ウーパールーパーをじっと見つめていると、ふと
「ウーパールーパーってまばたきって、してるのかな?」
と気になることはありませんか?
つぶらな瞳でこちらを見つめ返してくるその姿に、不思議さと可愛さが入り混じって、ますます目が離せなくなりますよね。
この記事では、ウーパールーパーがまばたきをするのかどうか、そしてその目の仕組みについて、他の生き物と比較しながら分かりやすく解説していきます。
ウーパールーパーはまばたきするの?

結論から言うと、ウーパールーパーはまばたきをしません。
人間や犬、猫のようにまぶたをパチパチ動かすことはなく、目を開いたままじーっとしています。
では、なぜまばたきをしないのでしょうか?
それには、ウーパールーパーの目の構造と、水中での生活スタイルが深く関係しています。
まぶたがない?ウーパールーパーの目の秘密
ウーパールーパーの目には、私たちが持っているような「動くまぶた」がありません。
実は、上下のまぶたそのものが存在していないのです。
代わりに、目の表面は透明な皮膚のような膜で覆われており、外敵からの攻撃や汚れから守られています。
この膜は涙でうるおす必要がないため、まばたきという動作そのものが必要ないのです。
水中で生きる生き物ならではの進化
ウーパールーパーは基本的にずっと水の中で暮らす生き物です。
水中では空気が乾燥していないため、目が乾く心配がありません。
そのため、進化の過程でまばたきをする必要がなくなり、まぶたを持たない構造へと変化したと考えられています。
じっとしているけど、ちゃんと見えてる?
「まばたきしないと、目が見えなくなったりしないの?」
そう疑問に思う方もいるかもしれませんが、ウーパールーパーの目はちゃんと機能しています。
ただし、視力はあまり良くありません。
動くものには反応しますが、止まっているものは認識しにくいと言われています。
そのため、餌をあげるときも、ゆっくりと動かすとパクっと食いついてくれることがあります。

陸化したウーパールーパーにはまぶたができるの?
ウーパールーパーは基本的に水中で一生を過ごす生き物ですが、まれに陸化(りくか)する個体が存在します。
これは環境の変化やホルモンの影響によって、カエルのような(見た目はイモリに近いです。)陸上型の姿に変態する現象です。
「それなら陸に適応するために、まぶたもできるのでは?」と思われるかもしれませんが、答えはNOです。
陸化したウーパールーパーにも、まぶたは形成されません。

陸化しても目の構造は変わらない
陸化により、
- 外えらが退縮し、肺呼吸がメインになる
- 皮膚が厚くなる
- 四肢がしっかりして、陸上を歩けるようになる
といった変化は起きますが、目の構造、特にまぶたの有無は変化しません。
ウーパールーパーはサンショウウオの仲間であり、種としてまぶたを持たない性質を受け継いでいるためです。
陸上生活に不利な理由
まぶたがないまま陸に出ると、目が乾燥しやすくなり、異物が入りやすくなります。
これは本来水中で保護されている目にとっては大きな負担であり、陸化したウーパールーパーは寿命が短くなる傾向があるとも言われています。
飼育上の注意点
陸化個体は飼育も難しく、
- 温度・湿度の管理
- 肌の乾燥対策
- 餌の調整
などが非常に繊細になります。
そのため、意図的な陸化はあまり推奨されておらず、水中飼育を続けることが一般的です。
他の生き物との比較:まばたきする?しない?
他のサンショウウオとの比較
ウーパールーパーは「メキシコサンショウウオ」の仲間ですが、実はサンショウウオ全体を見ても、まばたきをする種は存在しません。
多くのサンショウウオは、ウーパールーパーのように水中で生活していますが、種類によっては陸上で暮らすものもいます。
しかし、陸上型のサンショウウオでも、まぶたが動くわけではないため、やはりまばたきはしません。
つまり、サンショウウオ全般はまぶたを持たない=まばたきしないという点で共通しているんですね。
カエルとの比較

カエルは両生類で、ウーパールーパーと同じグループに入りますが、まばたきができる生き物です。
カエルには下まぶたと瞬膜(しゅんまく)という透明な膜があり、目を守ったり、水中で目を覆ったりするために使います。
また、カエルはエサを飲み込むときにも、まぶたを使って目を押し込むような動きをします。
これはカエル特有の動きです。
ただし、カエルにも「子ども時代」があります。
オタマジャクシのときは、まぶたがありません。
目は頭の横についており、魚のように水中に特化した目をしています。まばたきも不要なので、その構造も持っていません。
ところが、オタマジャクシが変態してカエルになるとき、
- 目の位置が上向きに移動
- まぶたや瞬膜が形成され
- 陸上生活にも対応できるようになる
という変化が起こります。
つまり、カエルのまぶたは成長とともに作られる機能であり、両生類の進化の過程を感じられるポイントでもあります。
イモリとの比較

イモリも両生類で、ウーパールーパーとよく混同されがちですが、分類的には少し違います。
イモリは主に陸上と水中を行き来する生き物で、まぶたがあり、まばたきもできます。
特に陸上で活動するイモリは、空気の乾燥から目を守る必要があるため、まばたきをして目の表面を保護しています。
一方で、水中にいるときはまばたきの回数が減る傾向にあります。
つまり、イモリはまぶたとまばたきの機能を持っており、陸上での生活に適応しているのです。
魚との比較:例外もある「まぶたの世界」

水中で暮らす魚たちも、基本的にはまぶたを持たず、まばたきはしません。
これは水の中で目が乾かないためで、ウーパールーパーと同様の理由です。
しかし、中には「まぶたのような機能」を持つ魚も存在します。
- サメの一部(例:ホホジロザメ)は、「瞬膜」と呼ばれる膜を目にかぶせて守ることができます。これはまばたきとは異なりますが、攻撃時などに目を保護する役割を果たしています。
- エイやカスザメなどの底生魚は、目の上に動かないヒダ状の皮膚を持ち、砂や異物から目を守っている場合があります。
つまり、魚類の中にも「まばたきしないけど、まぶた的なものを持つ」生き物がいるんです。
比較まとめ表
生き物 | まばたきの有無 | まぶたの有無 | 特徴 |
---|---|---|---|
ウーパールーパー | ✕ | ✕ | 水中生活に特化、まぶたなし |
他のサンショウウオ | ✕ | ✕ | 種類問わずまぶたなし |
カエル(成体) | ○ | ○(瞬膜あり) | 陸上に適応、エサを飲み込むときに目を押し込む |
オタマジャクシ | ✕ | ✕ | 水中生活に特化、まぶた未形成 |
イモリ | ○ | ○ | 陸上生活に対応、まばたきできる |
サメ(種類による) | ✕ | ✕(※瞬膜あり) | 瞬膜で目を保護(例:ホホジロザメ) |
エイ・カスザメ | ✕ | ✕(※ヒダあり) | ヒダで目を守る |
まとめ
- ウーパールーパーはまばたきをしない。まぶたも存在しない。
- その理由は、完全に水中で生活しており、目が乾かない環境に適応しているため。
- サンショウウオ全体もまばたきをしないが、カエルやイモリは陸上に適応するためにまぶたとまばたき機能を持っている。
- オタマジャクシにはまぶたがなく、カエルへの変態の過程で初めてまぶたが形成される。
- 魚類もまぶたを持たないが、例外的に瞬膜や保護膜を持つ種もいる。
ウーパールーパーのつぶらな瞳が動かないのは、決して無表情だからではなく、水中生活に適応した「完成されたデザイン」だからこそ。
その目には、進化の過程と自然の知恵がぎゅっと詰まっているのです。