ヒキガエルを飼育するうえで、床材の選び方は見落としがちですが、健康維持や掃除のしやすさに大きく関わる重要なポイントです。
この記事では、赤玉土やヤシガラ土などの基本的な床材を中心に、ヒキガエルに適した素材の特徴と選び方のコツを紹介します。
ヒキガエルの飼育全般に関する詳細は以下の記事を是非参考にしてください。
🧱ヒキガエルにおすすめの床材4選
ヒキガエルの飼育では、湿度を保ちやすく、潜りやすい柔らかめの床材が適しています。
ここでは特に使用例が多く、飼育者の間で実績のある4種類を紹介します。
🔴赤玉土(細粒)

赤玉土は吸湿性と通気性のバランスに優れた床材で、多くの両生類飼育者に支持されています。
細粒タイプを使うことで、ヒキガエルが潜りやすくなり、見た目も自然な印象になります。
ただし、餌と一緒に誤って飲み込んでしまう可能性があるため、給餌時にはペットシーツを敷く、ピンセット給餌にするなどの工夫が必要です。
🌴ヤシガラ土(ココピート)

自然な土のような手触りと見た目で、ヒキガエルも落ち着きやすい環境になります。
ただし、乾燥すると粉っぽく舞いやすいため、表面が乾いたら軽く霧吹きで湿らせるのがポイントです。
🌿腐葉土(無農薬・無添加)

自然志向の飼育者に人気なのが腐葉土。
ヒキガエルの野生環境に近い質感で、保湿性・潜りやすさの点でも優れています。
注意すべきは、市販の腐葉土には農薬や化学添加物が含まれているものがある点。
使用する場合は、両生類飼育専用の腐葉土や、原材料が明確な無農薬品を選びましょう。
🟫ピートモス(単体使用はやや注意)

ピートモスは保湿力と柔らかさに優れており、ヒキガエルもよく潜り込みますが、単体では酸性が強く、皮膚に刺激を与える可能性があります。
そのため、単体使用は避け、赤玉土や腐葉土と混ぜて中和して使うのがおすすめです。
比率としては、赤玉土:ピートモス=7:3 くらいが目安です。
🧼その他の床材とその特徴
ヒキガエル飼育では、必ずしも自然素材の床材だけが正解とは限りません。
飼育者のスタイルや管理のしやすさに応じて、補助的または代替的に使われる素材も存在します。
ここでは代表的なものを紹介します。
人工芝
人工芝は水で丸洗いできるため、掃除のしやすさを重視する飼育者に人気です。
ただし、ヒキガエルは潜ることを好むため、人工芝だけではストレスを感じる個体もいます。
→ 活用方法としては、一部スペースに敷いて、床材との使い分けをするのがおすすめです。
キッチンペーパー・ペットシーツ
とにかく清潔重視!という人には、キッチンペーパーやペットシーツの使用も選択肢になります。
排泄物の処理がしやすく、病気の個体や隔離飼育にも向いています。
ただし、乾燥しやすく保湿力が低いため、頻繁な霧吹きや加湿が必要です。
また、見た目が味気なくなりがちなので、インテリア性を重視する人には不向きかもしれません。
砂利・ソイル・ウールマット類
砂利類はヒキガエルの床材には適していません。
誤飲のリスクが高く、硬すぎて潜れないため不向きです。
ベアタンク(床材なし)
水槽の底に何も敷かないスタイルを「ベアタンク」と呼びます。
掃除の手間が圧倒的に少なく、排泄物もすぐに見つけて拭き取れるため、衛生管理のしやすさは最強クラスです。
ただし、以下のような注意点があります。
- 湿度が保ちにくいため、頻繁な霧吹きや保湿エリアの工夫が必要
- ヒキガエルは潜れる場所がないと落ち着かない個体もいる
- 見た目が殺風景になりがちで、観賞用としてはやや味気ない
そのため、病気・隔離中の一時的な環境として使うケースが多いです。
また、部分的に水苔を敷いたり、簡易な隠れ家を置くなどしてカエルのストレスを軽減する工夫も求められます。
🧭飼育スタイル別おすすめ床材
ヒキガエルの床材は、「どんな飼育スタイルを目指すか」によって最適な選択が変わってきます。
ここでは、目的別におすすめの床材組み合わせと、その理由を紹介します。
👶初心者でまずは無難に始めたい方

これからヒキガエル飼育を始める初心者には、赤玉土(細粒)とヤシガラ土を混ぜて使う方法が最も安定した選択肢です。
赤玉土は通気性がありつつ保湿力も十分で、ヤシガラ土と組み合わせることで柔らかく潜りやすい床になります。
見た目にも自然で、初めての方でも管理しやすく、失敗しにくい構成です。
🧼掃除のしやすさを最重視したい方
清潔さを最優先したい場合は、ペットシーツやキッチンペーパーを床材として使う方法がおすすめです。
排泄物がすぐに見つけられて、取り換えも簡単。
特に病気の個体や様子見中のカエルには、こういった簡易的な床材が適しています。
ただし保湿力が弱いため、霧吹きや加湿アイテムでの湿度補助は欠かせません。
🪴自然っぽいレイアウトで楽しみたい方
野生感のある自然な飼育環境を作りたい方には、腐葉土やヤシガラ土を中心に、落ち葉や流木、苔などを組み合わせたレイアウトが向いています。
見た目が楽しいだけでなく、カエルの行動観察の面白さも倍増します。
ただし、湿度がこもりすぎたりカビが生えやすい環境になることもあるため、メンテナンスはこまめに行う必要があります。
💡人工餌を使いたい方・誤飲を避けたい方
人工餌に慣れた個体や、ピンセット給餌をメインにする場合は、床材の誤飲が気になるところです。
こういった場合は、人工芝やタイルなど硬めの床材を使うか、給餌エリアだけ別素材にすることで誤飲リスクを軽減できます。
潜ることができないため、ストレス回避のためにシェルターや湿った隠れ家を別途設けることが重要になります。
💬ヒキガエルの床材選びQ&A
床材は一度設置すると頻繁に変えるものではないため、最初にしっかり選んでおきたいものです。
ここでは、ヒキガエルの床材に関してよくある疑問にお答えします。
Q. 床材を誤って食べてしまうことはありますか?
あります。
特にコオロギなどの餌を直接床に置いて与えた場合、動きと一緒に床材ごと口に入れてしまうことがあります。
赤玉土や腐葉土などの自然素材は少量なら排出されることもありますが、大量に飲み込むと腸閉塞の原因になることもあるため注意が必要です。
給餌時はピンセットを使うか、ペットシーツを一時的に敷いておくと安心です。
Q. カビが生えるのが怖いです。どう対策すれば良いですか?
腐葉土やヤシガラ土などの有機素材を使っている場合、湿度が高すぎたり通気が悪いとカビが発生することがあります。
これを防ぐには、床材が常にびしょ濡れにならないよう水分量を調整し、1日1回はフタを開けて換気することが大切です。
表面が乾燥してきたら軽く霧吹きするなど、適度な湿度バランスを保つようにしましょう。
Q. 床材はどれくらいの頻度で交換すれば良いですか?
素材によりますが、自然素材の床材(赤玉土・ヤシガラ・腐葉土など)は月に1〜2回の全交換か、汚れた部分だけを随時入れ替える方法が一般的です。
特にフンや餌の食べ残しが多い部分は早めに取り除くことで、カビや悪臭の予防になります。
人工芝やペットシーツの場合は、汚れたタイミングで随時交換・洗浄するスタイルになります。
✅まとめ|ヒキガエルの床材選びは「湿度」と「清掃性」のバランスが鍵
ヒキガエルにとって快適な床材とは、湿度をしっかり保ちつつ、掃除や管理がしやすいものです。
赤玉土やヤシガラ土など自然系素材は定番ですが、飼育スタイルによっては人工芝やペットシーツなどの代替素材も選択肢になります。
床材選びに「これが正解」という決まりはありません。
ヒキガエルの様子や飼育者の手間のかけ方に応じて、無理のない範囲で最適な環境を見つけてあげることが大切です。
ヒキガエルの飼育全般に関する詳細は以下の記事を是非参考にしてください。