飼いやすい癒しのペットとして大人気のウーパールーパーですが、人気の理由のひとつは餌のあげやすさです。
基本的にウーパールーパーは人工飼料を与えて飼育することができますが、中でも嗜好性が高くよく食べるのが赤虫です。
昔は生きた赤虫も売られていましたが、現在は基本的に赤虫といえば冷凍赤虫が主流です。
虫が嫌いな人にとってはちょっと厳しいかもしれませんが、ほぼどんな個体でも食べてくれる万能餌と呼べるでしょう。
今回は、そんな赤虫のあげ方とその使い方についてご紹介します。
ウーパールーパーの餌「赤虫」とは?

ウーパールーパーに与える前に、赤虫とは何なのか少し解説しましょう。
赤虫とは文字通り赤いイモムシ状の虫で、水中の泥で生活する1センチ程度の虫です。
タブレットかアカムシか…じっくり品定めしてからアカムシを食べるルーシーさん😃#ウーパールーパー #リューシスティック #メキシコサラマンダー #タブレットとアカムシ#品定め #ルーシー・ゴンザレス pic.twitter.com/8Z5ePuYyNn
— 貴宏パパ (@7MSeexLEs9HH8PE) November 3, 2024
ユスリカというカの仲間の幼虫で、成虫はヤブカやヒトスジシマカと似たような見た目をしていますが、人間の血を吸うことはありません。
時折、イトミミズと混同されることがありますが、イトミミズよりも太く、動きが硬い印象があります。
ちなみに、イトミミズは虫の仲間ではなくミミズの仲間です。

アカムシとイトミミズは見た目が似ているけれどまったく別の生き物
かつては生きた赤虫が水槽やタライなどに入れられて餌用に売られていましたが、最近ではほとんど見かけなくなりました。
赤虫がいるのは水深がごく浅いドブ川のような環境なのですが、そのような場所が少なくなったこと、重金属汚染など餌としての安全性に問題があったこと、冷蔵庫で管理しなければすぐに死んでしまうなど扱いがやや面倒だったため、使われなくなったのだろうと思われます。
そのかわり、冷凍赤虫が普通に入手できるようになりました。
最近では生きた赤虫ではなく、冷凍赤虫が主流
熱帯魚屋さんや爬虫類ショップはもちろん、ペットコーナーのあるホームセンターやデパートでも買えますし、通信販売でも買うことができます。
冷凍赤虫は赤虫を集めて冷凍したものですが、ほとんどの商品は冷凍する段階で殺菌処理されていて衛生的です。
形が崩れてしまうこともないため、生きた赤虫を食べる生き物なら冷凍赤虫も食べてくれる場合がほとんどです。
冷凍庫で長期保存することができるため、とても便利です。
ウーパールーパーに赤虫のあげ方


冷凍の赤虫は解凍してから与える
それでは、実際にウーパールーパーに赤虫を与えてみましょう。
冷凍赤虫の場合は使いきりサイズのブロックに分かれてパッキングされているので、ブロックごと小さな容器に入れ、少量の水を入れて解凍します。
すぐに解凍されてバラバラになるので、溶かした水ごとウーパールーパーの水槽に流し込みましょう。
ウーパールーパーに与える赤虫の量は?
与える量の目安は、5分以内に食べきる量です。
もしウーパールーパーがまだ小さく、ブロック一つ分でも多すぎるようなら、ピンセットで少しずつ与えて様子を見ましょう。
解凍して使わなかった赤虫は捨てるしかないので、与える量がつかめてきたら、回答する前にブロックを切り分けて使うといいでしょう。
与える頻度
ウーパールーパーに餌を与える頻度については、後述しますがウーパールーパーに赤虫を与えるのは主に幼体の時だけです。
そして幼体のウーパールーパーは成長期でもありますので毎日1度は餌を与えるのが良いです。
ただし、大人になってからは肥満を予防するために2~3日に1回に減らすことも多いです。
生餌の赤虫を与えても良い?
赤虫は冷凍の物だけでなく、生餌でも販売されています。
ウーパールーパーに生餌の赤虫を与えることができるなら、むしろ冷凍の物よりも自然に近いのでより良いです。
ただ、生餌の問題点としては冷凍保存ができないという点。
短期間で与えてしまう必要があり、近所に釣具店やペットショップがあるといった場合以外はウーパールーパーの毎日の餌やりには非現実的になります。
そのため、より現実的なエサとして冷凍の赤虫が主流となっているのが現状です。
野生の赤虫を与えても良い?
野生の赤虫を捕獲して与えようとする人はレアだと思いますが、おすすめしません。
ウーパールーパーはもちろん野生だろうが人口繁殖だろうが関係なく食べると思いますが、野生の赤虫は衛生面が心配です。
何かのきっかけで赤虫を捕獲することがあったとしても、与えない方が無難です。
【成長段階別】ウーパールーパーにアカムシを与える役割
ウーパールーパーがアカムシを餌として与えるのは、自然で理にかなったことです。
アカムシは主にユスリカという昆虫の幼虫で、タンパク質が豊富に含まれており、ウーパールーパーの成長や健康維持にとって大切な栄養源になります。
成長段階によっても用途が異なってきますので参考にしてください。
幼体期(成長期)
成長期のウーパールーパーには、筋肉や臓器を作るために良質なタンパク質が必要で、その点でアカムシは理想的な餌といえます。
また、アカムシにはミネラルも含まれており、体内の代謝や骨の形成にも役立ちます。
人工飼料だけでは補いきれない微量元素を摂取できる点も、アカムシの魅力のひとつです。
そして、動きのあるアカムシはウーパールーパーの食欲を刺激し、餌を探すという本能的な行動を引き出すため、ストレス解消にもつながります。
成体期
成体期になると、急激な成長は一段落して体格が安定します。
この時期のアカムシは、エネルギー源というよりは、筋肉や内臓を健康に保つための「維持栄養」としての役割が強くなります。
活動量がそこそこある成体にとって、アカムシは消化に優しく食いつきも良いため、食欲を維持しやすいという利点もあります。
また、生きた餌や動きのある冷凍アカムシを与えることで、狩猟本能を刺激し、退屈させない工夫にもつながります。
シニア期(老齢期)
シニア期になると、消化能力や代謝が徐々に落ちてくるため、アカムシの「やわらかくて消化にやさしい」特性がより重要になります。
高齢になると固形の人工飼料を嫌がる個体も増えるので、アカムシのように食べやすい餌があると、食欲の低下を防ぐ助けになります。
また、シニア期の個体は体力が落ちて病気にもかかりやすくなるため、免疫を維持するうえでもタンパク質やミネラルをしっかり補えるアカムシは有効です。
ただし、年齢を重ねると運動量も落ちるため、カロリーの摂りすぎには注意が必要です。少量をこまめに与えたり、週に何度かだけアカムシを取り入れるなど、バランスを意識することがポイントになります。
ウーパールーパーに赤虫を与える際に注意すること
凍ったままの赤虫を与えるのはNG
もっとも多いのは、冷凍赤虫を凍ったまま食べさせてしまうことです。
凍ったままの赤虫をウーパールーパーに与えるのはNG
ウーパールーパーは餌を丸呑みするため、冷凍赤虫のブロックを凍ったまま水槽に入れると、解凍されないうちにブロックを食べてしまうことがあります。
おなかを壊して消化不良を起こしたり便秘になったりするので、必ず別容器で解凍してから与えましょう。
ウーパールーパーに赤虫を与えると散らばる
ウーパールーパーに赤虫を与えると必ず散らばります。
ウーパールーパーが余すこと食べてくれるというわけでもないので、基本的には散らばって水槽を汚してしまうのは仕方ないですね。
また、人工飼料よりも水を汚しやすい餌なので、水替え前に与えるといいでしょう。
冷凍赤虫だけでは栄養が偏ってしまうので、主食の人工飼料を決めておやつとして冷凍赤虫を与えたり、人工飼料を食べない個体への餌付けとして使うといいでしょう。



赤虫を与えると、水槽を汚しやすいので水替え前に与えるのがおすすめ!
赤虫の選び方と与える際の注意点
ウーパールーパーに赤虫を餌として与える際の赤虫の選び方には注意点があります。
まず、餌として与える赤虫は新鮮であることが重要です。
解凍後に時間経過したもの等はリスクがあるので与えないようにしてください。
購入は専門のペットショップや信頼できるオンラインストアがおすすめです。
これらの場所では適切に管理されている赤虫が提供されることが多いです。
また、ウーパールーパーのサイズに合わせて赤虫のサイズを選ぶことも大切です。
小さすぎると満足に食べられないことがありますし、大きすぎると飲み込むのが困難になることがあります。
ウーパールーパーに赤虫はいつまで与えるの?
成長期である幼体期の餌としてウーパールーパーに赤虫を与えるのは最適解と言えるかも知れません。
成体となったウーパールーパーもアカムシを食べますが、ただし大人になったウーパールーパーには赤虫だけでは栄養が不足してしまいます。
というのも赤虫は体の大半が水でできているため、ウーパールーパーにとって十分な栄養素を補えないんですね。


そこで大人になったウーパールーパーには、ミミズやエビ・ザリガニの幼体・メダカなどの小魚を与えるのが良いのですが、生餌を与えるのは餌の保管や管理がなかなか難しいという方が多いのではないでしょうか。


そこで現実的な落としどころとしては、ウーパールーパーが大人になった場合の餌は人口飼料となることが多いのです。
ウーパールーパーがアカムシを食べない理由と対処法
ウーパールーパーが赤虫を食べないのには、いくつかの理由が考えられます。
満腹
まずよくあるのが、お腹がいっぱいで食欲がないというケースです。
エサを与えすぎていると、自然と食べる意欲がなくなります。
ウーパールーパーは数日間何も食べなくても大丈夫なので、1〜2日間エサを控えてから再び赤虫を与えてみると、食べてくれることがあります。
水温
水温も重要な要素です。
ウーパールーパーは18〜22℃くらいの水温を好みます。
これよりも低すぎたり高すぎたりすると動きが鈍くなり、食欲も落ちてしまいます。
季節によって水温が変化するので、冷却ファンやヒーターなどを使って適温に保つと、食欲の回復につながることがあります。
与え方の問題
また、赤虫の与え方に問題がある場合もあります。
例えば、水槽の底に沈んでしまった赤虫や、フィルターの流れでどこかに流れてしまった赤虫は、ウーパールーパーが見つけられずにそのまま放置されることがあります。
そんなときは、ピンセットでウーパールーパーの目の前にそっと赤虫を差し出してみたり、小皿の上に乗せて与えたりすることで、食いついてくれる可能性が高まります。
エサに飽きた
中には、赤虫そのものが気に入らない、あるいは飽きてしまったという個体もいます。
赤虫のメーカーを変えてみる、または人工飼料やイトメなど別のエサに変えてみるのも一つの手です。
ウーパールーパーには個体差があるため、好みを見極めてあげることも大切です。
ウーパールーパーは赤虫で消化不良を起こす?
ウーパールーパーが赤虫を食べたあとに消化不良を起こすことはあります。
赤虫はウーパールーパーにとって一般的なエサのひとつですが、与え方や状態によっては負担になることもあるんです。
たとえば、冷凍赤虫をしっかり解凍せずに与えてしまうと、お腹の中でうまく消化できず、消化不良を引き起こすことがあります。
また、一度に大量に食べさせてしまうと、胃腸に負担がかかって動きが悪くなり、これも消化不良の原因になります。
さらに、赤虫の質が悪かったり、腐敗していたりすると、ウーパールーパーの体内でガスがたまって浮いてしまったり、食欲が落ちたりすることもあります。
特に水温が低すぎると消化機能そのものが鈍くなり、赤虫が未消化のまま体内にとどまってしまうこともあるため、水温管理も大切です。
もし赤虫を与えたあとに「浮いたまま動かない」「お腹がふくらんでいる」「食欲がない」などの様子が見られる場合は、数日エサを与えず、静かに様子を見るのがよいでしょう。それでも改善しなければ、水質チェックや、専門家への相談をおすすめします。
普段は元気だけど、なんとなく様子が変というときも、早めに対応してあげると安心ですよ。
アカムシと他の餌の比較
アカムシ
ウーパールーパーがよく好む餌で、動きがあるため食欲を引き出しやすいです。冷凍でも利用しやすく、消化にも良いのが特徴です。
栄養としては高タンパク・低脂肪で、特に若齢〜成体期にかけての主食や補助食として優秀です。
メリット
・食いつきが非常に良い
・タンパク質が豊富で成長を助ける
・消化しやすく体への負担が少ない
デメリット
・栄養が偏る(ビタミンやカルシウムが不足しやすい)
・保存・解凍の手間がある
・長期保存には冷凍庫が必要
人工飼料
総合栄養バランスを考えて作られているため、カルシウム・ビタミン・ミネラルが豊富に含まれており、主食として理想的です。
沈下性のものが多く、水中生活のウーパールーパーにとって食べやすい工夫もされています。
メリット
・栄養バランスが良く、長期飼育に向いている
・保存が簡単で常温で管理できる
・水を汚しにくい設計の商品もある
デメリット
・食いつきが悪い個体もいる(特に幼体や老齢期)
・噛む力が弱いと食べにくいこともある
・水に溶けてしまうと食べ残しが水質悪化の原因になる
イトミミズ


生き餌や冷凍で流通しており、こちらもタンパク質が多く、成長期の栄養補給に向いている餌です。
赤虫より脂質がやや高めで、エネルギー源としても有効ですが、管理がやや難しい側面があります。
メリット
・タンパク質・脂質ともに高く、成長促進に向いている
・生きているものは運動を促す刺激になる
・食いつきが良い
デメリット
・赤虫と比べて水を汚しやすい
・栄養バランスが偏る(特にカルシウムが少ない)
・寄生虫や病原菌のリスクがあるため管理に注意が必要
エビ
ブラインシュリンプは幼体向け、小エビは成体・シニア向けで使い分けられます。
エビ類はタンパク質とカルシウムのバランスが良く、特に骨や皮膚の形成に役立つ食材です。
メリット
・カルシウムが豊富で骨格の維持に役立つ
・栄養価が比較的バランスよく含まれる
・食感がしっかりしており、満足感がある
デメリット
・硬い殻を消化しにくい個体もいる(老齢期は注意)
・好みが分かれるため、食べない個体もいる
・大きすぎると喉に詰まらせる危険もある
ウーパールーパーに赤虫のあげ方は?【まとめ】
ウーパールーパーに冷凍赤虫を与える際に気を付けることは、次の3つです。
・解凍してから与えること。
・水を汚しやすいので水替え前に与えること。
・赤虫だけを食べさせないこと。
これらの注意点さえ守れば、よく食べて使い勝手のいい餌といえます。
ふだんは人工飼料だけで飼育していても、いざというときに備えて冷凍庫に常備しておくといいでしょう。