アマガエルの主なエサは小さな昆虫です。
アマガエルは主に昆虫類を食べる肉食性のカエルで、自然界では小さな甲虫、アリ、シロアリ、ハエなどの小昆虫を捕食します。
飼育下では、コオロギや小さなミールワームを与えるのが一般的です。

これらの昆虫はペットショップで容易に入手可能で、栄養バランスを考慮してカルシウムパウダーを昆虫にまぶして与えることが推奨されます。
カエルに適したサイズの昆虫を選び、定期的に食べさせることで健康を維持することができます。
理想を言えば、コオロギを中心とした昆虫の生餌を与えるのがベストです。

しかし、アマガエルを飼っている方の中には、「アマガエルに虫以外の餌を与えたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
虫を避けたい理由はいろいろあると思いますが、アマガエルに虫以外のエサを与えることはできるのでしょうか?
この記事では、アマガエルの餌に虫以外の選択肢を取り入れる方法や、具体的な餌の与え方について紹介したいと思います。
アマガエルの餌に虫以外を選ぶ理由

アマガエルは自然界では主に生きた昆虫を食べて生活しています。
しかし、飼育下では必ずしも虫を与える必要はありません。
アマガエルは人工餌にも餌付くことができ、栄養バランスの取れたペレットで健康に育てることが可能です。
アマガエルに虫以外を与える最大のメリットは、飼い主にとっての負担軽減と言えるでしょう。
生きた虫を常に用意するのは大変ですし、保管場所や虫の臭いなど、飼育環境にも影響が出ます。
アマガエルの餌として虫以外を選択することで、これらの問題を解消し、より快適にアマガエルを飼育することができるようになります。
アマガエルによっては個体差があり、虫以外をなかなか食べてくれない場合もありますが、根気強く与え続けることで、徐々に慣れて食べてくれるようになることが多いです。
アマガエルの健康状態を見ながら、適切な餌を与えていきましょう。
アマガエルに虫以外のエサを与える方法
アマガエルに限りませんが、カエルは顔の近くで動くものを食べ物として認識するという特性があります。
そのためコオロギなどの生餌をケージ内に入れておけばアマガエルはそのうち餌として食べますが、動かないものであればエサと認識しないため食べません。

自分で動くものしかカエルは餌と認識しないのじゃ。
そのため、自ら動かないものを餌として与える場合は、飼い主がピンセットで掴みカエルの顔の付近で揺れ動かして食べさせます。
これは、コオロギなどの昆虫を冷凍や乾燥にしたものを与える場合も同じで、自ら動きませんので飼育者がピンセットで掴んで動かして食べさせる必要があります。



動かないものを餌にする場合はピンセットで掴み、カエルの顔の付近で動かす事で食べさせるのじゃ。
アマガエルに虫以外に与えられるものとは?
カエル用フード(人工飼料)
カエル用フードは、特にペットとして飼育されるカエルのために開発された専用の人工飼料で、カエルが必要とする栄養をバランス良く含んでいます。
入手も容易ですのでアマガエルに与える昆虫以外のエサとしてはエースとなるでしょう。
人工飼料とは?
人工飼料とは、ペットなどの動物に与えるために人間が工業的に製造した飼料のことです。
主に乾燥して粒状や粉末状にされた成分が含まれており、ペットの栄養ニーズを満たすために様々な成分がバランス良く配合されています。
例えば、穀物、豆類、肉や魚の粉、ビタミン、ミネラルなどが含まれています。
これにより、ペットにとっても、健康的で栄養価の高い食事を提供することができます。
このタイプのフードは、生きた昆虫を与えることが難しい状況で特に便利です。
アカメアマガエルは昆虫だけだと栄養が偏るとも言われてるので色々食べさせてバランスよく育ててあげれば問題ないと思います
— 若草 (@_wkks) August 25, 2018
カエル用の人工フードでも大丈夫ですよ!
バジェットガエルいいですね〜
結構面白い鳴き声ですよね 羨ましいです
フードの形態にはペレットタイプがあり、これは水に入れると軟化し、カエルが消化しやすくなるように設計されています。
これらのフードはペットショップやオンラインストアで入手可能で、飼育環境やケアのスタイルに応じて選択できます。
なお身近なところで探したいところですが、100円均一では販売されていることはないと思います。
一方、ホームセンターでは概ね販売されているのでお近くのホームセンターを探してみると良いでしょう。
冷凍昆虫
また、冷凍保存されたコオロギやミルワーム等の昆虫もペットショップや通販で購入できます。
生餌よりも長期保存が可能で、ある程度栄養価も保たれています。
「虫以外のエサを探しに来てるのに虫じゃないか!」と怒られそうですが、生餌が苦手な飼い主でも冷凍保存されたものなら大丈夫と言う方もいるかと思うので紹介しました。
ただし、栄養価はやはり生餌の方が良く、冷凍保存の過程で栄養価が減少している可能性がありますので注意が必要です。
冷凍の昆虫を食べさせる場合は、必ず解凍してからカエルに与えます。
サプリメント
特定の栄養素を補うための粉末タイプのサプリメントもあります。
粉末のサプリメントは単体で与えるのではなく、個体の餌を与える際に餌にふりかけてカエルに食べさせます。
かつおぶし


かつおぶしは自然界にあるものではありませんから野生のアマガエルはかつおぶしを食べません。
またアマガエルにかつおぶしは与えてはいけないというような書き込みもありますが、飼育下ではアマガエルがかつおぶしを食べた、という報告はいくつも上がっています。
オタマジャクシからアマガエル育てた経験もあります!バケツで飼ってた餌は何故か鰹節だったでも元気に育ってた
— 涙(るい)瑠華(るか)@アイコンけだまるめがねさんのアイコン企画にて描いてもらったもの (@ruiruiandruka) June 5, 2020
何故だろう
しかし、かつおぶしはアマガエルの消化器系に合わず、栄養的にも適していないため、与えるべきではありません。
カエルの健康を考慮して、自然に近い環境で彼らに適したエサを与えることが重要です。
魚肉ソーセージ


アマガエルに魚肉ソーセージを与えることはお勧めできません。
魚肉ソーセージやその他の加工食品には、塩分や添加物が含まれていることが多く、これらはアマガエルの健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
野菜


野菜に関しては、アマガエルは基本的に肉食性なので、積極的に食べることはありません。
しかし、ごく少量であれば、栄養補助として与えることができます。
小松菜やほうれん草などを細かく刻んで、他の餌に混ぜて与えてみましょう。
アマガエルが野菜を食べてくれない場合は、無理に与える必要はありません。
アマガエルの餌は、栄養バランスと嗜好性を考慮して、様々なものを組み合わせて与えることが大切です。
アマガエルの健康状態を観察し、適切な餌を選んであげましょう。
最終的には、アマガエルが好んで食べる餌を見つけることが重要です。
しらす


アマガエルにしらすを与えることは推奨されません。
アマガエルは基本的に小さな昆虫を主食とする肉食性のカエルであり、魚類やその他の動物性タンパク質の源は自然な食餌には含まれていません。
また、しらすのような魚製品は塩分を含む場合が多く、カエルの健康に悪影響を与える可能性があります。
メダカや金魚など小魚
カエルの種類によってはメダカや金魚などの小魚を食べる種類もいるようです。
一方、アマガエルはどうでしょうか。
アマガエルが川や池を平泳ぎしているイメージはあるかもしれませんが、アマガエルは水生のカエルではなく基本は地上で暮らします。
また水面を泳ぐことはあっても深く潜ることは苦手のようですから、野生下でも小魚を食べることはほとんどないと思われます。
強引に食べさせれば食べるかも知れませんが、食べるならOKというものでもなく健康面も考える必要があるためおススメしません。
他のペット用人工飼料は代用できる?


カエル以外のペット用フードが手元にあって、代用できないかと考えている方もいるかも知れませんが基本的にはどれもやめておいた方が良さそうです。
ただし何かのトラブルでいつもの餌が入手困難な場合などの緊急時用の一時しのぎにはなるかもしれませんので、簡単に解説いたします。
ウーパールーパー用人工飼料


ウーパールーパー用の人工飼料は主に動物性タンパク質を含み、沈下性で水中での使用を前提としています。
アマガエルは完全な肉食性であり、小型の昆虫や節足動物を主なエサとするため、動物性成分が含まれるウーパールーパー用フード自体は栄養的に大きくズレてはいません。
しかし、粒が大きすぎる可能性があり、アマガエルが食べられない場合があります。
また、水中でふやける前提の設計なので、陸生のアマガエルに適した食感とは言えません。
さらに、昆虫のキチン質などが不足し、長期的に栄養バランスを崩す恐れがあります。
そのため、代用品としては不向きであり、どうしても試す場合はごく少量で様子を見つつ、栄養バランスを考慮して昆虫などを併用するべきです。
イモリ用人工飼料


イモリ用の人工飼料は動物性成分が多く含まれており、アマガエルの肉食性に近い部分もあります。
しかし、イモリは水生生物のため、エサは水中でふやけやすい設計になっており、アマガエルの捕食には向いていません。
また、イモリのエサには魚粉が多く使われており、アマガエルが必要とする昆虫由来の栄養素が不足する可能性があります。
さらに、人工飼料は主に嗅覚や水中での動きに反応して食べることを想定されているため、アマガエルが興味を持たない可能性が高いです。
どうしても代用する場合は少量を試しつつ、コオロギやミルワームなどの昆虫と組み合わせることが必要です。
金魚用人工飼料


金魚用の人工飼料は主に植物性成分と動物性成分(魚粉)が含まれていますが、アマガエルの食性とは異なります。
特に、金魚用フードには小麦粉などの炭水化物が多く含まれており、完全肉食のアマガエルにとって消化しづらい可能性があります。
また、アマガエルは動くものにしか反応しないため、静止したエサには興味を示さないことが多く、食べない可能性があります。
さらに、長期的に与えると栄養不良になるリスクが高いため、金魚のエサはアマガエルの代用品として適していないといえます。
どうしても使用する場合は、一時的な補助としてごく少量与え、昆虫など本来のエサを併用するべきです。
メダカ用人工飼料


メダカ用の人工飼料は金魚用と同様に、植物性の成分が多く含まれています。
アマガエルは肉食性であり、昆虫や小型の無脊椎動物を食べるため、メダカ用のフードでは栄養が偏ってしまいます。また、メダカのエサは水中に浮くように設計されており、陸生のアマガエルには食べにくい形状です。
さらに、動かないエサには反応しづらく、食いつきも期待できません。
消化不良や栄養不足のリスクが高いため、メダカ用フードをアマガエルのエサとして使うのは避けるべきでしょう。
どうしても使用する場合は補助的なものにとどめ、本来の昆虫食を主体とすることが重要です。
熱帯魚用人工飼料
熱帯魚用の人工飼料は主に動物性たんぱく質と植物性成分が含まれていますが、アマガエルの肉食性には適していません。
特に、熱帯魚のエサには色揚げ成分(カロチノイド)や植物由来の栄養素が多く含まれており、アマガエルの栄養バランスを崩す可能性があります。
また、水中で溶けやすく設計されているため、陸生のアマガエルにとって食べにくい形状です。
さらに、アマガエルは動かないエサに興味を持たないため、食いつきも悪いと考えられます。
長期的に与えると栄養不良や消化不良になるため、熱帯魚用のエサは代用品として適していません。
カメ用人工飼料
カメ用の人工飼料は主に植物性成分が多く含まれており、肉食性のアマガエルには適していません。
特に、カメのエサには野菜由来の繊維質が多く含まれているため、アマガエルの消化に適さず、消化不良を引き起こすリスクがあります。
また、カメのエサは水中で食べることを想定されているため、陸生のアマガエルには適した形状ではありません。
アマガエルの健康維持には昆虫食が最適なため、カメ用のエサを代用品とすることは避けたほうが良いでしょう。
トカゲ用人工飼料
トカゲ用の人工飼料は昆虫成分を多く含むものもありますが、基本的には乾燥しており、アマガエルが好む動くエサとは異なります。
アマガエルは視覚に頼って捕食するため、動かないエサには興味を示さないことが多いです。
また、トカゲ用のエサには爬虫類向けのカルシウム強化成分が含まれている場合があり、アマガエルには適さない可能性があります。
短期間であれば代用可能な場合もありますが、基本的には昆虫を主体とした食事が必要です。
ヤモリ用人工飼料
ヤモリ用の人工飼料には昆虫由来の成分が多く含まれるものもありますが、多くはジェル状または乾燥タイプであり、アマガエルには適しません。
アマガエルは生きたエサに反応するため、静止したジェルや乾燥フードには興味を持たないことがほとんどです。また、長期間与えると栄養バランスが偏る恐れがあるため、代用品としての使用は避けるべきです。
ドッグフード
ドッグフードには肉成分が含まれますが、炭水化物や植物性成分が多いため、アマガエルには適していません。
また、脂肪分が多く消化不良の原因になる可能性があります。アマガエルの長期的な健康を考えると、ドッグフードの使用は避けたほうが良いでしょう。
キャットフード
キャットフードは動物性タンパク質が豊富ですが、アマガエルの食性には適していません。
消化不良や栄養バランスの乱れを引き起こす可能性が高く、代用品としては不適切です。
アマガエルの餌に虫以外を与えたい【まとめ】
アマガエルのエサは虫以外であればカエル専用フードがおすすめです。
それ以外のかつおぶしや野菜、シラスなど本日この記事で紹介したもの以外にも、家にあるものを与えたくなるかもしれませんが、基本的にはおすすめできません。
与えれば食べる可能性はありますが、食べるからと言って与えて健康的に飼育できるかと言えばそれはまた別の話です。

