最近は、YouTubeで飼育しているカエルが懐く動画が、巷で人気です。
皆さんのなかにもカエルを飼育してみたいと思われた方はいらっしゃるのではないでしょうか。
ペットショップで販売しているカエルであればコストもかかるので、自分で採集したカエルを育てるとなると有力な選択肢はアマガエルかヌマガエルとなるのではないでしょうか。
中でもヌマガエルは可愛い要素は少ないキモイ系なので、カエルのペットの中でも群を抜いて不人気です(笑)
しかし数あるカエルの品種の中でも、ヌマガエルは、比較的飼育しやすく、初心者でも育てやすい品種です。
そのため少数派とは言えどヌマガエルを飼育したい人は、いるでしょう。
今回は、ヌマガエルの飼育の方法についてお伝えしていきます。
わかりやすく解説しましたので、ぜひ最後までお付き合いください。
ヌマガエルの採集や飼育は禁止されていない?
ヌマガエルは日本産のカエルです。
近年の研究により、日本に生息するヌマガエルは独自の種であることが判明しました。
そのため、日本の本州・四国・九州・沖縄に自然分布している在来種とされています。
2025年3月時点で、日本全体としてはヌマガエルは絶滅危惧種には指定されていません。
そのためヌマガエルの採集や飼育は、法律で特に禁止されていません。
ただし、地域によっては独自の条例や規制が存在する場合があります。
そのため、ヌマガエルを飼育する際は、地域の条例や環境保護の観点から、各自治体の規制を確認し、自然環境への影響を十分に考慮することが重要です。
ヌマガエルの飼育住環境

ケージ
ヌマガエルは活動的なため、動き回るスペースが必要です。
ケージは最低でも60cm×45cm×45cmのサイズが望ましいです。
より大きなケージを用意できる場合は、それに越したことはありません。
陸エリアと水エリアを作る
ヌマガエルの飼育では、水場と陸地をバランスよく配置することが大切です。
理想的な水陸の割合は水場40〜50%、陸地50〜60%です。
水場が多すぎるとカエルが休む場所が少なくなり、逆に少なすぎると水分補給が難しくなります。浅めの水場を用意し、カエルが溺れないように流木や石を置いて上陸しやすくしましょう。
また、陸地と水場の境目は自然な傾斜をつけ、カエルが自由に移動できるようにするのが理想です。
水深は3〜5cm程度が適切で、定期的な水換えを行い、水質を清潔に保ちましょう。
ヌマガエルの水エリアは、飲水や体温調節、皮膚の水分補給のために重要な役割を持ちます。
水エリアの詳細
- 水深:3〜5cm程度が適切。深すぎると溺れる可能性があるため、浅めに設定します。
- 水質管理:水は清潔に保ち、週に2〜3回は交換します。特に餌の食べ残しが水質を悪化させるため、フィルターを設置するか、こまめにスポイトで掃除をしましょう。
- 水の流れ:ヌマガエルは静かな水場を好むため、強い流れは不要です。ろ過装置を使う場合は、スポンジフィルターなどの弱い水流のものが適しています。
- 浮島・足場:水場には、流木や石を配置してカエルが休める場所を作ります。特に、水面ギリギリの場所に足場があると、休憩しながら水分補給ができます。
- 水草の活用:水場にはアヌビアス、マツモ、ウィローモスなどの水草を入れると、水質が安定し、自然な環境に近づけられます。
陸エリアの詳細
陸エリアは、カエルが休んだり隠れたりするための大切なスペースです。
- 床材:ヤシガラ土、腐葉土、ウッドチップ、ミズゴケなどを使用し、適度な湿度を維持します。
- 隠れ家:ヌマガエルは日中隠れることが多いため、流木の隙間、コルクバーク、植木鉢を横にしたものなどを配置し、安心して休める場所を作ります。
- 登れる環境:陸地にも流木や岩を配置し、カエルが登って運動できるようにします。
- 湿度管理:乾燥しすぎると皮膚の状態が悪くなるため、霧吹きを1日1〜2回行い、湿度を60〜80%に保ちましょう。
- 植物の設置:ポトスやシダ類を植えて、自然な環境を再現しつつ、隠れ家の役割も持たせると良いです。
観葉植物
観葉植物はヌマガエルの飼育環境に適度な湿度を与え、隠れ家としても機能します。
おすすめの植物は、ポトス、アヌビアス、シダ類(ボストンファーンなど)です。

特にポトスは丈夫で湿気にも強く、成長が早いため手入れが楽です。

水場には水中でも育つアヌビアスを配置すると、レイアウトが自然に見えます。カエルが乗れる広めの葉を持つ植物を選ぶと、安心して休める場所にもなります。
植物の植え込みには、鉢植えのまま置くか、床材に直接植える方法がありますが、頻繁なメンテナンスが必要になるため、適宜調整しましょう。
木の枝や流木
ヌマガエルは飛び跳ねる習性があるため、木の枝や流木を配置すると活動範囲が広がり、運動不足を防げます。
流木は水場と陸地をつなぐように配置し、カエルが登ったり休めるようにしましょう。
使用する流木は水に強く、腐りにくいものが理想です。
木の枝をレイアウトする場合は、転倒しないようにしっかり固定し、安全な環境を整えます。
また、流木や枝にはコケを活着させると、湿度が保たれ自然な雰囲気を演出できます。設置後はカビや腐敗に注意し、定期的にメンテナンスを行いましょう。
脱走対策
ヌマガエルのケージにおいて脱走対策としては、まずケージの蓋をしっかりと固定できるタイプのものを選ぶことが重要です。
特に、蓋が重くてロック機能付きのものが望ましいです。
また、通気孔がある場合は、ヌマガエルが逃げ出せないように小さなメッシュを用いてください。
清潔を維持

全体の環境維持においては、水質と床材を常に清潔に保ち、ケージ内の湿度を適切に管理するために定期的に水を吹きかけるか、自動の加湿器を使用するとよいでしょう。
これにより、ヌマガエルにとって健康的で安全な生活空間を確保することができます。
温度管理
ヌマガエルは比較的広い温度帯に適応しますが、寒い季節にはヒーターが必要になります。
理想の温度は20〜26℃で、冬場は最低18℃を下回らないように管理しましょう。ヒーターには、水槽全体を温めるパネルヒーターや、水中の温度を安定させる水中ヒーターがあり、飼育環境に合わせて選びます。
パネルヒーターは底面や側面に設置し、保温効果を高めるために断熱シートを併用すると良いでしょう。
ヒーターを使用する際は、温度計を設置し、過加熱や低温にならないよう定期的に確認してください。また、ヒーターが直接カエルの肌に触れないよう、カバーをつけると安心です。
ヌマガエルは寒さに弱いため、冬場は温度管理が重要になります。
- 適温:20〜26℃が理想。冬場は最低18℃を下回らないように注意。
- ヒーターの種類:
- パネルヒーター:ケージの底面や側面に貼るタイプ。全体をじんわり温める。
- 水中ヒーター:水場の温度を一定に保つ。誤作動を防ぐため、サーモスタット付きのものを選ぶ。
- 設置の注意点:
- 直にカエルの肌が触れないようにする。
- 温度計を設置し、過加熱や低温を防ぐ。
- 夜間に温度が下がる場合は、パネルヒーターを併用する。
湿度管理

ヌマガエルの飼育では、湿度を適切に保つことがとても重要です。
湿度が低すぎると皮膚の乾燥によって体調を崩し、逆に高すぎるとカビや雑菌が繁殖しやすくなります。
理想的な湿度は60〜80%で、この範囲を維持することでカエルの健康を守ることができます。
湿度を管理するための基本的な方法の一つが霧吹きです。毎日1〜2回、ケージ内全体に軽く水を吹きかけることで、適度な湿度を確保できます。特に乾燥しやすい冬や、エアコンを使用する時期には霧吹きの頻度を増やすとよいでしょう。ただし、水が溜まりすぎると床材が過剰に湿ってしまい、不衛生になるため、加減が大切です。
湿度を維持する工夫として、水場の設置も欠かせません。(前述の通り水エリアと陸エリアを別けていればここは気にしないでOKです)
ヌマガエルのケージには十分な水場を確保し、水の蒸発によって自然に湿度を上げることができます。さらに、水草や流木を水場に配置すると水分が保持されやすくなり、蒸発する水分がケージ全体の湿度を高めるのに役立ちます。
また、床材の選び方も湿度管理に大きく関係します。
ヤシガラ土や腐葉土、ミズゴケなどの湿度を保ちやすい床材を使用すると、カエルの皮膚が乾燥するのを防ぐことができます。特にミズゴケは保水性が高く、乾燥してきたら軽く湿らせることで簡単に湿度調整が可能です。
さらに、湿度を一定に保つためにはフタの通気性も考慮する必要があります。
ケージのフタを完全に密閉してしまうと湿度が上がりすぎてカビの発生を招くため、一部をメッシュにするなど適度な通気性を確保することが重要です。もし湿度が下がりすぎる場合は、フタの開口部を減らしたり、湿度を維持しやすい環境を作る工夫をしましょう。
湿度を正確に管理するには、湿度計の設置が必須です。
ケージの中に湿度計を設置し、日々の変化を確認することで、適切な調整がしやすくなります。特に季節の変わり目には湿度が変動しやすいため、湿度計をチェックしながら必要に応じて霧吹きや水場の管理を行いましょう。
湿度の管理は、ヌマガエルの健康に直結する大切なポイントです。適度な湿度を維持しつつ、通気性や衛生管理にも気を配ることで、快適な環境を整えることができます。
ヌマガエルの餌は何をあげたらいい?

ヌマガエルを飼育するうえで、まず、真っ先に考えなくてはいけないのが、食事の問題です。
ヌマガエルをオタマジャクシから育てるうちは、雑食で人工飼料も青菜もなんでも食べてくれるので、それほど手がかかりませんが、ヌマガエルを含めた、カエルの成体には生餌が必要です。
カエルは、基本的に、動くものしか餌と認識できないのです。
ヌマガエルの餌として適しているのは以下の虫になります。
- 人工飼料
- ミミズ
- ダンゴムシ
- コオロギ
- 小さめのバッタ
- ミルワーム
人工飼料
ヌマガエルに人工飼料を与えることは可能ですが、基本的には生きた餌を好むため、慣れるまでに時間がかかることが多いです。
市販のカエル用の人工飼料や、肉食性の魚用ペレット(アカヒレやメダカ用のもの)を使用できます。
餌を水に浮かべたり、ピンセットで動かして見せると興味を持ちやすくなります。最初は食いつきが悪いことが多いですが、根気よく試すことで慣れてくる個体もいます。
慣れない場合は、人工飼料を水でふやかして柔らかくし、動く餌と一緒に与えると食べることもあります。ただし、人工飼料だけでは栄養が偏るため、他の餌と組み合わせて与えるのが理想的です。
カエルが食べきれなかった餌はすぐに取り除き、水が汚れないように注意しましょう。
ミミズ
ミミズはヌマガエルにとって非常に栄養価の高い餌であり、喜んで食べる傾向があります。
特に、地表性の小型ミミズ(シマミミズなど)が適しています。与える際は、ミミズが大きすぎると飲み込みにくいため、カエルの口に合ったサイズにカットするか、小さい個体を選ぶと良いでしょう。
動きがあるとカエルが興味を持ちやすいので、ピンセットで少し動かして見せるのも効果的です。
ミミズは高たんぱくで栄養価が高いものの、与えすぎると脂肪がつきすぎる可能性があるため、他の餌とローテーションして与えることが重要です。与えた後は、ミミズが土の中に潜ってしまわないように注意し、食べ残しは放置せずに取り除くようにしましょう。
ダンゴムシ
ダンゴムシはカルシウムが豊富で、ヌマガエルの餌としても適しています。
ただし、野外で採取したものをそのまま与えるのは避け、農薬や寄生虫の影響がないことを確認してから使用することが大切です。
与える際は、カエルの口に合うサイズのものを選び、動いている状態でカエルの近くに置くと、興味を持って捕食することが多いです。ダンゴムシは甲殻が硬いため、消化の負担にならないように注意が必要です。
特に、カエルが小さい場合は殻が硬すぎて食べにくいことがあるので、無理に与える必要はありません。カルシウム補給のためにたまに与える程度が理想で、日常的には他の餌と組み合わせてバランスよく与えましょう。
コオロギ
コオロギはヌマガエルの主食として非常に適しており、栄養バランスの良い餌の一つです。
特に、小型のヨーロッパイエコオロギやフタホシコオロギが与えやすいです。
サイズは、カエルの頭幅程度のものが理想で、大きすぎると飲み込めないため注意が必要です。与える際は、動きがある状態の方が食いつきが良いため、生きたままケージ内に放すとカエルが狩りをする様子が見られます。
ただし、捕食されずに残ったコオロギがカエルを噛んでしまうことがあるため、食べ残した場合はすぐに回収しましょう。
また、コオロギを与える前に栄養価を高めるために、小松菜や人工飼料を食べさせておくと、カエルの栄養状態も良くなります。継続的に与えることで、健康的な成長をサポートできます。
バッタ
小さめのバッタもヌマガエルの餌として適していますが、野外で採取したものを与える際には注意が必要です。
バッタは野生のものが多く、農薬の影響を受けている可能性があるため、できるだけ安全な場所で採取したものを与えるのが望ましいです。
与える際は、カエルの口に合うサイズのバッタを選び、動いている状態でケージ内に入れると、カエルが狩りをして食べることが多いです。
バッタはコオロギと比べて外皮が硬いため、消化の負担にならないように注意しましょう。
特に大きめの個体は、足を取り除いてから与えると食べやすくなります。バッタは栄養価が高いですが、他の餌とバランスを取りながら与えることで、健康的な食事を維持できます。
ミルワーム
ミルワームはヌマガエルにとって手軽な餌の一つですが、脂肪分が多く栄養バランスが偏りやすいため、主食として与えるのは避けた方がよいです。
与える際は、動きがある状態の方が食いつきが良いため、ピンセットで少し動かして見せると捕食しやすくなります。
ただし、ミルワームの外皮は硬く、消化しにくいことがあるため、大量に与えると消化不良を起こす可能性があります。
そのため、ミルワームはあくまで補助的な餌として、他の餌と組み合わせて与えるのが理想的です。また、与える前に野菜や魚粉を食べさせて栄養価を高めることで、カエルにとってより良い餌になります。定期的に与えることで、成長のサポートにもなりますが、過剰な給餌には注意が必要です。
また、カルシウム不足を防ぐため、虫にあらかじめ、カルシウムパウダーを振っておくと良いです。
ビタミン剤など専用のサプリで、足りない栄養素を補うことも必要です。
ヌマガエルの寿命を伸ばすには?

ヌマガエルの寿命は、飼育下で約5年と言われています。
これは数あるカエルの品種のなかでは、平均的な長さです。
しかし、可愛がっているカエルには一日でも長く元気でいてもらいたい、と思うのが飼い主の気持ちです。
まず、大切なカエルを長生きさせるためには、飼育環境を整えることが必要です。
カエルは湿度や光といった環境の変化に非常に敏感な生き物で、ストレスによって大幅に寿命を縮めてしまう危険性があります。
ヌマガエルも例外ではありません。
ここで、ヌマガエルにストレスを与えない飼育環境についてまとめました。
- 夏場は、風通しがよい日陰にケージを置く。
- 全身が浸かる程度の水場を用意し、常に清潔な水を用意すること(ヌマガエルが移動しやすいよう、小枝などを必ずセットしておく)
- ストレスを与えないように、避難できる物陰を作っておく
- 接触は十分に水で手を濡らし、必要最低限に留めること。
カエルの体温は人間よりもかなり低く、20度~27度です。
体温調節ができず、傷つきやすい粘膜で覆われている皮膚のカエルは、あまり触りすぎると、低温火傷を起こしてしまいます。
決して、長時間、手に乗せたりはしないようにしましょう。
ヌマガエルはどんな鳴き声なの?
飼育するとなると、鳴き声による騒音が気になる方もいらっしゃるかもしれません。
カエルは夜行性なので、特に夜間の防音対策には気をつけましょう。
ヌマガエルは、のどの下の袋を膨らませながら「ゲッゲッゲッ」と鳴く特徴があります。
これがたくさん集まると、夏に田んぼから聞こえてくるカエルの合唱になるわけですが、皆さんがよく知っている、馴染みのある鳴き声ではないでしょうか。
この喉の袋(鳴のう)を持っているのは、主にオスのみで、ヌマガエルも例外ではありません。
この鳴のうで、声を大きく響かせることによってメスを引きつけ、繁殖を行うのです。
以下が、ヌマガエルの鳴き声になります。
ヌマガエルは毒があるってほんとう?
ヌマガエルは、日本各地の田んぼや湿地に生息する小型のカエルですが、微弱な毒性を持っています。ただし、強い毒ではなく、人間に対して危険を及ぼすほどのものではありません。
ヌマガエルの毒の特徴
ヌマガエルの皮膚には、アルカロイド系の毒素が含まれており、外敵から身を守るための防御機能として分泌されます。
これは、他の多くのカエルと同様に、皮膚の粘液に含まれているもので、捕食者に対して不快な味や軽い刺激を与えることで、食べられるリスクを減らす役割を持っています。
ただし、毒性はそれほど強くなく、ヘビや一部の鳥類などの天敵に対して効果を発揮する程度のものです。
飼い主や人間への影響

ヌマガエルの毒は、皮膚から分泌されるため、素手で触った後に目や口をこすると、軽い刺激を感じる可能性があります。
特に、傷口に触れたり、敏感な部分に粘液がつくと、かゆみやヒリヒリした感覚が起こることがあります。
そのため、ヌマガエルを触った後は、必ず手を洗うようにしましょう。万が一、目に入った場合は、すぐに水で洗い流すことで症状を軽減できます。
ペットや他の生き物への影響
ヌマガエルの毒は、ペット(特に犬や猫)にとっても、基本的には大きな危険を及ぼすレベルではありません。
しかし、興味本位でヌマガエルを舐めたり噛んだりすると、口の中に違和感を覚えたり、軽い中毒症状(よだれを垂らす、吐き出すなど)を起こす可能性があります。
特に、小型のペットは影響を受けやすいため、飼っている動物がヌマガエルに触れないよう注意するのが賢明です。
ヌマガエルの冬眠について
野生化のヌマガエルは冬眠するの?
ヌマガエルは日本各地の湿地や田んぼ、池の周辺に生息しており、冬の寒さをしのぐために冬眠を行います。
特に、気温が10℃以下になると活動が鈍くなり、本格的な寒さが到来すると冬眠に入ります。
野生の個体は、湿った落ち葉の下や泥の中、石の下などでじっとして春の到来を待ちます。
冬眠中は代謝が大きく低下し、ほとんど動かずにエネルギーを節約することで、寒さに耐えます。
また、ヌマガエルは完全に水中で冬眠する種類ではなく、陸上の湿った土の中や腐葉土の下など、ある程度の湿度が確保された環境を選びます。
これは、皮膚呼吸によって酸素を取り入れるため、完全に水に沈むと窒息する可能性があるためです。地域によっては、気温が比較的高く、暖冬の場合は冬眠せずに活動を続けることもありますが、多くの個体は冬の間じっとして過ごすのが一般的です。
飼育下ではヌマガエルに冬眠をさせるべきか
飼育環境では、必ずしもヌマガエルを冬眠させる必要はありません。むしろ、冬眠させることによってリスクが高まるため、通常は冬眠を回避する方が安全です。
冬眠中は代謝が極端に低下するため、栄養不足や低温による体調不良のリスクが高くなります。
特に、冬眠のための準備が十分でない個体(餌を十分に食べていない、体力が低下している個体)は、冬眠中に衰弱してしまう可能性があります。
また、冬眠させる環境を適切に管理しないと、湿度不足や温度の変動によって冬眠が失敗し、カエルが死亡する原因にもなります。
飼育下では、ヒーターを使用して20℃前後を維持することで、ヌマガエルを冬眠させずに冬を越させることが可能です。冬の間は代謝が落ちるため、餌の量を少なめにしつつ、少しずつ与えることで健康を維持できます。
もし、飼育環境で冬眠を試みる場合は、温度を徐々に下げてカエルが自然に冬眠に入るように調整し、適切な湿度と通気性のある床材(腐葉土やヤシガラ土など)を用意する必要があります。しかし、リスクが高いため、特別な理由がない限りは冬眠をさせず、温度管理をして冬でも活動できる状態を維持する方が安全です。
結論として、飼育下のヌマガエルは冬眠を必要とせず、ヒーターを使って温度を管理しながら越冬させるのが最も安全な方法といえます。
ヌマガエルの飼育方法【まとめ】
いかがでしたか?
ヌマガエルは比較的、田んぼや水辺でよくみられる、私たちにも大変馴染み深いカエルです。
毎日、餌をあげて適切な世話をしていれば、懐くほどではありませんが、人慣れもします。
飼育するときには、ここに挙げた特性に気をつけて、なるべくカエルにとってストレスのない環境で一生を送れるように、気を配ってあげましょう。
以上、ヌマガエルの飼育についてお伝えしました。