「しまった……カルキ抜きするの忘れた!」
ウーパールーパーの水換えをしたあと、ふと気づいて青ざめた方も多いのではないでしょうか。
水道水に含まれる“カルキ(塩素)”は、ウーパールーパーにとって有害なもの。
特に敏感な個体の場合、最悪の場合命に関わることもあります。
でも、安心してください。うっかりカルキ抜きを忘れてしまったときでも、すぐに取るべき対処法があります。
本記事では「カルキ抜きを忘れたときにウーパールーパーに起こる可能性のある影響」と「緊急時の対処法」について、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
カルキ抜きを忘れるとウーパールーパーはどうなる?

カルキ抜きが必要な理由
ウーパールーパーを安全に飼育するうえで、水道水に含まれる「カルキ(塩素)」を取り除くことはとても重要です。
塩素は水道水を衛生的に保つために含まれている成分ですが、生き物にとっては有害な成分でもあります。
特にウーパールーパーのような両生類は、皮膚やエラがとても繊細なため、塩素の影響を強く受けてしまうのです。
カルキ抜きをすることで、ウーパールーパーが安心して暮らせる水質に整えることができます。
うっかり忘れてしまった場合、早めに対処しないと体調を崩す原因になってしまいます。
水道水の塩素が与える影響
塩素は強い酸化作用を持っており、ウーパールーパーの体にさまざまな悪影響を与えます。
たとえば、以下のような影響が報告されています。
- 皮膚やエラの炎症
- 呼吸の異常(パクパクと苦しそうにする)
- 落ち着きがなくなる、もしくは動かなくなる
- 水中でバランスを崩す
これらの症状は、水道水の中に含まれる「ごく微量の塩素」であっても起こる可能性があります。
特に水換え直後に見られる場合は、カルキの影響を疑ってみましょう。
症状が出るまでの時間
カルキによる影響は、すぐに現れることもあれば、数時間〜半日ほどかかる場合もあります。
ウーパールーパーの個体差や水中の塩素濃度によっても変わりますが、以下のような経過をたどることがあります:
- 水換えから30分以内:落ち着きがなくなる・呼吸が荒くなる
- 数時間後:エラが赤くなる・皮膚の色が変わる
- 半日〜1日:餌を食べない・ぐったりする
ただし、軽度であれば症状が出ずに済むこともあります。とはいえ「何も起こらなかったから大丈夫」と思わず、今後の対策をしっかりと考えておくことが大切です。
最悪の場合どうなる?
残念ながら、カルキ入りの水に長時間さらされた場合、ウーパールーパーが死亡してしまうケースもあります。
とくに水換え後すぐに元気がなくなった場合は、体がショックを受けている可能性があり、迅速な対応が求められます。
また、すぐに命にかかわらなかったとしても、皮膚やエラへのダメージが蓄積されると、後々の体調不良や感染症の原因にもなりかねません。
カルキは“目に見えないダメージ”を与えるものでもあるため、毎回の水換えで確実にカルキ抜きをすることが大切です。
すぐにできる応急処置とは?
カルキ入りの水に入れてしまった直後の対処法
もし水換え後すぐに「カルキ抜き忘れた!」と気づいたら、できるだけ早くウーパールーパーを安全な水に戻すことが第一です。
具体的には、以下のような対応が推奨されます:
- 以前に使っていた水(まだ捨てていない場合)があれば、それに戻す
- すぐにカルキ抜き剤を使って新しい水を用意し、慎重に移す
- すぐに水を替えられない場合は、水槽内に直接カルキ抜き剤を入れる
- 急に温度差が出ないように水温にも注意する
塩素によるダメージは早ければ早いほど軽減できます。
迷っている時間がもったいないので、まずはウーパールーパーを塩素のある水から出すことを優先しましょう。
水をすぐに替えるべきか?
はい、すぐにでもカルキを抜いた水に替えるべきです。
すでに水槽全体にカルキが入ってしまっている場合は、一度ウーパールーパーを避難させたうえで、以下の手順で対応すると良いでしょう。
- バケツなどにカルキ抜き済みの水を用意する
- ウーパールーパーを優しく移動させる
- 水槽の水をすべて捨てる(フィルターや石も洗わずそのまま)
- カルキ抜き済みの新しい水を入れて、ウーパールーパーを戻す
フィルターなどに付いたバクテリアは重要なので、水槽の設備はなるべくいじらない方が安全です。
残りの水にカルキ抜きを追加しても意味ある?

すでにウーパールーパーが塩素入りの水に入ってしまっていても、今からでもカルキ抜きを追加する価値はあります。
理由はシンプルで、「今後の塩素によるダメージをこれ以上広げないため」です。
ただし、カルキ抜き剤の説明書に従って、適切な量を入れるようにしてください。
入れすぎると水質バランスが崩れることもあるので、焦って多めに入れすぎないこともポイントです。
ウーパールーパーが元気なら様子見でもOK?
様子見できるパターン
カルキ抜きを忘れてしまった後でも、ウーパールーパーがパクパクもせず、落ち着いて泳いでいるような場合、すぐに体調に影響が出ていない可能性があります。
このようなときは、以下の条件がそろっていれば「様子見」も選択肢の一つです。
- カルキを入れてしまってから時間が短い(30分以内など)
- カルキ抜き剤をすぐに追加した
- ウーパールーパーの様子に変化がない(呼吸、動き、食欲など)
ただし、「見た目が元気だから大丈夫」と決めつけないことが大切です。
塩素によるダメージはジワジワと遅れて現れることもあるため、その後24時間は注意深く観察するようにしましょう。
注意すべき体調の変化とは?
様子見をしている間に、以下のような変化が見られた場合は、すぐに水換えをするなどの対応が必要です。
- エラの色が赤くなる、または白っぽくなる
- パクパクと水面で苦しそうな呼吸をする
- じっと動かなくなる、あるいは逆に落ち着きがない
- 体をこすりつけるような動きをする
- 食欲がなくなる
これらは、ウーパールーパーが「水に違和感を感じている」「体に異常が出始めている」サインです。
見逃さず、すぐにカルキを完全に除去した水に替えてあげてください。
カルキ抜き忘れ予防や忘れた時のための対策
普段は汲み置き派でも“緊急用のカルキ抜き剤”は持っておこう
「いつもは一晩汲み置きして塩素を飛ばしているから大丈夫」という方も多いと思います。
もちろんそれは正しい方法のひとつですが、うっかり水を用意し忘れたときや、急いで水換えが必要になったときに困るケースもあります。
そんなときのために、カルキ抜き剤を1本だけでも常備しておくと安心です。
数百円程度で購入できるうえ、使用期限も長く、非常時にとても役立ちます。
「基本は汲み置き、万が一のときは薬剤」というようにリスク分散しておくことが、ウーパールーパーにとっても安心な環境づくりにつながります。
カルキ抜き剤がすぐ買えるお店を把握しておこう
普段はネット通販でカルキ抜き剤を購入している方も多いと思います。
ですが、うっかり切らしていたり、「今すぐ使いたい!」という緊急時には、届くまで待っていられないこともあります。
そんなときのために、近所でカルキ抜き剤を取り扱っているお店をいくつか把握しておくと安心です。
たとえば:
- ホームセンター(ペット用品コーナー)
- ダイソーなどの100円均一
- 熱帯魚やアクアリウムを扱うペットショップ
- 一部のドラッグストアやスーパー
などで販売されていることがあります。
「どこに行けばすぐ買えるか」を事前に確認しておけば、万が一のときにもすぐ行動できて、ウーパールーパーの命を守ることにつながります。
水換え前のルーティンを決めよう
水換え作業は、意外とルーチン化されていないと忘れものが発生しがちです。
毎回の水換えで「やることリスト」を決めておくと、カルキ抜きのし忘れを防ぐことができます。
たとえば…
- 水をくむ
- カルキ抜きを入れる
- しばらく置く(もしくは撹拌する)
- ウーパールーパーに使う
というような手順を固定化しておくと、無意識に抜かしてしまうミスが減ります。
カルキ抜き剤を目立つ場所に置く
「目に入らないから忘れる」というのもよくある原因です。
カルキ抜き剤を、水換え用のバケツや道具の近くにあえて目立つように置いておくことで、忘れるリスクをぐっと下げられます。
マスキングテープに「カルキ抜き忘れるな!」と書いて貼るのもおすすめです。
ちょっとした仕掛けが、意外と効果的なんです。
そもそも“カルキ抜き済みの水”を作っておく方法

最も確実なのは、あらかじめカルキを抜いた水を準備しておくことです。
水道水をバケツなどにくんで、一晩置いておく(自然に塩素が抜ける)だけでもOK。
また、カルキ抜きを入れた水を多めに作ってストックしておけば、いざというときに慌てずに済みます。
ペットボトルやタンクにカルキ抜き済みの水を常備しておくと、とても便利ですよ。
ネットの「カルキ抜き不要論」は本当?

ウーパールーパーの飼育情報を調べていると、
「うちはカルキ抜きせずに水道水そのまま使ってるけど元気だよ!」
という声を見かけることがあります。
たしかに、ウーパールーパーはある程度の環境変化に耐える“丈夫な一面”も持っているため、すぐに体調を崩さない個体もいます。
しかし、これはあくまで「その人の飼育環境ではたまたま問題が出なかっただけ」です。
ウパ自身の頑丈さも個体差がありますが、水道水の成分は地域によって差があり、塩素の濃度や水質も都市部・田舎、戸建て・マンションなどでまったく異なることがあります。
たとえば、
- 古い配管を通った水と新しい設備の水では、水質が違う
- 水道局によって塩素濃度の管理方針が違う
- 建物内のタンクを経由する水は、さらに変質している可能性もある
こういった背景があるため、他人の飼育方法をそのまま真似するのは非常に危険です。
一見元気に見えても、ウーパールーパーの体内では目に見えない負担がかかっている可能性もあります。
ウーパールーパーの健康を長く守るためには、「うちの子にはどうか?」を第一に考え、基本どおりにカルキ抜きを行うのが安全です。
まとめ|カルキ抜き忘れは焦らず冷静に対処しよう
ウーパールーパーの水換えでカルキ抜きを忘れてしまうと、不安になる気持ちはよく分かります。
しかし、気づいた段階ですぐに対処すれば手遅れになることは多くありません。
本記事で紹介したように、
- カルキがウーパールーパーに与える影響
- 忘れてしまったときの応急処置
- 状況によっては様子見も可能なこと
- 今後の対策方法
を知っておけば、同じミスを繰り返さずに済みます。
ウーパールーパーはとても繊細ですが、飼い主のちょっとした気づきで健康を守ることができます。焦らず、冷静に、やさしく見守ってあげてくださいね。