーパールーパーを飼い始めたけれど、「フィルターなしでも飼えるのかな?」と気になっている方は多いのではないでしょうか。
実は、ウーパールーパーは熱帯魚とは異なり、水流が苦手な生き物。そのため、フィルターを使わずに飼育する方法も一定の人気があります。
とはいえ、フィルターを使わないことで水が汚れやすくなったり、病気のリスクが上がったりと、注意すべきポイントも少なくありません。
この記事では、「フィルターなし」でウーパールーパーを飼う場合のメリット・デメリットや、飼育のコツについて詳しく解説します。
ウーパールーパーはフィルターなしでも飼えるの?
ウーパールーパーの飼育におけるフィルターの役割とは?

フィルターの主な役割は、「水をきれいに保つこと」です。
ウーパールーパーのフンや食べ残しからは、アンモニアなどの有害な物質が出てきます。
フィルターを使うことで、そうした汚れをこしとったり、バクテリアの力で分解したりして、水質の悪化を防いでくれます。
また、水がゆるやかに循環することで、水温のムラができにくくなり、水中に酸素も取り込みやすくなります。
これによって、ウーパールーパーが暮らしやすい環境を保つことができます。
ただし、水流が強すぎるとウーパールーパーにストレスになることがあるため、静かでやさしいタイプのフィルターを選ぶことが大切です。
ウーパールーパーはフィルターなしはあり?
ウーパールーパーは、実は「フィルターなし」でも飼育が可能な生き物です。
熱帯魚のように水流を好むわけではなく、むしろ強い水流があるとストレスを感じてしまうことがあります。
そのため、フィルターによって水が激しく動いてしまう環境は、ウーパールーパーにとってはあまり快適ではありません。
とくに小さな水槽や、1匹だけを静かに飼いたい場合などでは、あえてフィルターを使わずに、水をこまめに換えながら育てる方法を選ぶ飼育者もいます。
水をきれいに保つためには手間がかかりますが、フィルターを外すことで水流を最小限にできるというメリットもあります。
ただし、フィルターなしでの飼育は、正しく管理しなければ水がすぐに汚れ、病気のリスクが高まってしまいます。
実際にフィルターなしで飼うかどうかは、飼育者の経験や日々のお世話にかけられる時間によって判断するのがよいでしょう。
フィルターを使わない飼育のメリットとデメリット
ウーパールーパーをフィルターなしで飼育する場合、メリットとデメリットの両方があります。
どちらも理解したうえで、自分の生活スタイルや飼育環境に合うかを判断することが大切です。
メリット

まずメリットとして大きいのは、「水流によるストレスを減らせる」という点です。
ウーパールーパーは本来、流れの少ない場所を好む生き物です。
フィルターによって水が常にぐるぐると循環している状態だと、じっとしていたいウーパールーパーにとっては居心地が悪くなってしまいます。
特に小さな水槽では、水流が全体に行き渡ってしまうため、フィルターなしの方が快適な環境になることもあります。
また、フィルターを使わないことで電気代の節約にもなりますし、水槽まわりの機材が少なくなるぶん、見た目がすっきりするというのも嬉しいポイントです。
- 水流によるストレスを減らせる
- 電気代の節約
- 見た目がスッキリする
デメリット

一方で、デメリットも無視できません。
フィルターがないということは、水中の汚れやアンモニアなどを分解してくれる仕組みが存在しないということです。
そのため、水質がすぐに悪化しやすく、こまめな水換えや掃除が必要になります。
忙しくて数日間放置してしまうと、あっという間に水が濁り、ウーパールーパーにとって危険な環境になってしまうこともあります。
また、水中の酸素量が不足しがちになるため、エアレーション(ぶくぶく)など別の方法で酸素供給を考える必要も出てきます。
フィルターを使わない飼育には、手間と観察力が求められますが、そのぶんウーパールーパーと密に向き合えるスタイルとも言えます。
- 水質が悪化しやすい
- 水替え頻度が多くなる
フィルターなしで飼育する場合の注意点とは?

フィルターを使わないでウーパールーパーを飼う場合、注意すべき点はいくつかあります。
特に大切なのは「水質の管理」と「酸素の確保」です。
この2つをおろそかにすると、健康に悪影響を与えることがあります。
水質管理
まず、水質の管理についてです。フィルターがないということは、水の中にたまるフンや食べ残し、アンモニアなどを分解してくれる機能が一切ないということになります。
そのため、水はすぐに汚れてしまいます。
にごりが目に見える前に、すでに水質は悪化していることが多いです。
見た目がきれいでも、実際にはアンモニア濃度が上がっていることもあるため、定期的な水換え(最低でも週に2〜3回)が欠かせません。
特に夏場は水温の上昇とともに水質悪化も早いため、注意が必要です。
酸素の確保
次に、酸素の確保も大切なポイントです。
フィルターがある場合、水が動くことで自然と空気に触れ、ある程度の酸素が供給されます。
しかしフィルターがない場合、水面がほとんど動かないため、水中の酸素が不足しやすくなります。
このとき役立つのが、エアレーション(ぶくぶく)です。
エアレーションは水流をあまり発生させずに酸素を供給してくれるので、ウーパールーパーにもやさしい方法です。
餌の管理
また、餌の与えすぎにも注意が必要です。
食べ残しがすぐに水を汚してしまうため、少量ずつ与えて様子を見ながら調整することが大切です。
直射日光を避ける
最後に、直射日光を避けることも忘れてはいけません。
日差しが当たると水温が急上昇するだけでなく、コケも生えやすくなり、結果的に水が汚れやすくなります。
フィルターなし飼育に向いているケース・向いていないケース

フィルターなしでウーパールーパーを飼うことは、決して「上級者だけの方法」というわけではありません。
ただし、すべての人や環境に向いているわけでもないため、自分に合っているかどうかを見極めることが大切です。
向いているケース
- 毎日水槽の様子をしっかり観察できる
- 水換えや掃除にこまめに時間をかけられる
- ウーパールーパーが1匹だけ(もしくは少数)
- 比較的小さめの水槽を使っている
- エアレーションなどで酸素供給ができる
このような環境であれば、水質の変化にすぐ気づけますし、トラブルを未然に防ぎやすくなります。特に「静かで落ち着いた環境」を作りたい方にとっては、水流のないシンプルな飼育スタイルがぴったりです。
向いていないケース
- 忙しくて水換えの時間を確保しづらい
- 2匹以上を同じ水槽で飼っている
- 大きめの水槽で広いスペースがある
- 留守にする日が多い
- 水質悪化に気づく自信がない
これらの場合、フィルターを使って水を循環・ろ過させる方が安全です。
とくに複数飼いではフンの量も増えるため、水質の悪化が早く、管理が難しくなります。
つまり、フィルターなし飼育が向いているかどうかは、「自分のライフスタイルと飼育環境にどれだけ手間をかけられるか」に大きく関わってくるのです。
フィルターなしでうまく飼うためのポイント

水替えの頻度
まず大切なのは、水換えの頻度です。
フィルターがない分、フンや食べ残しなどの汚れはそのまま水に残ってしまいます。
そのため、最低でも週に2〜3回、汚れが気になるときは毎日少量の水換えをするのが理想です。
一度にすべての水を替えるのではなく、全体の1/3程度ずつをこまめに替えるのがポイントです。こうすることで急激な水質変化も防げます。
餌の量と与え方
次に意識したいのが、餌の量と与え方です。ウーパールーパーは意外と食べ残しが多く、それがすぐに水を汚す原因になります。
フィルターなしの場合は、食べきれる量を少しずつ与えるようにしましょう。
食べ残しを見つけたらすぐにスポイトなどで取り除くことも忘れずに。
エアレーションの導入
また、エアレーションの導入も非常におすすめです。
ぶくぶくと泡を出すエアポンプを使えば、水中に酸素を取り込むことができ、ウーパールーパーの呼吸も安定します。
水流はほとんど生まれないため、ストレスを与える心配もありません。
底床の工夫
さらに、底床の工夫も重要です。
砂利や底砂を敷く場合は、汚れがたまりやすくなるため、できれば掃除しやすいシンプルな水槽レイアウトにするのが無難です。
ベアタンク(水槽の底に何も敷かない状態)にしておくと、汚れが目に見えやすく、掃除も手早くできます。

水温管理
最後に、水温管理にも気を配りましょう。
ウーパールーパーは20℃前後の涼しい水を好むため、夏場は水温が上がりすぎないように注意が必要です。
フィルターがないぶん、ファンや保冷剤を使って温度を調整する工夫があると安心です。

まとめ:結局のところ、フィルターは必要?不要?
ウーパールーパーの飼育において、「フィルターは必要かどうか?」という疑問には、一言では答えきれません。
というのも、フィルターの必要性はウーパールーパー自身の性質というよりも、飼育者の生活スタイルや環境に大きく左右されるからです。
毎日水槽を観察して、こまめに水換えができる人にとっては、フィルターなしでも十分に健康的な飼育が可能です。
水流がなく、静かで落ち着いた環境は、ウーパールーパーにとっても快適で、ストレスを感じにくいといわれています。
一方で、忙しくて毎日のお世話が難しい場合や、飼育に慣れていない初心者さんには、やはりフィルターを使うほうが安心です。
水質の悪化をある程度防げるため、手間がかかる場面を減らすことができます。
つまり、フィルターが「必要かどうか」は絶対的な正解があるわけではなく、自分にとってどちらの方法が“管理しやすく、ウーパールーパーにやさしいか”を考えることが大切です。
もし迷っているなら、最初はフィルターありでスタートし、慣れてきたらフィルターなしにチャレンジしてみるのも1つの方法です。
大切なのは、どんなスタイルでもウーパールーパーの様子をよく観察し、小さな変化に気づいてあげること。それが、長く元気に過ごしてもらうための一番のコツかもしれません。