「カエルが鳴くのはオスだけ」――そんなイメージを持っている人は多いかもしれません。
でも実際にイエアメガエルを飼っていると、「あれ?この子、メスのはずなのに鳴いてる…?」と感じる場面に出くわすことがあります。
この記事では、「イエアメガエルのメスは本当に鳴くのか?」という疑問に答えながら、鳴き声の理由や性別との関係についてわかりやすく解説していきます。
また、「イエアメガエルがうるさい!」と騒音問題でお悩みの方向けに以下の記事が参考になりますので是非ご覧ください。

イエアメガエルの鳴き声に性別の違いはある?

一般的に鳴くのはオスだけ
イエアメガエルに限らず、多くのカエルは「オスだけが鳴く」とされています。
これは、鳴き声が繁殖のための行動であり、メスに自分の存在をアピールするためにオスが鳴くからです。
イエアメガエルのオスも例外ではなく、特に夜になると「グゥ、グゥ」と低く響く独特の声を出すことがあります。
オスには「鳴き袋」と呼ばれる器官があり、これを使って大きな声を響かせます。
鳴き袋はのどの部分にあり、鳴くときに風船のように膨らみます。
これが見られる場合、その個体はほぼ間違いなくオスです。
メスの鳴き声
では、なぜ「メスが鳴いているように見える」ことがあるのでしょうか?
実は、メスは基本的には鳴きませんが、興奮したり、刺激を受けたときに「キュッ」や「ギュッ」といったような、小さな声を発することがあります。
これが「鳴いている」と勘違いされることがあるのです。
うちのイエアメガエル、オス?メス?
イエアメガエルを飼っていると、「この子、オスかな?メスかな?」と気になることがありますよね。
とくに鳴き声が聞こえると、「やっぱりオス?」と迷ってしまう人も多いと思います。
鳴き袋

性別を見分けるポイントのひとつは、オスにだけある「鳴き袋」です。
これはのどのあたりにあり、鳴くときに風船のようにふくらみます。
鳴き袋が目に見えてふくらんでいるなら、その個体はオスと考えてまず間違いありません。
婚姻瘤
また、オスは繁殖期になると前足の親指あたりが黒く変化します。
これを「婚姻瘤(こんいんりゅう)」と呼び、交尾のときにメスをしっかり抱えるためのすべり止めのような役割があります。
飼育環境では出ないこともありますが、もし黒くなっていればオスの可能性が高いです。
婚姻瘤(抱きだこ) pic.twitter.com/7EfUZjQy8g
— カメムシ (@apesh0102) February 10, 2019
メスはオスより一回り大きい
一方で、メスは全体的に体がふっくらしており、オスに比べると一回り大きめのことが多いです。
ただし、個体差もあるため、見た目だけで断定するのは難しい場合もあります。
オスメスの判別は難しい
鳴き声だけで性別を判断するのはあまりおすすめできません。
メスは基本的に鳴かないはずですが、先ほども触れたように、驚いたときやストレスを感じたときに小さな声を出すことがあります。
逆に、オスでも鳴き声がほとんど聞こえない控えめなタイプもいます。
「鳴いてるのはメス?」と感じたときの注意点

「この子、メスのはずなのに鳴いてる気がする…」そんなとき、実は別の要因で勘違いしている可能性があります。
ここでは、よくある3つのパターンをご紹介します。
実は別の個体が鳴いていた?
複数のイエアメガエルを一緒に飼っている場合、鳴き声の主を見誤ることは珍しくありません。
水槽の中で誰が鳴いたのかを見極めるのは意外と難しく、「こっちの子(メスだと思ってた)が鳴いてる!」と思っても、実際には近くにいたオスの鳴き声だったというケースはよくあります。
夜にこっそり観察すると、鳴き袋がふくらんでいる様子が見えることもあり、鳴き声の主がはっきりすることがあります。
環境音・ストレスによる誤解も
イエアメガエルの鳴き声は、聞き慣れないと小鳥のさえずりや電化製品の音と似て聞こえることもあります。
とくに夜中の静かな時間帯は音が響きやすく、「この子が鳴いたんだ」と思い込んでしまうことも。
また、イエアメガエルはストレスや触られたときに「キュッ」や「ギュッ」といった短い音を出すことがあります。
これは鳴いているというより、驚いたときの反応に近いものです。
そのため、これを“鳴き声”と勘違いして「メスが鳴いた!」と感じることがあるのです。
メスだと思っていたが実はオスだった
もっとも多い勘違いのひとつが、「最初からメスだと思っていたけど、実はオスだった」というパターンです。
見た目がふっくらしていても、それだけでは性別を断定できません。
特に成長途中の個体や、性成熟前の若い個体だと、オスの特徴がまだはっきりしていないこともあります。
「鳴く=オス」である可能性が高いため、何度も鳴き声を確認できるようであれば、改めてオスの可能性を疑ってみてもよいでしょう。
イエアメガエルの鳴き声はうるさい?騒音問題について
イエアメガエルの鳴き声は想像以上に大きく、特にオスは繁殖期になると夜間に頻繁に鳴くため、集合住宅では騒音トラブルの原因になることもあります。
防音対策としては、飼育場所を工夫したり、防音材を使うなどの方法があります。購入前に鳴き声の特徴を理解しておくことが重要です。
イエアメガエルがうるさい!とお悩みの方向けの詳しい対策方法は、以下の記事をご覧ください。

まとめ
イエアメガエルの鳴き声に関して、「メスも鳴くのでは?」と思う場面は意外と多いものです。
しかし、基本的に鳴くのはオスであり、メスが声を出すのはごく一時的な反応であることがほとんどです。
性別の判断は鳴き声だけでは難しいこともあるため、見た目の特徴や行動なども含めて、総合的に見極めることが大切です。
また、鳴き声の音量については、たしかに夜になると気になることもありますが、基本的には近所迷惑になるほどではありません。飼育環境を整えることで、騒音トラブルも防げます。
イエアメガエルの鳴き声に疑問を感じたときは、落ち着いて観察し、その声の主や理由を見極めてみましょう。ちょっとした知識が、より安心して楽しく飼育するための助けになるはずです。