ウーパールーパーとドジョウ、どちらもユニークな姿と穏やかな性格で人気のある水生生物です。
見た目のかわいらしさから、同じ水槽で一緒に飼ってみたいと思う方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際に混泳させるとなると、見た目だけでは分からない注意点やリスクが存在します。
この記事では、ウーパールーパーとドジョウの混泳について、飼育者目線でわかりやすく解説していきます。
混泳を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
\ ウーパールーパーの飼育に関する /
まとめページは以下より
ウーパールーパーの飼育まとめ
ウーパールーパーとドジョウの混泳は可能?
一見、相性が良さそうに見える
ウーパールーパーとドジョウを同じ水槽で飼う、いわゆる混泳は、一見すると性格や好む環境が似ているように思えるため可能に思えるかもしれません。
たとえば、どちらも温和で攻撃性が低く、底の方で過ごす時間が多いことや、水温も20℃前後の涼しめな環境を好むといった共通点があります。
これらの要素から「仲良くやっていけそう」と考える飼育者も多いですが、実際にはいくつかの問題点があり、混泳には注意が必要です。
混泳が難しい理由
ウパの捕食本能
まず最も大きな問題は、ウーパールーパーが捕食本能を強く持っていることです。
ウーパールーパーは動くものや口に入る大きさのものを本能的に餌とみなしてしまいます。
そのため、ドジョウがウーパールーパーより小さい場合、ある日突然パクっと食べられてしまう可能性があります。
ドジョウの動きがストレスに
また、ドジョウは非常に素早く、夜行性でもあるため、水槽内を活発に泳ぎ回ります。
これがウーパールーパーにとっては刺激となり、強いストレスの原因になることがあります。
ウーパールーパーはストレスに弱い生き物で、ちょっとした環境の変化でも食欲が落ちたり体調を崩したりします。
水質や飼育環境の違い
さらに、水質管理の面でも問題があります。
ウーパールーパーは排泄物が多く、水をすぐに汚してしまう傾向がありますが、水質の悪化はドジョウにとっても大きな負担になります。
ウーパールーパーが快適に過ごせるように頻繁に水換えや濾過を行っても、それがドジョウにとっては急激な環境変化となり、逆に体調を崩す要因になることもあります。
餌の問題
また、餌に関しても両者の習性は異なります。
ウーパールーパーはゆっくりと沈むタイプの餌を好みますが、ドジョウはすばやく餌を見つけて食べてしまうため、ウーパールーパーが満足に餌を食べられなくなることがあります。
こうした習性の違いから、餌の時間や種類にも細かい工夫が求められます。
ドジョウの種類別に見たウーパールーパーとの相性
一口に「ドジョウ」と言っても、実は種類によってサイズや性格、水質の好みなどが異なります。
ここでは代表的なドジョウの種類ごとに、ウーパールーパーとの混泳に向いているかどうかを解説します。
マドジョウ(日本産)
体長:最大20~25cm程度
マドジョウは日本の河川に生息する大型種で、成長するとウーパールーパーと同じくらいのサイズになります。
そのため「大きさ的には安心」と思われがちですが、動きが素早く、底砂を掘り返す習性が強いため、ウーパールーパーのストレス源になる可能性があります。
また、排泄量が多く、水質悪化の原因にもなりやすい点には注意が必要です。
シマドジョウ(日本産)
体長:最大10~15cm程度
マドジョウに比べて小柄で、ややおとなしい性格です。
水質にもある程度適応しますが、やはり底砂を掘る動作や、夜行性で活発に動き回る点がウーパールーパーにとって刺激となる場合があります。
ウパの視界に入る頻度が高くなると、誤って噛まれるリスクもあるため、やや注意が必要です。
クーリーローチ(東南アジア原産)
体長:最大6~10cm程度
観賞魚として人気のある小型ドジョウで、ナマズのような細長い体型が特徴です。
温和な性格で混泳向きと思われがちですが、**水温は25〜28℃前後を好むため、ウーパールーパーの適温(18〜22℃)とは大きくズレがあります。
**これが決定的な相性の悪さとなり、どちらかが体調を崩す原因になります。
スジシマドジョウ(日本産/レア)
体長:10cm前後
自然下ではややレアな種類ですが、観賞目的で飼育されることもあります。
サイズは小ぶりでシマドジョウに近いですが、動きは俊敏で水底を活発に泳ぎ回るため、ウパとの相性はやはり悪い部類です。
体色のコントラストも強く、ウパが興味を持ちやすい点にも注意。
結論:ドジョウ全般との混泳は非推奨
こうして見ると、どの種類のドジョウもウーパールーパーとの混泳には向かないことがわかります。
ドジョウは底で活発に動くため、おとなしいウパにとってはストレス源になりやすいのです。
また、誤飲やケガ、水質悪化などのトラブルも懸念されます。
どうしても混泳したい場合は、十分な広さと隠れ家を用意し、日々の観察を怠らないことが最低条件になります。
ウーパールーパーとドジョウを混泳させるなら
どうしても混泳に挑戦したい場合は、ウーパールーパーとドジョウのサイズをなるべく揃え、広めの水槽に十分な隠れ家を用意する、水温や水質の管理を徹底する、餌やりのタイミングをずらすなど、細かな配慮が必要です。
ただし、それでも思わぬトラブルが起こるリスクは完全には避けられません。
最も安心で確実な方法は、それぞれを別々の水槽で飼育することです。
どうしても両方を楽しみたい場合は、水槽を並べて設置することで、お互いの姿を見ながら飼育を楽しむ「隣り合わせ飼育」といった工夫もおすすめです。
見た目にも楽しく、お互いのストレスを避けつつ両方の生態を観察できます。
混泳にはロマンがありますが、生き物の命と健康を最優先に考え、無理のない飼育方法を選ぶことが大切です。
- 同じくらいの大きさの個体(ウーパーが小さすぎない)
- 十分な広さと隠れ家を用意
- 水温を20℃前後で管理
- 餌の時間をずらすなど、給餌の工夫
- 混泳開始後はこまめな観察が必須
食うか食われるかの捕食リスク
ウパがドジョウを捕食するリスク
ウーパールーパーがドジョウを捕食してしまうリスクは、実際に多くの飼育者が経験している現象です。
ウーパールーパーは視力が弱く、動くものを本能的に「餌」として認識してしまいます。
そのため、口に入るサイズのドジョウが同じ水槽内を動き回っていると、ウーパールーパーはそれを反射的にパクっと咥えてしまうことがあります。
特に、夜間や空腹時、また水槽が狭く逃げ場がない場合にこうした捕食行動が起きやすくなります。
ウーパールーパーの口は意外と大きく、顎の力も強いため、一度咥えたらドジョウは逃げることができず、そのまま飲み込まれてしまうこともあります。
ドジョウがウパを捕食するリスク
逆に、ドジョウがウーパールーパーを捕食してしまう可能性については、基本的には極めて低いと考えられています。
ドジョウは肉食性というより雑食性に近く、小さな虫や有機物、沈殿した餌などを食べる性質があります。
ウーパールーパーのような大きな生物を積極的に襲って食べるような習性は持っていません。
ただし、ウーパールーパーが非常に小さいベビーサイズで、かつドジョウが異常に大きい場合に限っては、口に入れてしまうような事故が起こらないとは言い切れません。
しかしこれは非常に稀なケースであり、通常サイズの個体同士であれば、ドジョウがウーパールーパーを捕食するリスクはほとんどないとされています。
捕食以外の悪影響
ただし、捕食とは違う形でドジョウがウーパールーパーに悪影響を与えることはあります。
たとえば、ドジョウがウーパールーパーのヒレやエラをつついてしまったり、動き回ることでウーパールーパーに過剰な刺激を与えてしまい、ストレスによる食欲不振や体調不良を招く可能性があります。
とくにウーパールーパーのエラは非常に繊細で、ちょっとした接触でも傷ついてしまうことがあるため、物理的な接触には注意が必要です。
したがって、ウーパールーパーとドジョウを混泳させる場合、ウーパールーパーがドジョウを捕食するリスクが明確に高く、ドジョウがウーパールーパーを捕食するリスクは極めて低いものの、接触によるトラブルの可能性があるという点で、慎重な判断が求められます。
混泳させるよりも、それぞれを別の水槽で大切に育てることが、結果的には両方にとって幸せな環境を提供することになるでしょう。
まとめ
ウーパールーパーとドジョウは、見た目や性格が一見相性が良さそうに感じられますが、実際には混泳にはさまざまなリスクが伴います。
特にウーパールーパーは口に入るものを本能的に食べてしまうため、ドジョウが捕食対象になる可能性は十分にあります。
逆にドジョウがウーパールーパーを襲うことはほとんどありませんが、接触や動きによってストレスを与えることはあり得ます。
水質や餌の管理といった面でも両者の習性の違いが影響し合うため、混泳は慎重に判断する必要があります。
どうしても両方を飼いたい場合は、別々の水槽でそれぞれの環境に合った飼育を行うのが安心です。
生き物の健康と安全を第一に考え、無理のない飼育スタイルを選びましょう。
\ ついでにこれも読んでいけ。 /
いや、読んでくださいお願いします(土下座)
