ウーパールーパーは何類・何科?両生類なのに水中で暮らす理由も徹底解説!

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ウーパールーパーは、どこか不思議でかわいらしい見た目から「ウーパールーパーは何類の生き物なの?」と疑問に思われることがよくあります。

トカゲや魚のようにも見えるけど、じつはウーパールーパーは両生類

カエルやイモリの仲間なのです。

本記事では、そんなウーパールーパーが両生類である理由や、なぜ水中だけで生活するのかといった疑問について、わかりやすく解説します。

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目次

ウーパールーパーは何類の答えは両生類!その理由は?

ウーパールーパーは「両生類」

ウーパールーパーは見た目こそ魚や爬虫類に似ていますが、分類上は両生類に属します。

両生類とは、水中と陸上の両方に適応できる動物たちのこと。カエルやイモリも同じ仲間です。

ちなみに両生類とは、その一生の中で、水中生活(幼生期)と陸上生活(成体期)の両方を経験することが特徴です。

分かりやすい所で説明すると、オタマジャクシは水中で生活しエラ呼吸をしますが、成長してカエルになると陸上生活が中心です。

幼生期:水中生活
成体期:陸上生活

水中と陸上の両方で生活する特徴から両性類と言われるのです。

よく爬虫類と並べて語られますが、実際には爬虫類よりも魚に近い生き物だと考えられています。

その両生類の中でも、カエルは尾がないので「無尾類」、イモリやサラマンダーは尾があるので「有尾類」と分けられています。

さらには足がない「無足類」もいますが、今回のテーマであるウーパールーパーは有尾類、つまりイモリやサラマンダーの仲間です。

はかせ

ウーパールーパーはカエルと同じく「両生類」という分類になるのじゃ。

余談ではありますがウーパールーパーはオオサンショウウオになる?と誤解されている方が多数いらっしゃいますがなりません。サンショウウオというグループでは同じですが、メキシコ産と日本産という時点で別物です。

ウーパールーパーは何科?

ちなみに、ウーパールーパーの分類をもう少し詳しく見ていくと、「両生類 > 有尾目 >トラフサンショウウオ科トラフサンショウウオ属」に属します。

ウーパールーパーはその中でも「メキシコサンショウウオ」という種にあたり、正式な学名は**Ambystoma mexicanum(アンビストマ・メキシカヌム)**です。

サンショウウオ科ではない点は意外かもしれませんが、これは分類学上の事情で、日本のオオサンショウウオ(Cryptobranchidae:オオサンショウウオ科)とは別系統になります。

ウーパールーパーは両生類なのに水中でしか生活しないのはなぜ?

ウーパールーパーは見た目こそ魚や爬虫類に似ていますが、分類上はカエルやイモリと同じ両生類に属します。

両生類とは、本来水中と陸上の両方で生活する能力を持つ生き物のこと。

幼生期は水の中でエラ呼吸をし、成体になると肺呼吸で陸に上がる…というのが典型的なライフサイクルです。

ところが、ウーパールーパーはずっと水の中。

エラをつけたまま、陸にも上がらず、一生を水中で過ごします。

この「両生類のはずなのに、なぜ?」という疑問のカギが、ネオテニー(幼形成熟)という特殊な特徴です。

本来、サンショウウオの仲間は変態を経て陸に上がるような姿になりますが、ウーパールーパーは幼体の姿のまま性成熟して繁殖できるという進化的特徴を持っています。

つまり、見た目は子どものままでも中身は大人。

だから一生水中生活を送るのです。

なお、条件によっては陸上に上がる成体に変化する個体もいます。

水温・水位・ホルモンバランスなどが影響して「変態」が起き、肺呼吸・皮膚呼吸主体の陸上型サラマンダーに姿を変えるのです。(詳しくは後述)

このように、本来は陸に上がるポテンシャルを持ちながら、環境や進化の過程で“あえて”水中生活を選んでいるのがウーパールーパー。

だからこそ、分類上はしっかり「両生類」なのです。

ウーパールーパーの陸化について

しかし例外的にウーパールーパーが大人の体に成熟することはあります。

はっきりとしたメカニズムは分かっていませんが、水深を浅くするなどある条件を満たすと、形態変化が起きて普通のサラマンダーになってしまうこともあるのです。

参考ツイート

上の参考ツイートの画像を見ていただくと分かる通り、もともとのウーパールーパーとは全然見た目が違いますよね。

この場合、ウーパールーパーは今までの水生生活から陸上生活へと生活場所を変更します。

つまり、皆様が一般に思い描くウーパールーパーの姿は「メキシコサンショウウオのネオテニー個体」ということになります。

このように例外的にではありますが、一部のウーパールーパーが大人の姿へ変わり、陸上生活を行うためウーパールーパーは両生類と分類されているのです。

野生のウーパールーパーはどこにいる?絶滅危惧種としての現状

ウーパールーパーは、メキシコのごく限られた地域にのみ生息しています。

その主な生息地は、メキシコシティ南部にある「ソチミルコ湖」およびその周辺の運河地帯です。

このソチミルコ湖は、もともと巨大な湖の一部でしたが、都市開発や農地拡大によって干上がり、多くの水路に分断されてしまいました。

現在では「ソチミルコ運河」と呼ばれる細い水路網がウーパールーパーの主な生息地となっています。

しかしこの地域も年々開発が進み、水質悪化や外来種(ティラピアやコイなど)の侵入によって、ウーパールーパーの野生個体数は激減しています。

国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは、「絶滅危惧種(CR=Critically Endangered)」に指定されており、野生での生存は非常に危うい状況です。

実際、野生のウーパールーパーに出会うのは非常に困難で、今では研究者が何年もかけて探してようやく数匹確認できるレベルにまで減少しています。

野生のウーパールーパーを本当に見たいなら、メキシコのソチミルコを訪れて、地元のエコツアーに参加するしかありません。

ただし、それでも必ず見られるわけではなく、野生個体は年々幻の存在になりつつあるのが現状です。

他にもいる?ネオテニーな動物たち

ネオテニー(幼形成熟)は、ウーパールーパーに限らず一部の生物で観察されています。

たとえば、昆虫の中ではホタルの一種などが有名です。

これらの虫は幼虫のような体のまま性成熟し、繁殖を行うため、まさにネオテニーの代表例と言えるでしょう。

また、生物学的に明確な証拠はないものの、進化学や行動学の分野では、人間や犬といった哺乳類の一部にも「ネオテニー的な進化が起こった可能性がある」とする説もあります。

たとえば、犬がオオカミの幼体的な行動や顔つきを成体になっても残している点や、ヒトがチンパンジーに比べて丸顔・大きな目などの“幼児的特徴”を維持している点などがその根拠とされています。

ただし、これらはあくまで一説に過ぎず、科学的に明確な分類ではありません。

その点、ウーパールーパーや一部の昆虫は、まさに生物学的に見てもはっきりと「ネオテニー個体」といえる存在です。

両生類の生き物は?

順番が前後してしまいますがここで改めて両生類という生き物についても解説します。

両生類は以下の3種類が代表格です。

  • カエル
  • イモリ
  • サンショウウオ

カエルは身近でよく見かけるでしょうから、皆さんもよく分かるでしょう。

ところがイモリとサンショウウオは見た目の姿も生態も実はよく似ていて「何がどう違うねん!」と突っ込みたくなるレベルです。

カエルの特徴

カエルは両生類の代表的な生き物で、湿った環境を好みます。

幼生期は水中でオタマジャクシとして生活し、エラ呼吸を行いますが、成体になると肺呼吸に変わります。

後ろ足が発達しており、跳躍力が高いため、敵から逃げる際に有利です。

皮膚は湿っており、粘液を分泌して乾燥を防ぐとともに、酸素を取り込む役割も果たしています。

餌は主に昆虫や小動物で、舌を素早く伸ばして捕食します。種類によっては毒を分泌するカエルもいます。

イモリの特徴

イモリは水陸両用の生活を送る両生類で、主に水中で活動します。

幼生期にはエラ呼吸を行いますが、成長すると肺呼吸に変わり、皮膚からも酸素を吸収します。

尾が発達しており、水中での泳ぎに適しています。

特筆すべきは、強い再生能力で、失った尾や脚、さらには内臓までも再生できます。

毒性を持つ種も多く、特にアカハライモリはテトロドトキシンという猛毒を分泌します。

視覚と嗅覚が鋭く、餌は主に小型の水生生物です。

サンショウウオの特徴

サンショウウオは水中生活を基本とする両生類で、多くの種類が成体になっても水中でエラ呼吸を続けます。

陸上生活を送る種類も存在し、これらは肺呼吸に切り替わります。

サンショウウオの1種であるウーパールーパー(メキシコサンショウウオ)は、ネオトニー(幼形成熟)という特殊な性質を持ち、幼生のまま繁殖できるサンショウウオの一例です。

皮膚は湿潤で、酸素の交換も可能です。

動きは比較的ゆっくりで、主に水生生物や小動物を捕食します。

再生能力も高く、尾や四肢を再生します。

ウーパールーパーの平均寿命は?

癒しのペットとして人気のウーパールーパーですが、意外にも長寿な生き物だということを知っていますか?

飼育下では、平均すると8年程度、長いものでは20年近く生きる個体もいます。

もともと代謝が低い生き物なので、その分寿命も長くなる、と考えられています。一方、数年で死んでしまった、という話もよく聞きます。

長寿の秘訣はずばり、食事です。

今回は、ウーパールーパーの寿命と長生きの秘訣についてご紹介します。

先に述べた通り、ウーパールーパーは本来、長生きする生き物です。

平均して7~8年程度は生きるとされています。

もともと、両生類の中でもウーパールーパーを含むイモリ・サンショウウオの仲間は長寿のものが多く、日本在来のアカハライモリなども大きさの割に長生きします。

オオサンショウウオなど大型種では100年生きるとまでいわれているほどです。

100年ではないにしても、ウーパールーパーも大切に飼えば、10年くらい付き合うことのできるペットだといえます。

ウーパールーパーは飼育下での寿命は短い?

一方で、「せっかくウーパールーパーを飼い始めたのにすぐに死んでしまった」という声もよく聞かれます。

ときどき、自然環境なら長生きするけど飼育すると早死にする、といった意見もみられますが、そうではありません。

基本的には、外敵や環境変化にさらされる自然環境よりも、安定した環境で外敵もいない飼育環境のほうが長生きします。

野外では寿命を調べにくい、という事情もあるものの、長寿記録は飼育個体のものがほとんどです。

ただし、適切な飼育環境でないと、確かに寿命を全うすることはできません。

たとえ数年間は元気に過ごしているように見えても、適した飼育環境でないと徐々にストレスが蓄積し、体調を崩して死んでしまいます。

飼育下で早死にしている個体はたいてい、このパターンです。

ウーパールーパーを長生きさせる秘訣

では、ウーパールーパーを長生きさせるための秘訣をご紹介します。

まずは、適切な飼育環境で飼うことです。

水温は低めにし、きれいな水で飼いましょう。

特に注意が必要なのは夏場です。

高水温では水が傷みやすく、酸欠にもなりやすくなってしまいます。

できればエアコンを効かせた部屋で、フィルターやエアレーションを使って飼育しましょう。

また、長生きさせたいのなら単独飼育しましょう。

複数で飼育するとどうしても、ケンカして傷つけあってしまい、余計なエネルギーを使ってしまいます。

またウーパールーパーは共食いすることもあるので、単独飼育であれば確実に共食いのリスクをゼロにできます。

一匹だけでのんびり暮らせるようにしたほうが長生きします。

そのうえで、一番大事な秘訣があります。

それは、粗食です。

もちろん成長期にはどんどん食べさせるべきですが、ある程度大きくなったら餌は数日に一度、数分で食べつくす量にしましょう。

おそらく、飼育下のウーパールーパーが早死にしてしまう最大の原因は食べさせすぎによる肥満です。

本来はそんなにたくさんの餌に恵まれた環境には住んでいないので、毎日満腹にさせる必要はないのです。

いつ見ても餌を欲しがるくらいがちょうどいいので、餌のあげすぎに注意しましょう。

ウーパールーパーは絶滅危惧種!?

ウーパールーパーは爬虫類ショップはもちろん、熱帯魚ショップ、デパート、ホームセンターなど、あらゆる場所で販売されているペットです。

それでは、野生のウーパールーパーを見たことはありますか?

実は、ウーパールーパーの原産地はメキシコのごく一部、標高の高い冷涼な場所の湖にしか生息していません。

環境変化の影響で個体数が減っており、国際的に絶滅危惧種として保護され、野生個体が流通することはまずないのです。

ただし、飼育も繁殖も簡単なので人の手でたくさん殖やされ、ペットとして販売されています。

はかせ

野生のウーパールーパーが見つかるのはメキシコだけなのじゃ。

ウーパールーパーには別名がある!?

実は、「ウーパールーパー」は日本人が考えた造語です。

由来はよくわかっていませんが、よく売れそうな商品名として考案された名前のようです。

そのため、ウーパールーパーという名前が通用するのは日本人だけです。

現地の言葉では「アホロートル」と呼ばれています。

由来は古代アステカの言葉で「水遊び」という意味のようです。

日本人にはあまり聞こえがよくないのでなじみがありませんが、「水遊び」といわれるとウーパールーパーにぴったりですね。

生物としての正式名称は「メキシコサンショウウオ」または「メキシコサラマンダー」です。

日本語での正式名称(標準和名)は「メキシコサンショウウオ」となります。

はかせ

ウーパールーパーが一般的になっているがこれは通名であって正式名称ではないのじゃ。

ウーパールーパーは何類なの?【まとめ】

ウーパールーパーが何類かとの疑問については両生類でした。

ウーパールーパーは、両生類の中でも特にユニークな生き物です。

幼体の姿のまま成体になる「ネオテニー」や、水中生活に特化したライフスタイルなど、知れば知るほど奥深い魅力があります。

適切な環境と食事管理を心がければ、10年近く一緒に暮らすことも可能です。

飼育を検討している方は、ぜひ正しい知識を身につけて、大切なパートナーとして長く付き合っていきましょう。

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