ヒキガエルの寿命を延ばす飼育方法とは?餌や毒性についても徹底解説!– category –

カエルヒキガエル
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爬虫類や両生類は万人に好かれるペットには決してなりえませんが、その中でもヒキガエルはキモいランキング上位に位置します。

自然の中で見かける機会も多いヒキガエルは、その独特の容姿で「キモいけどちょっと可愛いかも」という変わった感性の方もいるのではないでしょうか?

今回は、ヒキガエルの特徴から寿命を延ばす飼育方法、生態について詳しく解説しています。

ヒキガエルを飼育することを考えている方や、自然に生息するヒキガエルについて知識を深めたい方にとって、お役立ちできる情報となるよう記事を作成しましたので是非最後までお付き合いください。

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目次

ヒキガエルとは?

ヒキガエル(学名 Bufo bufo)は、暗褐色から緑褐色の体色を持ち、体全体に小さな疣(いぼ)が点在する特徴的な外見をしていて俗称でイボガエルと呼ばれることもあるカエルです。

体はがっしりとしており、比較的大きな頭と短い四肢が特徴です。

成体のサイズは8〜13cm程度で、メスはオスよりもやや大きいです。

ヒキガエルは夜行性で、昼間は隠れて活動し、夜になると昆虫やミミズ、小さな無脊椎動物を捕食します。

繁殖期には水辺に集まり、オスは独特の鳴き声でメスを誘い、水中にゼリー状の卵塊として産卵します。

皮膚から分泌される粘液に含まれる若干の毒性により、天敵から身を守ることができます。

この毒はヒキガエルの重要な防御手段であり、捕食者を遠ざける役割を果たしています。

また、森林、草地、庭園など多様な環境に適応する能力がありますが、繁殖期には水辺を必要とします。

ヒキガエルは広範囲に分布しており、一部の地域では一般的な存在ですが、生息地の破壊や環境汚染の影響を受けやすいため、生態系における彼らの役割を理解し、保護することが重要です。

なお、ヒキガエルと1くくりにまとめていますが、ヒキガエルの中にも種類があります。

ニホンヒキガエルという種類が最も多くの日本国民にとって身近な存在ですので、日本人がヒキガエルと言えば一般的にはニホンヒキガエルのことを指します。

そのためこの記事ではヒキガエル=ニホンヒキガエルという事で話を進めていきます。

ヒキガエルの寿命平均は?

野生下の寿命

ヒキガエルの野生環境における寿命は、天敵の存在に大きく影響されます。

特に幼体は、ヘビや鳥類、ネズミといった捕食者に狙われるため、その生存率は非常に低いです。

成体になると、毒腺(耳腺)から有毒な分泌物を出して捕食者から身を守りますが、一部のヘビや外来種の肉食動物にはこの毒が通用しません。

そのため、成体であっても天敵に捕食される危険は残ります。

こうした厳しい環境の中、野生のヒキガエルの寿命は5~10年程度です。

飼育下での寿命

一方、飼育下では天敵の脅威がほとんどなく、寿命が大幅に延びるため10年~15年程度が一般的です。

適切に管理された場合、20年近く生きることも珍しくありません。

ただし、家庭内で猫や犬などのペットに攻撃されるケースや、屋外飼育なら野生動物が侵入してくるリスクもゼロではありません。

天敵対策に加えて、飼育環境の不備やエサ不足が寿命を縮める要因になるため、注意が必要です。

ヒキガエルを長寿にさせるには?

ヒキガエルの寿命を最大限に伸ばすためには、飼育環境に潜むさまざまなリスクを事前に把握し、対策を講じておくことがとても大切です。

溺死リスク

よくある事故として「溺死」があります。

カエルは水生生物のイメージが強いため深めの水容器を用意しがちですが、実際には水に浸かるのは一時的であり、滑りやすい容器や足場のない水入れから自力で出られなくなると、意外にも簡単に溺れてしまいます。

おたまじゃくしは水生ですしウシガエルのような半水生のカエルもいるので誤解されがちですが、ヒキガエルは産卵期以外は泳げるような深い水場は不要です。

溺死を防ぐには、出入りしやすい浅い水容器を使い、スロープや石などの足場を必ず設置することが重要です。

肥満

給餌についても注意が必要です。

可愛がるあまり毎日餌を与え続けると、すぐに肥満になってしまいます。

肥満は内臓を圧迫し、運動不足や便秘を引き起こし、長期的には寿命を縮めてしまう原因になります。

成体のヒキガエルは2~3日に一度の餌やりで十分であり、活餌を使って運動させながら給餌することで、適度な体型を保つことができます。

脱皮不全

皮膚トラブルとしては、脱皮不全が代表的な問題です。

カエルは定期的に皮を脱ぎますが、飼育環境の湿度が不足していると、古い皮が体に残ってしまい、皮膚炎や感染の原因になります。

これを避けるには、常にケージ内の湿度を60~80%ほどに保ち、脱皮時にはぬるま湯で皮をふやかして取り除いてあげることが必要です。

誤飲

誤飲も見逃せないリスクのひとつです。

床材に使われた小石や木の破片などを餌と間違えて飲み込んでしまうと、消化不良や腸閉塞を引き起こします。

これを防ぐためには、誤飲しにくい素材を選び、餌は床材の上ではなく、専用の容器内で与えるようにします。

床材のカビや雑菌繁殖

床材の清潔さも健康を保つためには欠かせません。

湿った環境ではカビや雑菌が繁殖しやすく、皮膚炎や感染症のリスクを高めます。

定期的に床材を交換し、排泄物は毎日取り除くよう心がける必要があります。

安全な素材としては、無農薬・無化学処理のヤシガラ土や、濡らしたキッチンペーパーなどがよく用いられます。

急激な温度変化

急激な温度変化も体調不良を招きます。

カエルは変温動物のため、外気温に大きく左右されやすいので、季節の変わり目には温度をゆっくり変化させるようにします。

冬眠をさせることも可能ではありますが、初心者にとってはリスクが高く、飼育中に冬眠させずに一定の温度を保つ方が安全です。

飼い主による触り過ぎ

可愛がるあまり頻繁に触れてしまうのも良くありません。

カエルの皮膚は非常にデリケートで、人間の手に残った洗剤や塩分がダメージを与えることがあります。

どうしても触れる必要があるときは、水でよく洗って清潔な手で、乾かさずに濡れたまま扱うようにしましょう。

天敵に捕食される

忘れてはならないのが「天敵による捕食のリスク」です。

自然界では、ヒキガエルはヘビや大型の鳥、アライグマ、イタチ、ネコなどに狙われることがあります。

飼育下では一見関係ないように思えますが、例えば屋外のケージで飼っていたり、開け放した窓からネコが入ってくるような状況では、同じような危険が再現されてしまいます。

また、家庭内でも犬や猫と同居している場合、ちょっとした好奇心でカエルをくわえてしまう可能性もあるため、ケージは必ずしっかりした構造のものを使い、他の動物と隔離した場所に設置することが望ましいです。

脱走による死亡リスク

飼育ケースの構造にも気を配りましょう。

ヒキガエルは意外とジャンプ力があるため、フタのないケージでは脱走してしまうことがあります。

脱走した先で干からびたり、家具の隙間に挟まったり、人間に踏まれたりして命を落とす事故も実際にあります。

屋外に逃げてしまった場合は天敵のリスクももちろんあります。

しっかりと閉まる通気性のあるフタを使い、開閉には注意を払うようにしましょう。

多頭飼いによるリスク

複数飼育も慎重になるべき点です。

ニホンヒキガエルは共食いやケンカをすることがあり、特に体格差があると、小さな個体が犠牲になることがあります。

飼育するなら基本は単独が理想で、どうしても複数飼いたい場合は、十分な広さと観察力が求められます。

冬眠による死亡リスク

冬眠についてはこの記事の後半でも詳しく解説しますが冬眠による死亡リスクもあります。

冬眠は成功すれば理論上寿命を延ばすことができるのですが、冬眠中の死亡リスクもあるため一概に冬眠させた方が良いとも言えません。

よっぽど飼育下での冬眠させることに自信がなければ、冬眠させない方が無難です。

ヒキガエルの飼育方法

飼育容器について

ヒキガエルはそれほど大きくないですが、動き回るスペースが必要です。

最小限30cm×30cmの広さがあることが望ましいですが、できればもっと大きなスペースを提供することが理想的です。

ガラス製の水槽やプラスチック製の容器が一般的です。

透明な容器を選ぶと、ヒキガエルの様子を外から観察しやすくなります。

上部から逃げ出さないように飼育容器には蓋が必要ですが通気口としてメッシュタイプのものが理想的です。

基本的に陸生

ヒキガエルは基本的に陸生ですので泳ぐための水エリアは必要ありませんが、水分を補給するために水場が必要です。

水槽の一角に浅い水入れを設置します。

前述しましたように陸生のカエルですので溺死することもありますから、水深はあまり必要ありません。

水深はヒキガエルが簡単に出入りできる程度にしておくことが重要です。

水は常に清潔に保つ必要があり、定期的に交換してください。

水槽の大部分は陸地として設定します。

床材には湿度を保持できるもの(ピートモスやココナッツファイバー)を厚めに敷き詰めます。

温度・湿度管理

適切な温度(20〜25度C)を保つために、環境に応じてヒーターや冷却装置を用意することも必要です。

湿度は60%以上を保つため、水槽の蓋を部分的に閉じて蒸発を抑えると良いでしょう。

また、霧吹きで定期的に水分を供給することも効果的です。

エサは主に肉食

野生のヒキガエルが食べる餌は主に昆虫です。

ヒキガエルが食べる昆虫には様々な種類がありますが、中でもコオロギやバッタが最も一般的に食べられています。

スズムシ、ダンゴムシなど、その他多くの小さな節足動物もヒキガエルの食事に含まれます。

小さなヒキガエルはアリを食べることがあります。

小さくて捕まえやすいため、幼少期の個体にとっては良い食料源となります。

ヒキガエルの虫以外の餌は?

ヒキガエルの主な餌は昆虫や節足動物であることを前述しましたが、飼育する立場となればそれらの餌を自然環境から確保し続けるのは困難な事が多いのではないでしょうか。

また野生の昆虫は何を食べているかが分からなかったり病原菌を持っていることもあるので、飼育しているヒキガエルの餌とすることにもリスクが伴います。

そこで野生の虫以外の餌について解説します。

  1. ヒキガエル専用の人工飼料
    栄養バランスが考慮されており、手軽に与えられるのが魅力です。
    様々なメーカーから販売されているので、ヒキガエルの成長段階や好みに合わせて選ぶと良いでしょう。
  2. 乾燥昆虫
    乾燥ミルワームや乾燥コオロギなどの乾燥昆虫です。
    これらは生きた虫に比べて保存しやすく、ペットショップや通販サイトでも手軽に与えることができます。
    ただし、水分が少ないため、与える際には水でふやかしてから与えるのがおすすめです。
  3. 鶏肉や豚肉
    鶏肉や豚肉などの動物性タンパク質も小さくカットして与えることで、ヒキガエルのタンパク質補給になります。ただし、脂肪分が多い部位は避け、赤身の部分を与えるようにしましょう。
参考動画
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