イエアメガエルがいつの間にかケージの外へ!?
「えっ、どこいった!?」と焦った経験のある飼い主さんも多いのではないでしょうか。
イエアメガエルはのんびりした見た目に反して、意外とジャンプ力があり、隙間さえあればスルリと脱走してしまうことがあります。
とくにケージのフタがしっかり閉まっていなかったり、通気口が広すぎたりすると要注意です。
飼育者の見ている範囲でケージの外に出たくらいなら笑い話で済みそうですが、知らぬ間にどこかに脱走してしまえば事はかなり深刻に・・・!!
本記事では、イエアメガエルが脱走する原因やリスク、そして脱走を防ぐための対策や、万が一逃げ出してしまった場合の捜索方法について詳しく解説します。
大切なカエルを安全に飼育するためにも、ぜひ最後までご覧ください。
「カエルってそんなに動き回るもん?」と油断している飼い主さんほど、思わぬタイミングで脱走を経験してしまうことがあります。
イエアメガエルは、昼間はじっとしていることが多いため大人しい印象を持たれがちですが、実は夜になると活発に動き回る夜行性。
ジャンプ力も強く、ちょっとしたスキを突いて外へ飛び出すことがあります。
脱走の原因は、主に飼育環境の不備や人間側の油断にあります。以下に、代表的な脱走のきっかけを詳しく紹介していきます。
イエアメガエルが脱走するのはどんなとき?

ジャンプ力を甘く見ていた
イエアメガエルのジャンプ力は想像以上です。
地面から垂直にジャンプして10〜20cmほど跳ね上がることも珍しくなく、ケージの高さが足りない場合や、フタを開けたまま作業していると、あっという間に飛び出してしまいます。
顔面ジャンプ頂きました~😆💓#イエアメガエル #カエル pic.twitter.com/Gwg3YZkXFT
— 🐸オクラあずきミントあられクッキーココアマー君姫 (@OKURAmom) July 3, 2021
特に脱走のリスクが高いのは、以下のような状況です。
- エサやり中にフタを開けっ放しにしていたとき
- メンテナンス中に目を離したすき間時間
- 高さが十分でない小型の飼育ケースを使用していた場合
一度でも成功体験があると、学習して同じ行動を繰り返すようになる個体もいるので要注意です。
ケージのフタがしっかり閉まっていなかった
フタがあるから安心…と思っていても、意外と盲点なのが「ロックの甘さ」や「閉め方の不完全さ」です。
例えば、
- スライド式のフタが半開きになっていた
- 軽いフタが乗せてあるだけで固定されていなかった
- 通気のためにフタを少しずらしていた
こうした状態では、ジャンプや力で押し開けられてしまうことがあります。
中には、鼻先や前脚でグイグイと押してフタをこじ開けてしまう“知恵者”も。
とくに夜間は飼い主が寝ているため、気づいた時にはすでに姿がない…ということにもつながります。
通気口やスキマからのすり抜け
ケージの構造にもよりますが、通気口の網目やスライド扉のスキマなど、“まさかここからは出られないだろう”という部分から脱走されるケースもあります。
イエアメガエルは、柔らかい体をギュッと縮めて細い場所を通り抜ける能力があります。
体の幅が通るかどうかではなく、“頭が通れば抜けられる”というくらいに思っておいた方がいいでしょう。
特に注意が必要なのは、
- 通気口の網目が広いタイプのフタ
- シェルターや枝などを足場にして出口に届いてしまう構造
- 自作ケージや旧式の飼育ケース
安全そうに見えても、油断は禁物です。
脱走がもたらすリスクとは?
イエアメガエルの脱走は、単なる「いたずら」や「冒険」で済む話ではありません。
彼らの体はとてもデリケートで、外の世界には命に関わる危険がたくさん潜んでいます。
ここでは、実際に脱走してしまった場合にどんなリスクがあるのかを具体的に見ていきましょう。
乾燥による命の危険
イエアメガエルは水辺を好むカエルではないものの、皮膚呼吸をしているため、適度な湿度がないとすぐに体が乾いてしまいます。
室内の床や家具の上をしばらく這い回っていると、皮膚が乾燥してしまい、最悪の場合は命を落とすこともあります。
特に冬場の暖房が効いた部屋や、エアコンの風が直接当たるような場所は、数十分で致命的な乾燥状態に陥る可能性もあります。
踏まれる・ペットに襲われるリスク

室内飼育では、脱走したカエルが家具の隙間や床を這い回ることで、うっかり踏んでしまったり、椅子のキャスターで巻き込んでしまったりするリスクがあります。
特に小さなお子さんや視界の悪い場所では注意が必要です。
また、犬や猫など他のペットを飼っている家庭では、好奇心から近づいてきてじゃれたり、最悪の場合は咥えてしまうなどして、命に関わる事故になる可能性もあります。
ペットのいる家での脱走は、一刻も早い発見が重要です。
さらに少数派ではありますが、屋外で飼育している場合は、野鳥や野良猫、ヘビ、イタチなどの外敵に襲われるリスクも見逃せません。
脱走してしまえば、こうした天敵の格好の獲物になってしまい、捕食される可能性が非常に高くなります。
特に夜間は活動中の野生動物と遭遇しやすいため、対策を怠ると一晩で命を落としてしまう危険もあります。
見つからないまま行方不明になる恐れ
一度脱走してしまうと、見つけるのは想像以上に大変です。
狭い隙間、家具の裏、押し入れの奥、カーテンの裏側など、あらゆるところに入り込む可能性があります。
しかも動きが静かで鳴くことも少ないため、音で見つけるのも難しいのが現実です。
そして何日経っても発見できなければ、結果的にそのまま命を落としてしまうことにも繋がりかねません。
脱走を防ぐための飼育環境のポイント

イエアメガエルの脱走を防ぐには、「そもそも脱走できない環境」を作っておくことが何よりも重要です。
一度逃げられてから慌てて対策するのではなく、日頃から万全の備えを整えておくことで、リスクをグッと下げることができます。
ここでは、具体的にどんな点に気をつけてケージを整えるべきかをご紹介します。
フタ付きケージは必須!
もっとも基本的で、もっとも重要なポイントです。
イエアメガエルは高くジャンプできるため、フタのないケージはほぼ確実に脱走されると思っておいた方がいいでしょう。
以下のようなフタをおすすめします:
- 金網やパンチングメタルなどで通気性があるもの
- プラスチック製でもロック機構がしっかりしているもの
- 乗せるだけのフタの場合は、重りを置いて動かないようにする
また、メンテナンスやエサやりで開けた際は、必ずその場で閉めるクセをつけましょう。「あとで閉めよう」は禁物です。
通気口のサイズにも要注意
見落とされがちなのが「通気口からのすり抜け」です。
イエアメガエルは意外と細身で柔らかい体をしているため、少しのスキマがあれば頭をねじ込んで出てきてしまうことがあります。
とくに以下のような構造のケージは注意が必要です:
- メッシュの穴が大きいタイプのフタ
- スライド扉にできたわずかな隙間
- 自作ケースでパーツのつなぎ目が甘いもの
「これは通れないだろう」と思うような隙間でも、実際にはスルリと抜け出されてしまうので、1cm未満の隙間も油断せず塞ぐことが大切です。
レイアウトの工夫でジャンプを防ぐ
レイアウト次第では、カエルにジャンプの“足場”を与えてしまっている場合もあります。
たとえばケージ内に設置した流木やシェルター、観葉植物などが壁に近すぎると、それらを足場にしてケージのフタまで届いてしまうことがあるのです。
ジャンプで脱走されないためには、以下の点を意識すると良いでしょう:
- 高さのあるオブジェクトは中央寄りに配置する
- 壁際に物を置かない
- カエルが登ってもフタに届かない構造にする
ケージ内を観察して、「これ、ここから登ったら危なくないか?」とカエル目線で確認してみるのがおすすめです。
屋外飼育よりも室内飼育が望ましい
最近では自然の気温を活かした屋外飼育をしている方もいますが、脱走リスクを考えると断然室内飼育のほうが安全です。
屋外では脱走に気づくタイミングが遅れがちで、その間に野鳥や野良猫、さらにはヘビなどの天敵に襲われる可能性が高まります。
また、広範囲に移動されてしまうため、「探す」という行為そのものが非常に困難になります。
室内であれば、湿気を好むカエルの性質を考慮して探索場所を絞ることができますし、乾燥による危険にもすぐに対処できます。
脱走そのものを防ぐためにも、そして万一のときの発見率を上げるためにも、屋外よりも室内飼育が圧倒的に望ましいと言えるでしょう。
ケージを開ける際は室内の窓やドアを全部閉める
これは意外と見落とされがちな「最後の砦」とも言えるポイントです。
ケージのフタを開けてエサやりや掃除をするときは、部屋のドアや窓を必ず閉めておくようにしましょう。
仮にその場でジャンプされてケージの外に出られてしまっても、部屋の中に閉じ込めておければ、発見できる可能性は格段に高くなります。
逆にドアや窓が開いていれば、家中どころかベランダや屋外まで移動されてしまい、発見が非常に難しくなります。
「まさかこのタイミングで逃げるわけないだろう」はNGです。
毎回“脱走しても見つけられる環境”を整えてからフタを開ける、これが安全飼育の基本です。
万が一、イエアメガエルが脱走してしまったときの探し方

どれだけ対策していても、ふとした油断やケージの不具合で脱走されてしまうことはあります。
そんなとき、焦って無計画に探し回るのではなく、カエルの習性に基づいた“効率的な捜索”を行うことがとても重要です。
ここでは、イエアメガエルが脱走した際にとるべき行動と、探すべきポイントを具体的に紹介します。
まずはケージ周辺を丁寧にチェック
ジャンプして出た直後であれば、カエルはまだ遠くまでは移動していないことが多いです。
まずはケージのすぐ周囲を静かに観察してみましょう。
- ケージの裏側や横
- すぐ近くの壁沿い
- ケージに設置していたレイアウト用品の陰
パニックになってバタバタと動き回ると、かえってカエルを驚かせて逃がしてしまう可能性があります。
静かに、低い姿勢で、カエルの目線になって探してみるのがコツです。
湿気のある場所・暗い場所を探そう
イエアメガエルは乾燥に弱く、脱走後は本能的に湿度が保たれた暗い場所に移動しがちです。
次のような場所を優先的に探してみてください:
- 洗面所や風呂場、脱衣所の隅
- エアコンや加湿器の近く
- カーテンの裏、観葉植物の鉢の近く
- 棚の下、家具の隙間
また、冬場であれば暖かい場所(ヒーターや冷蔵庫の裏など)に潜むこともあります。
可能であれば部屋の照明を落とし、懐中電灯で照らしながら静かに探すのがおすすめです。
家族やペットに注意しながら根気よく探す
家族がいる場合は、**「踏まないように気をつけて!」**と周知しながら、協力して探しましょう。
ペットがいる家庭では、犬や猫がカエルを見つけてしまうとケガをさせる危険があるため、一時的に別室に移動させたほうが安心です。
また、探すときは1カ所ずつ順番に確認し、「ここにはいない」と確信が持てた場所からチェックを潰していく方法が有効です。
部屋中をごちゃごちゃ探すよりも、1部屋→1エリアとしっかり順序を決めることで、見落としを防げます。
まとめ
イエアメガエルの脱走は、「のんびりした性格だから大丈夫」と油断したときにこそ起こります。
ジャンプ力や柔軟な体を活かして、ほんのわずかな隙間からでも脱走してしまうことがあるため、事前の環境づくりが何よりも大切です。
脱走がもたらすリスクは、命の危険を含む深刻なもの。だからこそ、フタ付きのケージを使う、通気口やスキマをチェックする、レイアウトを工夫する…といった対策をしっかり行いましょう。
そして、万が一逃げてしまっても、慌てず落ち着いて探すことが重要です。
イエアメガエルの行動パターンや好む環境を理解しておけば、きっと再会できるはずです。
脱走を「運が悪かった」と済ませるのではなく、二度と起きないように環境を見直すことが、飼い主の責任でもあり、愛情の証でもあります。