鮮やかな青みがかった美しい緑色と、愛嬌のある表情で、ペットとしても人気のイエアメガエル。
イエアメガエルは、体も丈夫で、おおらかな性質なので、初心者でも安心して育てられる種類です。
ただ、初めて飼育する場合には、事前に知っておかなければいけない注意事項がいくつかあります。
今回は、イエアメガエルと仲良く暮すために気を付けたいことをまとめました。
最後までお付き合い願えれば幸いです。
イエアメガエルの特徴とは?
イエアメガエルはオーストラリアとニューギニアに自生しており、温暖で湿度の高い環境を好むことが知られています。
ウシガエルのように成体になってからも主に水辺で暮らすカエルの種類もいますが、イエアメガエルは水辺ではなく樹上性のカエルで、樹木の上での生活を好みます。
日本国内では野生の個体はいませんがペットとして飼育することは可能です。
人家や庭にも頻繁に姿を現し、地元の人々に親しまれています。
このカエルは人懐っこく、飼育下では飼い主の顔を認識し、食事をねだる姿が見られることもあります。
時間が経つにつれて、飼い主との距離が縮まり、ピンセットを介してエサを受け取るようになります。
変化に強く、飼育環境の変更にも容易に適応しますが、直接触れると体温でダメージを受けることがあるため、触る際には注意が必要です。
イエアメガエルは、オス、メスともに5cm~11センチまで成長します。
最終的には、ニホンアマガエルの約2~3倍ほどにも大きくなります。
体重は、成長した状態で約50gです。
加齢が進むと、つるつるしていた皮膚が垂れ下がり、大型のずんぐりむっくりした体型へと変わっていきます。
イエアメガエルは食欲旺盛なので、定期的に体重を測り、太りすぎないように注意しましょう。
イエアメガエルの飼育レイアウト
ケージ
イエアメガエルを飼育する時には、まず逃げ出す心配がなく、お世話のしやすいケージを選ぶところから始めましょう。
大きさの目安は高さ45cm、幅30cm、奥行30cm程度のものです。
横長ではなく縦長のケージであることが注目ポイントです。
ガラス面も吸盤を使って、よじ登り逃げ出す危険性があるため、必ず蓋にロックがかかるものを選びます。
ロックがついていないものだと、自分でこじあけてしまうからです。
そして、前面開きのタイプを選びましょう。
後述する観葉植物をひっかけたりせずに、水容器の出し入れがスムーズにできます。
飼育容器には、ヤシがらや腐葉土、またはソイルと呼ばれるカエル専用の床材を敷いて、夜間には霧吹きをしておきます。
そして、隠れ家や休むところになる観葉植物を鉢ごと入れます。
本物の植物を使用する場合は、照明の取付けが必要です。
水浴びができるよう、全身が浸かる程度の深さがある水容器も入れておきましょう。
泳ぐスペースは不要だが水飲み場は必要
イエアメガエルは水を必要としますが、泳ぐための深い水エリアは必要ありません。
イエアメガエルは主に陸生ですが、水分を保つために水場を必要とするため、容器の底に湿った環境を提供することが重要です。
浅い水入れを設置すると水分補給や保湿するのに十分です。
水入れは清潔に保つ必要があり、定期的に水を交換してください。
飼育容器は縦長のレイアウト
イエアメガエルを飼育するときの重要なポイントは、飼育容器内のレイアウトをどうするかです。
イエアメガエルのような樹上性のカエルは立体的に移動する習性があるため、それに応じたレイアウトが必要です。
まず、イエアメガエルのストレスを極力減らすために、野生の時の環境に極力近づけるようにします。
それが立体的な移動の習性に耐えうる高さのある縦長の飼育容器であるという事です。
イエアメガエルは樹上性で立体的に移動する習性があるため、高さのあるケージが必要なのじゃ。
野生のイエアメガエルは森の木の葉の上や雨水が溜まるところで暮しています。
樹木は、ポトスなど鉢植えの観葉植物で代用しましょう。
また、葉の上にのぼりやすいように、突っ張り棒を配置しておくと、落下する危険性を減らせます。
二股の樹木を入れるのも良いでしょう。
植物が少なくても、ちょうどいい足場や、休む場所になります。
床材
床材は湿度を保つために、ヤシガラマットや腐食度の高い土の上に水苔などを敷くことがおすすめです。
これらの床材はバクテリアを蓄積し、糞などの有害物質を分解して飼育しやすくなります。
実際にはそこまで底床に浸透しないので、ティッシュやキッチンペーパーなどの吸水性があるものでしたら大丈夫でしょう。
苔を使ったレイアウトをする場合、苔といっても種類は様々で、町中にある苔を使ったテラリウムは不向きです。
他にも、高い山にある苔は底地に持っていくと枯れてしまうので注意してください。
また、自然界のテラリウムはごみや虫がついているので衛生上よくありません。
もし苔を使いたいなら、テラリウム向きの苔を取り扱ったサイトや専門店のものがおすすめです。
テラリウム向けに洗浄されているので安心して使えます。
流木や枝
イエアメガエルは植物を隠れ家にしたりはしませんが、流木や枝で生い茂った環境に生息していることが多いため設置してあげるとよいでしょう。
ビバリウムやテラリウムなど野生環境に適したレイアウトを再現できれば、イエアメガエルは元気になります。
枝や木があれば登り降りも楽になる上、飼育しやすくなることでしょう。
ライト
飼育に必ず必要ではありませんが、昼夜のメリハリをつけてあげるほうがいいでしょう。
鑑賞の見栄えをよくでき、観葉植物の育成にもピッタリです。
明るさは、ケージの温度が上がらない程度にすることをおすすめします。
イエアメガエルのレイアウトについて【まとめ】
いかがでしたか?
以上の注意点を守れば、イエアメガエルは、人に慣れやすく、カエルの品種の中では、それほど手がかかりません。
この記事をご覧になり興味を持たれた方は、ぜひ挑戦してみてください。
以上、イエアメガエルの飼育レイアウトや床材についての解説でした。