ウーパールーパーの呼吸方法を解説!エラ呼吸・それとも肺呼吸なの?

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不思議生物と呼んでもいいような変わった見た目のウーパールーパーですが、実際はカエルやイモリと同じ両生類の仲間です。

普通、両生類は肺呼吸と皮膚呼吸なのですが、ウーパールーパーは主にエラ呼吸で生活しています。

顔の両サイドについているヒラヒラが、「外鰓」と呼ばれるエラなのです。


一応、原始的な肺を使った空気呼吸もできますが、水中の酸素が少なくエラ呼吸ができない場合の緊急用なので、ウーパールーパーが水面で空気を吸う動作を多く見せたら、水中の酸素不足を疑いましょう。

今回は、ウーパールーパーの呼吸についてご紹介します。

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目次

ウーパールーパーとは?

ウーパールーパーは、メキシコ原産の両生類で、正式には「メキシコサンショウウオ」と呼ばれています。

最大の特徴は「ネオテニー(幼形成熟)」という性質で、幼生の姿のまま大人になり、繁殖が可能になる点です。

通常の両生類は成長とともに姿を大きく変えますが、ウーパールーパーは外見がほとんど変わらず、フサフサとした外鰓を持ったまま一生を過ごすのが一般的です。

また、再生能力に非常に優れており、手足や尾だけでなく、心臓や脊髄、脳の一部までも再生できることが確認されており、再生医療の研究対象としても注目されています。

体の色にはさまざまなバリエーションがあり、野生種は黒っぽい色合いをしていますが、ペットとして流通しているものには白色や金色、ピンクなどのアルビノ種や品種改良された個体も多く存在します。

性格はおとなしく、人に懐くことはありませんが、水槽越しに近寄ると寄ってくることもあり、その愛らしい動きが多くの飼育者に親しまれています。

飼育下では比較的丈夫で、適切な水質と温度を保てば長寿命で、10年以上生きる個体も珍しくありません。

日本では1980年代に一大ブームを巻き起こし、「ウーパールーパー」という愛称が広く定着しましたが、これは商品名であり、正式な学名とは異なります。

現在、野生の個体数は激減しており、絶滅危惧種として保護対象になっています。

ウーパールーパーの呼吸方法とは?

学校の理科で習った方も多いと思いますが、基本的に両生類は肺呼吸です。

皮膚を常に湿った状態に保つことで皮膚呼吸を行い、それで足りない分を肺呼吸で補っています。

皮膚呼吸と肺呼吸の割合は同じ両生類でも種類によって違い、陸生に近ければ近いほど、運動量が多ければ多いほど肺呼吸の割合が多くなる傾向があります。

ところが、ウーパールーパーは水中生活なので、ほとんど肺呼吸をしません。
魚と同じエラ呼吸です。

では、そのエラはどこにあるかといえば、顔の両サイドについているヒラヒラがエラなのです。

ウーパールーパーは主に水中生活をするので肺呼吸は行わず、魚と同じくエラ呼吸をおこなう

外鰓(ソトエラ)とは?

魚の場合、エラは体内に格納されていますが、ウーパールーパーのエラは外に飛び出しています。

そのため、このエラは「外鰓(ソトエラ)」と呼ばれます。

カエルの幼生、つまりオタマジャクシは、魚と同じようにエラが体内に格納されていますが、イモリやサンショウウオの幼生は体の外側についています。

成長と共にこのエラが吸収され、肺が発達して上陸するようになります。

この成長に伴う変化のことを「変態」と呼びますが、ウーパールーパーは変態が途中で止まったまま成熟した生き物です。

はかせ

ウーパールーパーは成熟しても幼体の姿のままで、他の両生類のように姿を変えることなく生涯を終える珍しい生物

そのため、大人になっても幼生の特徴である外鰓(ソトエラ)も残ったままで、呼吸もエラ呼吸のままなのです。

エラ呼吸がメインですので、魚と同じく基本的には水中で暮らし、水中で生涯を終えます。

例外的にウーパールーパーが肺呼吸メインになることもある

かなり稀ではありますがウーパールーパーも陸での生活ができるように陸化する個体もいます。

陸化したウーパールーパーの個体は変態の過程で鰓(エラ)が無くなりエラ呼吸から肺呼吸メインへと切り替わります。

はかせ

レアケースではあるが、ウーパールーパーが上陸できるよう変態を行うこともある。

陸化したウーパールーパーは呼吸が肺呼吸メインとなるため、前までは得意だった泳ぎが苦手となり水中では溺れるリスクすらあります。

ウーパールーパーが呼吸困難になる?

先に紹介したとおり、ウーパールーパーはエラ呼吸なので、水中の酸素が不足すると呼吸困難になってしまいます。

金魚を飼ったことのある方ならわかるかもしれませんが、魚は水中の酸素が不足すると、水面で口をパクパクさせます。

これは、口から空気を吸い込み、浮き袋で酸素を吸収しようとするためです。

肺ではないので肺呼吸とは呼びませんが、仕組みとしては似ています。

ウーパールーパーも、水中の酸素が不足すると同じ行動を見せます。

くねくねと泳いで水面まで行き、口から空気を取り込むのです。

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ウーパールーパーも魚と同様に、水中の酸素量が減ると、水面に上がって口をパクパクさせる。

特に環境に不備がない場合でもときどき行う行動なので、必ずしも酸欠で苦しんでいるとは限らないのですが、空気呼吸の頻度が高いようなら、水中が酸欠状態になっている可能性があります。

そのままにしておくと、エラの末端が壊死してしまい、気づくと徐々に溶けて短くなっていることがあります。

また、空気呼吸の際にうまく浮力の調整ができず、自力で沈めなくなってしまうこともあります。

さらに、水中の酸素が不足すると、ウーパールーパーが呼吸しにくくなるだけでなく水質も悪くなるので注意が必要です。

もし、飼育しているウーパールーパーが頻繁に水面で呼吸するようになったら、すぐに水換えをして、たくさんの空気を含んだ新鮮な水に換えてやりましょう。

また、一時的にでもエアポンプをつけてやるといいでしょう。

ウーパールーパーのエラをふさふさ大きくするには?

ウーパールーパーの呼吸方法は主にエラ呼吸で、そのエラとはウーパールーパーの特徴でもある顔のふさふさであることが分かりました。

なおこのウーパールーパーのエラは個体によって大きくふさふさしていたり、しょぼんと小さく元気がないこともあります。

どうすればウーパールーパーのエラをふさふさと元気にすることができるのでしょうか?

ウーパールーパーのエラをふさふさに保つためには、健康的な環境を整えることが大切です。

エラは水中の酸素を取り込む大切な器官であり、状態が悪くなると細く縮んだり、色が悪くなったりすることがあります。

水温は低め

まず、水温は低めを保つのが理想で、15〜20℃くらいが最適とされています。

水温が高くなると代謝が上がり、体に負担がかかることでエラがしょぼんとしてしまうことがあるため、特に夏場は水温管理に気を配る必要があります。

水質を清潔に保つ

また、水質も大きく影響します。

フンや食べ残しなどが溜まるとアンモニアや亜硝酸といった有害物質が発生し、これがエラにダメージを与えてしまいます。

フィルターを使ったろ過をしっかり行い、定期的に部分的な水換えをすることで清潔な水環境を保つことが重要です。

酸素をしっかり供給

さらに、水中の酸素量を十分に保つことも、ふさふさのエラには欠かせません。

酸素が不足するとウーパールーパーは肺呼吸に頼るようになり、それによりエラが使われなくなって退化することがあります。

そのため、エアレーションでブクブクと酸素を供給することが効果的です。

ストレスを減らす

飼育環境がうるさすぎたり、水流が強すぎたり、照明が明るすぎたりすると、ウーパールーパーにとってはストレスとなり、それもまたエラの状態を悪化させる原因になります。

できるだけ落ち着いた静かな環境で飼育することが求められます。

栄養バランスの良い餌

そして、毎日の食事も重要です。高たんぱくで消化の良い餌を与えることで、体全体の健康が保たれ、それがエラの状態にも反映されます。

これらの条件が整えば、しょぼんとしぼんでいたエラが次第にふさふさと元気を取り戻すことも期待できます

ウーパールーパーの呼吸の方法を解説!【まとめ】

いかがでしたか。

今回はウーパールーパーの呼吸方法について徹底解説しました。

ウーパールーパーは、その愛らしい見た目とユニークな生態で人気のある両生類ですが、呼吸の仕組みも非常に興味深い特徴のひとつです。

普段は水中で暮らしており、頭部から外に突き出したフサフサの外鰓を使ってエラ呼吸を行っています。

これは水中に溶け込んだ酸素を効率よく取り込むための構造で、ウーパールーパーらしい姿を象徴する大切な器官です。

しかし実は、彼らは肺も持っており、必要に応じて空気を吸いに水面に浮かび上がることもあります。

これは水中の酸素が不足しているときや、エラの機能が一時的に落ちているときなどに見られる行動で、肺呼吸はあくまで補助的なものとされています。

また、特別な条件下では陸化することがあり、その場合はエラが退化し、肺と皮膚による呼吸が主な手段となります。

陸化した個体は完全に水中生活をやめ、陸上での生活に適応するため、飼育環境も大きく変える必要があります。

こうした多様な呼吸方法を理解しておくことは、ウーパールーパーを健康に飼育するうえで非常に重要です。

水質や酸素量、温度などの環境によって呼吸のバランスが変わることを知っていれば、異常行動の早期発見にもつながります。

ウーパールーパーの呼吸の仕組みをしっかりと理解し、彼らにとって快適な環境を整えることが、長く元気に育てるための第一歩と言えるでしょう。

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